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【2021】システムの導入・開発に使える補助金は?申請の際のポイント・注意点

システムのための補助金

働き方改革や人手不足等のため、業務の効率化はどの企業にとっても重要な課題ですね。業務効率化に欠かせないのがシステムの導入です。今回は、中小企業が使えるシステム導入の補助金を紹介します。

システム導入に使える補助金

中小企業がシステム導入に使える補助金は以下のようなものがあります。補助金によって金額はもちろん目的も異なります。自社の導入目的に合った補助金を選ぶようにしましょう。

補助金名 目的 補助金 導入対象システム 直近の採択率
IT導入補助金 ITツール導入による生産性改善 30万円から450万円 登録されたITツールのみ(パッケージソフト) 非公表
ものづくり補助金(一般型) 生産性改善のための設備投資、ソフトウェア開発 100万円~1000万円 目的に合致していれば特段指定なし。独自のシステム構築も可

 

3割程度
小規模事業者持続化補助金 販路開拓 上限 100万円 3割程度
事業再構築補助金(通常枠) ウィズコロナ・ポストコロナのための事業再構築 100万円~8000万円 2021年3月より新規公募

以下より、IT導入補助金を中心に、中小企業が使えるシステム導入の補助金を紹介していきます。

IT導入補助金

システム導入で使える補助金の代表的なものが、IT導入補助金です。任意に導入するシステムを決められるのではなく、IT導入補助金対象として事前に登録されたパッケージソフトやクラウドサービス等のツールの中から選びます。

申請はITベンダー等のIT導入支援事業者と二人三脚で行うので、初めて補助金を申請する企業にとっても取り組みやすいでしょう。

対象者

中小企業、小規模事業者だけでなく、個人事業主や社会福祉法人、医療法人、学校法人なども申請できます。

業種 資本金 常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業又は情報処理サービス業 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下
旅館業 5,000万円以下 200人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下
医療法人、社会福祉法人、学校法人 300人以下

対象となる取り組み

業務プロセスの生産性をITツールで改善する取り組みが対象です。

また、昨年2020年からコロナ対策のための型が用意されましたが、2021年度は「低感染リスク型ビジネス枠」(C類型)として実施されます。低感染リスク型ビジネス枠では、業務の非対面化ツールの導入が対象となります。またD類型としてテレワークの環境整備に特化したものがありますが、今回のテーマはシステムのため割愛します。

導入するITツールはITベンダーなどのIT導入支援事業者が事前に登録したツールの中から選びます。ソフトウェアやクラウドサービス利用料だけでなく、導入に必要なコンサルティング費用、教育費用、保守費用等も対象になります。

後述するC類型のみ、ハードウェアのレンタル費用も対象になります。

補助額

C類型は、感染リスクを減らすため業務の非対面化を進める取り組みが対象となり、補助率が通常のA類型やB類型よりアップします。また、C類型のみハードウェアのレンタル費用も対象となります。

上限・下限額 補助率 プロセス数 賃上げ目標 補助対象経費
A類型 30万円~150万円未満 1/2 1以上 加点項目 生産性向上に役立つITツールの導入費用(ソフトウェア購入費用、導入コンサル費用等)
B類型 150万円~450万円以下 1/2 4以上 必須要件
C-1低感染リスク型ビジネス枠 30万円~300万円未満 2/3 2以上 加点項目 生産性向上に役立ち、かつ非対面化ツールの導入費用(ソフトウェア購入費用、導入コンサル費用、ハードウェアレンタル費用等)
C-2低感染リスク型ビジネス枠 300万円~450万円以下 必須要件

類型によって何が違うのか

類型によって補助額が変わりますが、これは「プロセス数」や賃上げ目標を必須とするかどうかで決まります。

プロセス数とは、以下の業務プロセスのうちのいくつを担うソフトウェアであるかをみます。A類型であれば1~6のいずれか一つの業務プロセスに対応したソフトウェアであればよく、B類型になれば、4つ以上のプロセスへの対応が必要になります。

RPAツールに代表される自動化ツールは「汎用プロセス」となります。「汎用プロセス」単体での申請は不可ですが、業務プロセスツールと組み合わせて申請することで、プロセスの1つとしてカウントできます。

また、セキュリティなどの「オプション」、導入コンサルティングなどの「役務」に関わる費用は、単体での申請は不可ですが、業務プロセスツールと組み合わせて申請ができます。

業務プロセス 汎用プロセス オプション 役務
①顧客対応・販売支援

②決済・債権債務・資金回収管理

③調達・供給・在庫・物流

④会計・財務・経営

⑤ 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム

⑥業種固有プロセス

①自動化

②分析ツール

③汎用ツール

※業務が限定されないが生産性向上に役立つツール

①機能拡張

②データ連携ツール

③セキュリティ

①導入コンサルティング

②導入設定・マニュアル作成・導入研修

③保守サポート

④ハードウェアレンタル

とはいえ、自社の課題解決にふさわしいツールがどれなのか、どの業務プロセスが含まれるのかわかりにくい部分もあります。IT導入支援事業者と相談しながら申請する類型を決めていったら良いでしょう。

次に賃上げ目標です。これは3か年計画を作成し、以下の事項を従業員に表明することが必要です。

  • 3年間、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させること
  • 3年間、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水
    準とすること

B類型とC-2類型では賃上げ目標の設定が必須となっており、もし目標を達成できなければ補助金の返還を求められる場合があるので注意が必要です。

申請方法

IT導入支援事業者の選定

補助事業を実施するうえでのパートナーとなる「IT導入支援事業者」を選びます。

IT導入支援事業者がITツールの提案・導入や事業計画の策定支援など、申請手続をサポートしてくれます。IT導入支援事業者は要件を満たした業者があらかじめ登録されていますので、その中から選ぶことになります。

ITツールの選択

IT導入支援事業者と相談しながら自社の課題に合ったITツールを選びましょう。

事業計画の作成

IT導入支援事業者と共同で補助事業の計画を作成します。作成にあたっては、「労働生産性」の1年後伸び率が3%以上、3年後伸び率が9%以上とすることが必須要件です。労働生産性とは以下の通り従業員一人当たり1時間当たりの粗利を計算して算出します。

  • 労働生産性 =粗利益(売上-原価)/(従業員数×1人当たり勤務時間(年平均))

申請

申請は、「Jグランツ」という補助金申請システムにて電子申請で行います。申請にはgBizIDプライムアカウントが必要ですが、取得に2~3週間かかります。まだアカウントをお持ちでない方は早めに取得してください。

ITツールの発注・契約・支払い(補助事業の実施)

交付が決まったらITツールの発注です。交付決定前に発注した場合は、補助金の交付を受けることができません。くれぐれも発注は交付決定の連絡通知が届いてからにしましょう。

また、補助金の交付は、補助事業が完了してからになります。後から補填されるとはいえ、当面は全額自己資金で対応しないといけないため、必要資金の確保と資金繰りに留意しましょう。

事業実績報告

補助事業が完了したら領収書等の証憑を添付して事業実績報告を提出します。

補助金の交付

補助金が交付されます。

事業実施効果報告

補助事業終了後3年度目までの間、生産性向上目標に関わる数値(売上、従業員数等)や給与支払総額等を報告します。

スケジュール

2021年度の公募は4月上旬頃から始まる予定です。スケジュールや最新の公募要領はIT導入補助金サイトにてご確認ください。

ものづくり補助金

次はものづくり補助金を紹介します。

IT導入補助金では、既製品のパッケージソフト等導入が対象となるため、独自でシステムを構築する場合は対象になりません。「既存のパッケージソフトでは、自社課題に対応できない」そんなときは、システム構築費も上限1,000万円まで対象となるものづくり補助金がおすすめです。採択率は3割程度と狭き門ではありますが、挑戦する価値は十分あるでしょう。

対象者

中小企業事業者、小規模事業者、特定非営利活動法人

※社会福祉法人や医療法人等は対象になりませんが、個人開業医であれば対象になります。

対象となる取り組みおよび補助額

2021年度は、IT導入補助金と同様にコロナ対策のため業務の非対面化を進める低感染リスク型ビジネス枠特別枠が設定されています。通常であれば1/2の補助率が2/3にアップするため、オンライン発注システム構築など、非対面化の要素のある事業は、低感染リスク型ビジネス枠特別枠での申請をおすすめします。

ものづくり補助金 補助上限額 補助率 要件
一般型 100万円~1000万円 中小企業者

1/2、小規模事業者 2/3

「革新的な製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等
低感染リスク型ビジネス枠 2/3 物理的な対人接触を減らすことに役立つ革新的な製品・サービスの開発等

申請方法

申請書(A4・10枚程度)を作成、Jグランツで電子申請します。

IT導入補助金と異なり、特にIT導入支援事業者のような補助事業パートナーを選定する必要はありません。とはいえ、事業計画を中心とする申請書作成にはかなりの労力がかかるため、専門家など外部の力を借りるのも一つです。

スケジュール

2021年2月22日より令和元年度補正・令和二年度補正第6次受付の公募が始まっています。2021年4月15日から申請書受付が始まり、5月13日が締め切りです。それ以降も複数回募集されます。

スケジュールや最新の公募要領は、ものづくり補助金公式サイトにてご確認ください。

小規模事業者持続化補助金

続いて、小規模事業者持続化補助金を紹介します。小規模事業者や個人事業主の販路開拓を目的とした補助金で、システム構築費も対象になります。

金額が上限50万円(低感染リスク型ビジネス枠特別枠は100万円)と低めなものの、既存のパッケージソフトでは対応できないが、独自で簡易なシステム構築が必要といった場合におすすめです。

対象者

従業員数が20名以下の小規模事業者または個人事業主が対象です。

業種 常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 5名以下
宿泊業・娯楽業 20名以下
製造業その他 20名以下

対象となる取り組みおよび補助額

販路開拓や生産性向上のための取り組みが対象です。こちらでもコロナ対策のため、業務の非対面化事業を対象とする低感染リスク型ビジネス枠が設定されています。

一般型 低感染リスク型ビジネス枠
上限額 補助率 上限額 補助率
50万円 2/3 100万円 3/4

申請方法

申請書(A4・8枚程度)を作成し、管轄の商工会議所または商工会の確認を受けます(商工会議所会員でなくても構いません)。

一般型は郵送でも提出可能ですが、電子申請であれば審査で加点されるので、できれば電子申請をしましょう。「低感染リスク型ビジネス枠」は電子申請のみです。

スケジュール

「一般型」は、2021年3月13日より受付を開始し6月4日が締め切りです。その後も10月、2月に応募締め切りが設定される予定です。「低感染リスク型ビジネス枠」は3月から公募される予定です。

その他詳細については、日本商工会議所の小規模事業者持続化補助金の公募要領をご参照ください。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、コロナ対策のため2021年度から新設される補助金です。補助金上限額が6千~1億円、全体の予算規模も1兆円超と非常に金額の大きな補助金で注目を集めています。

ポストコロナに向けての新分野展開、業態転換、事業・業種転換等が対象で、業態転換等に伴うシステム購入費も対象になります。

対象者

以下の通りコロナ禍で売上が減った中小企業、中堅企業が対象です。

  • 申請前の直近6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ以前の同3ヶ月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
  • 自社の強みや経営資源(ヒト/モノ等)を活かしつつ、経産省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定支援機関等※と策定した中小企業等。

※認定経営革新等支援機関とは、中小企業を支援できる機関として、経済産業大臣が認定した機関で、全国で3万以上の金融機関、支援団体、税理士、中小企業診断士等が認定を受けています。当補助金バンクにも多数の認定経営革新等支援機関が登録されています。

対象となる取り組みおよび補助額

通常枠

補助率 補助額
中小企業 2/3 100万円以上6,000万円以下
中堅企業※ 1/2(4,000万円超は1/3) 100万円以上8,000万円以下

※中堅企業の定義は、中小企業ではないこと、資本金が10億円未満であることです。資本金などの定めがない場合は従業員2000名以下となります。

さらに緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業等で影響を受けたことにより、2021年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少した場合は、以下の緊急事態宣言特別枠に申請できます。

緊急事態宣言特別枠

 

従業員数 補助率 補助額
従業員数5人以下 中小企業 3/4

中堅企業 2/3

100万円~500万円
従業員数6~20人 100万円~1,000万円
従業員数20人以上 100万円~1,500万円

スケジュール

2021年3月より公募が開始され、複数回募集される予定です。

その他事業再構築補助金の詳細については、こちらをチェックしてください。

システム導入で補助金を申請する際のポイント・注意点

ここまでシステム導入で使える補助金を紹介してきましたが、最後は申請する際のポイント・注意点です。

  • システムで解決したい自社課題を明確にする
  • 導入検討にあたっては必ず現場の声を聞く
  • 信頼できる業者を選ぶ
  • 資金繰りに注意する
  • 入念な申請準備を行う

システムで解決したい自社課題を明確にする

補助金があるから、お得だからITツールを導入しよう、ではなく自社課題の解決に必要だからITツールを導入するという姿勢が大切です。IT業者の話を鵜吞みにするのではなくITツールの導入でどの程度生産性が向上するのか、メリット、デメリットを慎重に見極めてから導入するようにしましょう。

また、IT導入補助金では、既製品のパッケージソフトが対象で、自社仕様にカスタマイズする開発費用は対象になりません。基幹システムとの調整が不要など、パッケージソフトでも問題なく対応できるかどうかも考慮する必要があります。

導入検討にあたっては必ず現場の声を聞く

「導入したのに、使い勝手が悪くあまり活用されていない」こんな羽目に陥らないよう実際に使用する現場の社員の意見を十分に聞いてから検討しましょう。

信頼できる業者を選ぶ

ITツールは導入して終わり、ではなくアフターフォローも含めて業者とは長い付き合いになります。価格だけで決めるのでなく、実績が十分にありサービスにも問題ない信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

資金繰りに注意する

いずれの補助金も原則交付は事業が完了してからの後払いのため、資金繰りには十分に留意しましょう。また、クラウドサービスの月額利用料等の場合、補助経費対象となるのは1年間だけです。補助金がなくても続けていけるかどうかも考慮しましょう。

入念な申請準備を行う

いずれの補助金も申請書類に基づく採択審査が行われますが、採択率は近年低下傾向にあります。採択されるためには、公募要領をしっかり読み込み、事業計画書を中心とする申請書類を、入念に時間をかけて準備する必要があります。

まとめ

中小企業がシステム導入で使える補助金を紹介しました。

近年、応募者が増えたこと等により補助金の採択率は低下傾向にあります。採択の鍵となるのが事業計画書を中心とする申請書類の作成ですが、採択されるための難易度は上がっており、専門家の力を借りるのも一つです。

当補助金バンクでは、補助金申請に精通した中小企業診断士等の専門家が多数登録されています。ぜひ当補助金バンクを活用して、専門家の助けも得たうえで、上手に補助金を獲得して自社の発展に役立ててください。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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