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【2022】事業再構築補助金の申請代行の選び方は?成功報酬等の費用相場は?

事業再構築補助金の申請代行

2021年3月から初めて公募が開始された事業再構築補助金は、補助上限額や補助率もこれまでの中小企業向けの補助金に比べ大きく、注目の補助金となっています。しかしながら、補助金の額が大きい分、事業計画書の枚数も多く、公募要領などの確認事項も多岐にわたるため、申請するだけでも手間と時間がかかる補助金となっています。

その上、採択されるようなポイントを抑えた申請書類を作成するためには一定のノウハウも必要となります。そのため、独力で申請しようとして、そのハードルの高さから途方に暮れている事業者の方も少なくありません。

そんな場合に選択肢の一つとなるのが、申請代行業者の活用です。申請代行業者は補助金申請のプロであるため、これまでの補助金サポートで培ってきたノウハウをもとに、申請要件の確認から事業計画書の作成、申請後のサポートまで幅広く対応しています。

この記事では、事業再構築補助金の申請において代行業者を利用するメリット・デメリットや申請の流れ、申請代行を利用する際の注意点まで詳しく解説します。

※補助金の電子申請など申請行為を申請代行業者が行うことはNGであり、原則として事業者が申請する必要があります。当記事では、誤解の無いように「申請代行」ではなく「申請サポート」と表現します。

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、新型コロナ禍で新たに誕生した補助金です。新型コロナ禍で業績が低迷した企業を対象に、通常枠で最大8,000万円の支給が受けられます。

はじめに、事業再構築補助金の概要を解説していきましょう。

事業再構築補助金の申請必須要件

事業再構築補助金には、申請のための必須要件が3つ定められています。それぞれの要件は、次のとおりです。

コロナ禍で売上が減っていること

1つ目の要件は、コロナ禍で売上が減っていることです。具体的には、原則として次の1と2の両方を満たす必要があります。

  1. 2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3ヶ月間の合計売上高が、コロナ以前(2019年または、2020年1月から3月)の同3ヶ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
  2. 2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3ヶ月間の合計売上高が、コロナ以前の同3ヶ月の合計売上高と比較して5%以上減少していること

ただし、上記を満たさない場合には、次の項目を満たすことでも申請することができます。

  1. (上記1の代替要件)2020年4月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3ヶ月の合計付加価値額と比較して15%以上減少していること
  2. (上記2の代替要件)2020年10月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3ヶ月の合計付加価値額と比較して7.5%以上減少していること

なお、第6回公募以降では上記「1」のみ満たせばよいこととなり、「2」の要件は撤廃される見込みです。

事業再構築に取り組むこと

事業再構築補助金は、事業の再構築により再起を図る企業を支援するための補助金です。そのため、何らかの「事業再構築」をおこなわなければなりません。

事業再構築補助金における事業再構築には、次の5つが該当します。

  1. 新分野展開:主たる業種や主たる事業を変更することなく、新たな製品を製造したり新たな商品サービスを提供したりすることにより、新たな市場に進出すること
  2. 事業転換:新たな製品を製造したり新たな商品やサービスを提供したりすることにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更すること
  3. 業種転換:新たな製品を製造したり新たな商品やサービスを提供したりすることにより、主たる業種を変更すること
  4. 業態転換:製品・商品・サービスの製造方法や提供方法を相当程度変更すること
  5. 事業再編:合併など会社法上の組織再編行為をおこない、新たな事業形態のもとで1から4のいずれかを行うこと

なお、ここでいう「主たる業種」とは、売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省

が定める日本標準産業分類に基づく大分類の産業を指します。また、「主たる事業」とは、売上高構成比率の最も高い事業が属する、日本標準産業分類にもとづく中分類以下の産業のことです。

認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること

事業再構築補助金の申請をするには、認定経営革新等支援機関とともに事業計画を策定しなければなりません。

認定経営革新等支援機関とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関のことです。税理士や公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関などが認定を受けていることが多いといえます。

なお、補助金額が3,000万円を超える案件の場合には必ず金融機関も参加して事業計画を策定することが必要です。

事業再構築補助金の補助金額と補助率

事業再構築補助金の補助金額は、応募をする枠によって違いがあります。それぞれの枠の概要とともに、補助金額と補助率を紹介していきましょう。

通常枠

通常枠とは、事業再構築補助金のもっとも基本となる枠です。単に「事業再構築補助金」といった場合には、この枠のことを指すことが多いでしょう。

通常枠の補助金額は、次のとおり従業員規模によって異なっています。

従業員規模 補助金額 補助率
20人以下 100~2,000万円 中小企業 :2/3(6,000万円超は1/2)

中堅企業: 1/2(4,000万円超は1/3)

21人~50人 100~4,000万円
51人~100人 100~6,000万円
101人以上 100~8,000万円

最低賃金枠

最低賃金枠とは、最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい事業者を支援する枠です。この枠の補助金額と補助率は、従業員規模に応じて次のようになっています。

従業員規模 補助金額 補助率
5人以下 100万円~500万円 中小企業:3/4

中堅企業:2/3

6人~20人 100万円~1,000万円
21人以上 100万円~1,500万円

回復・再生応援枠

回復・再生応援枠とは、引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者を支援する枠です。この枠の補助金額と補助率は、一つ上の最低賃金枠と同じであり、次のとおりです。

従業員規模 補助金額 補助率
5人以下 100万円~500万円 中小企業:3/4

中堅企業:2/3

6人~20人 100万円~1,000万円
21人以上 100万円~1,500万円

大規模賃金引上枠

大規模賃金引上枠とは、多くの従業員を雇用しながら、継続的な賃金引上げに取り組むとともに、従業員を増やして生産性を向上させる事業者を支援する枠です。枠の趣旨から、従業員規模が101人以上である企業のみが対象となります。

補助金額と補助率は、次のとおりです。

従業員規模 補助金額 補助率
101人以上 8,000万円超~1億円 中小企業:2/3(6,000万円超は1/2)

中堅企業:1/2(4,000万円超は1/3)

グリーン成長枠

グリーン成長枠とは、グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者を対象とした枠です。

この枠の補助金額と補助率は、次のとおりです。

補助金額 補助率
中小企業 100万円~1億円 1/2
中堅企業 100万円~1.5億円 1/3

事業再構築補助金の採択率

事業債再構築補助金は、要件を満たして申請をしたからといって必ずしも補助金が受け取れるわけではありません。多くの応募の中から採択がされて、初めて補助金の受給を見込むことできます。

事業再構築補助金の採択率や採択結果は、次のとおりです。

2022年(令和4年)6月に公表された第5回公募の採択結果

2022年(令和4年)6月、事業再構築補助金の第5回公募の採択結果が公表されました。第5回公募の採択結果は、次のとおりです。

 

応募件数

(受付件数)

採択件数 採択率

(小数第3位以下切捨)

通常枠 16,185 6,441 39.79%
大規模賃金引上枠 13 8 61.53%
卒業枠 21 9 42.85%
緊急事態宣言特別枠 4,509 3,006 66.66%
最低賃金枠 306 243 79.41%
グローバルV字回復枠 1 0 0%
合計 21,035 9,707 46.14%

 

全体の採択率は46.14%となっており、応募をしたうちの半数弱が採択されていることとなります。通常枠に次いで応募件数の多い緊急宣言特別枠や最低賃金枠で採択率が特に高くなっており、これが全体の採択率を引き上げているといえるでしょう。

事業再構築補助金の過去の採択結果

事業再構築補助金の、過去の採択結果は次のとおりです。

なお、過去分については「通常枠」の採択率に絞って紹介します。

 

また、第3回公募までは応募件数のほかに、応募のうち不備がなかった件数も公表されていますが、ここでは「応募件数」をもとに採択率を算定することとしています。

応募件数

(受付件数)

採択件数 採択率

(小数第3位以下切捨)

 

第1回公募 16,897 5,092 30.13%
第2回公募 14,800 5,367 36.26%
第3回公募 15,423 5,713 37.04%
第4回公募 15,036 5,700 37.90%
第5回公募 16,185 6,441 39.79%

 

通常枠に絞ってみれば、毎回、おおむね30%から40%の間で採択率が推移していることがわかります。

事業再構築補助金の活用事例

事業再構築補助金では、採択された事業の概要が公式ホームページ上で公表されています。採択結果は業種ごとに公表されているため、確認することで、自社の事業展開の方向性を検討する際の参考にもなるでしょう。

ここでは、応募件数や採択件数が特に多い「宿泊業、飲食サービス業」「建設業」「製造業」「卸売業、小売業」の4業種について、採択された活用事例を紹介します。

宿泊業、飲食サービス業での活用事例

宿泊業、飲食サービス業での事業再構築補助金活用事例は次のとおりです。

 

  • 既存事業であるスナックを撤退し、新事業として「器にこだわった紅茶専門店のカフェ」への事業転換を行う事例
  • 既存事業で培った洋酒に関する豊富な知識を生かし、洋酒と地元果物を使用したオリジナルスイーツを開発し、洋菓子店を新設する事例
  • 餃子専門店を営んできた事業者がコロナ禍の影響を受けにくいビジネスとして冷凍餃子の製造業へ業種転換を行い、かつ通販で販売する餃子は贈答品として提案することで他社との差別化を図るとする事例
  • 県外からの観光客が激減したことを受け、県内在住者を対象としたグランピング施設の運営をはじめる事例
  • 既存のゲストハウス事業に、旅行業(手配旅行)としての「自家用飛行機免許取得システム」を加え、自家用飛行機免許取得をサポートする旅行サービスをはじめる事例

 

宿泊業、飲食サービス業では、特にコロナ禍によって大きな影響を受けた事業者が少なくありません。そのため、さまざまなアイディアで起死回生を図ろうとしている事業者が多く、採択事例を見るだけでも非常に参考となるでしょう。

建設業での活用事例

建設業での事業再構築補助金採択事例には、次のものなどがあります。

 

  • ICT建機を導入することで今まで施工できなかった工事分野にも本格的に参入し、かつ若年技術者への技術継承を加速させる事例
  • エクステリア工事業をDX化し、顧客がスマートフォン上でエクステリアの完成図をVR確認できる環境を構築する事例
  • 解体工事を営む事業者が地域の高齢化や空き家問題に貢献するため、介護付き有料老人ホームの運営をはじめる事例
  • 温暖化による外来種被害から地元農業を守るため、高齢化農業をドローン農薬散布代行サポートし、専門分野・人命救助・災害支援パイロットを育成する教習所・練習場を開校する事例
  • 地域に建設廃材の処分場が不足していることから、新たに処分場を建設して再構築を図るとともに、廃材を木質ペレットとして再活用し環境への貢献を行う事例

 

異業種へ参入するケースのほか、ICTの活用やDX化をはかる取り組みが多く採択されています。

製造業での活用事例

製造業での事業再構築補助金の主な活用事例は、次のとおりです。

 

  • レベル4対応ドローンの開発・販売による新分野展開を行い、将来的な機体の量産製造・販売を目指す事例
  • 高性能複合立旋盤を導入して従来困難であった難削材や複雑形状製品の高精度加工体制を構築し、市場拡大が見込まれるEV向けの高性能電磁鋼板の製造設備部品加工に新たに取り組む事例
  • 写真館等の企業を対象に、QRコード付きバリアブル圧着DM(宛名ごとに内容を変えた圧着DM)を提供する事例
  • 対面式ウォーターサーバー販売の売上減少に伴い、自社工場で取れる熊野古道の天然水をネットでパウチ式にして小分けに販売する事例。在庫管理アプリも同時にリリースし、モノとサービスの融合で顧客に販売する
  • 先端表面処理技術コールドスプレーを用いた新たな現場補修法を確立し、プラント機器を廃棄に至らせる重度損傷の現場部分補修を可能にする世界初の事業を行う事例

 

事業再構築補助金は、非常に大型の補助金です。製造業で新たな取り組みをする場合には多額の投資が必要となりがちですが、事業再構築補助金を活用することで思い切った投資がしやすくなっているといえるでしょう。

卸売業、小売業での活用事例

卸売業、小売業での事業再構築補助金採択事例には、次のものなどがあります。

 

  • 高級婚礼家具の仕入れノウハウを活かした新分野展開として、日本初のペット家具のアウトレット販売をECサイト及び実店舗(ショールーム兼ペットショップ)で行う事例
  • 主力商品である生花祭壇の売上がコロナ禍による葬儀の規模縮小化に伴い減少したことを受け、強みである生花や空間デザイン力を活かしフラワーカフェ&レストラン事業に挑戦する事例
  • キッチンカーや飲食店経営のノウハウを生かした架装車輛の受注製作により、移動販売事業の活性化と、新たな雇用創出に寄与するとした事例
  • LPガス燃料の販売を行ってきた事業者がコロナ禍の影響により経営状況が悪化したことを受け、地域商店街の空き店舗を活用したコワーキングスペースの提供およびブックカフェ事業へ進出する事例
  • 動画講座・オンラインミーティングを含めたワインのサブスクリプション(定期便)をオンラインで販売・実施する事例

 

卸売業や小売業も、新型コロナの影響が特に大きい業種の一つです。オンライン販売を始めるなど、さまざまな取り組みで事業の再構築をはかっている実態が伺えます。

事業再構築補助金の申請代行を利用するメリット

事業再構築補助金だけに限らず、補助金の申請は年々難易度が上がっています。それに伴い、申請サポートの有用性も増してきています。まず、申請サポートを利用するメリットを3点紹介します。

メリット

  • 採択される可能性が高くなる
  • 手間がかからない
  • 事業に対するアドバイスがもらえる

採択される可能性が高くなる

事業再構築補助金を始め、各種補助金には審査があり、審査で高評価を獲得しなければ採択されません。補助金の審査は年々厳しくなっている傾向にあり、補助金額の比較的大きなものづくり補助金で30~40%程度、またこれまで採択率が高かった小規模事業者持続化補助金も50%を切ることが増えてきました。

事業再構築補助金の採択率も、第1回公募が36.1%、第2回公募が44.9%といずれも厳しい結果となっています。

事業再構築補助金では、これまでの事業の状況や新規事業の市場環境や取り組みについて論理的にわかりやすく計画を作成する必要があります。さらに、審査項目である事業化点・再構築点・政策点などの項目に沿った内容を記載していく必要があり、補助金申請に慣れていない事業者には難しいです。

一方、申請サポートを行う業者は、過去の補助金申請実績からの採択・不採択データを蓄積しており、審査のポイントを踏まえた事業計画書を作成するノウハウを持っています。採択率が30%台のものづくり補助金の申請でも8~9割の採択率を確保しているような実力のある申請サポート業者も多数あり、独力で申請するよりも採択される可能性は高くなるでしょう。

手間がかからない

事業再構築補助金の申請には多くの手間がかかります。大まかにですが、次のような作業を行わなければなりません。

 

  • 公募要領を読み込み申請要件や申請類型などを確認する
  • 提出書類を確認し、スケジュールを立てて申請に間に合うように手配する
  • (認定支援機関の確認書、金融機関の確認書、業者の見積書など)
  • 事業計画書(A4、15枚または補助金申請額が1,500万円以下の場合は10枚)を審査のポイントを踏まえ、図やデータを示しながらわかりやすく記載する
  • 借入金の返済や支払利息、増減する減価償却費、などを踏まえた収支計画を作成する
  • 間違いのないように電子申請で必要事項の記入や書類添付などの申請作業を行う

 

ものづくり補助金では、公式サイトに「事業計画書の作成時間」というアンケート結果が公開されています。本データによると、事業計画書の作成に「50時間以上かかった」という事業者が全体の4割で、中には120時間以上かかったという事業者も1割を占めています。

ものづくり補助金の事業計画書はA4、10枚以内となりますが、事業再構築補助金はものづくり補助金よりも枚数の多い15枚となる上、市場や顧客、自社の強みを細かくリサーチした精度の高い内容が必要です。

さらに、まだ始まってからの期間が浅く、出回っているノウハウも少ないので、かなりの時間を要することが想定されます。そのため、申請サポートを利用することで、補助金申請に係る手間を大幅に削減することが可能となります。

事業に対するアドバイスがもらえる

補助金の申請サポートは、中小企業診断士や行政書士といった専門家が行っているケースが多いです。事業再構築補助金では、これまでの事業とは異なる新たな事業分野への進出が求められますが、経験の無い事業分野での計画立案は専門知識がなければ難しいでしょう。

その点、専門家である申請サポート業者は事業計画立案のプロも多いため、新たな市場の分析の仕方や自社の経営資源の活かし方、資金調達面まで幅広い知見を有しています。また、専門家は事業計画が甘いと審査に通らないことを認識しているため、大小さまざまな点でアドバイスをもらうことが可能です。

補助金の獲得はあくまで手段であり、目的は事業再構築後の新規事業を成功させることです。そのため、専門家に事業計画のアドバイスをもらえることは、長期的に考えてもメリットだといえます。

事業再構築補助金の申請代行を利用するデメリット

続いて、申請サポートを利用するデメリットを3点紹介します。申請サポートを利用することには、デメリットがあることも理解した上で検討するようにしましょう。

デメリット

  • 費用がかかる
  • 不採択になる場合もある
  • 悪質な業者に引っかかるリスクがある

費用がかかる

申請サポートを利用すると、費用がかかります。詳しくは後述しますが、一般的な料金相場としては着手金が数万円~十数万円、採択成功報酬が10%ほどです。

例えば、補助金1,000万円が採択されたとします。この場合、成功報酬が10%であれば、100万円を支払うことになります。また、報酬の支払いタイミングは採択決定後など、補助金が入金される前であることが多いです。

申請サポートを利用する場合は、目先の採択率アップや手間の削減だけに注目せず、成功報酬の支払いを十分に加味し、資金計画を立てるようにしましょう。

不採択になる場合もある

補助金には審査があることは先述のとおりですが、申請サポートを利用しても100%採択されるというわけではありません。「確実に審査を通す」ことを匂わして営業をかけてくる申請サポート業者もありますが、100%採択されるノウハウは存在しません。

また、着手金を支払っている場合は、仮に不採択になったとしても基本的に返金されることはありません。後々のトラブルを避けるためにも、申請サポートを利用しても不採択になる可能性がある点はよく認識しておいてください。

悪質な業者に引っかかるリスクがある

事業再構築補助金など世間の注目を集めるような補助金が発表されると、搭乗するのが悪質な申請サポート業者です。例えば、悪質な業者には次のような特徴があります。

 

  • 提供するサービス内容と乖離した高額な成功報酬を請求する
  • 金額や条件が不透明な契約を締結する
  • 強引な営業を行う
  • 申請書に虚偽の内容を記載するよう指示する
  • 電子申請時の入力項目である「作成支援者名」を記載しないよう求める

 

事業再構築補助金の公募要領でも注意喚起されているので、よく確認するようにしましょう。

事業再構築補助金の申請代行を利用する際の流れ

では、申請サポートを利用する場合の一般的な流れについて解説します。申請サポート業者により進め方はさまざまですが、一般的には次のようなイメージです。

申請サポートの流れ

  • 事前相談・見積
  • 契約・着手金の支払い
  • 必要書類の提出と詳細なヒアリング
  • 事業計画書内容の確認(双方の合意)
  • 電子申請作業
  • (採択後)交付申請・成功報酬の支払い

事前相談・見積

ホームページの問い合わせ欄や電話・メール等で事業再構築補助金に応募したい旨を相談し、見積を取得します。

この際、簡単な自社の概要や営業の状況、新規事業の構想等のヒアリングがあることが一般的です。あまりにも実現性がない計画や事業再構築補助金の申請要件にマッチしていない場合、また業者の繁閑によっては断られるケースもあります。

契約・着手金の支払い

見積金額や条件をよく確認し、不明点をすべて解決した後、契約となります。また、決算書や内部情報など自社の機密情報を提供することになるため、契約書に秘密保持の条項があるか(または別途秘密保持契約の締結)といった点も確認しましょう。

着手金ありの申請サポート業者の場合は、契約時に着手金を支払うことが一般的です。

必要書類の提出と詳細なヒアリング

契約後は、申請に向けて必要な書類の提供やデータを求められます。また、事業計画書の作成にあたって、詳細なヒアリングが始まります。決算書や月次の売上データなどは必須なので、事前に顧問税理士などへ依頼し入手しておくとスムーズです。

ヒアリングは、対面やビデオ会議等にて行われます。新規事業の構想や自社の強み、補助金を使って購入したい設備、その資金の調達方法など詳細なインタビューが行われます。

事業計画書内容の確認(双方の合意)

ヒアリング後、申請サポート業者にて事業計画書が作成されます。事業計画書には事業化に向けて申請者が具体的に取り組むことが明記されますので、自社で実現可能か改めて確認しましょう。

事業計画の内容に誤りがないことを双方合意し、計画書の完成となります。

電子申請作業

事業計画書が完成し、必要な書類がすべて揃ったら、電子申請作業を行います。電子申請作業自体は申請者で行う必要がありますが、操作や入力に自信のない場合や迷った場合に申請サポート業者に支援してもらいながら進めましょう。

(採択後)交付申請・成功報酬の支払い

補助金が採択されると交付決定通知が届きます。その後、交付申請を行います。

一般的には、交付申請が完了した段階で成功報酬を支払うケースが多いですが、成功報酬の支払いタイミングは業者によって異なるため契約前に確認するようにしましょう。

事業者持続化補助金の申請代行の一般的な費用相場

申請サポートの一般的な費用相場について解説します。申請サポート業者によって料金体系のパターンも変わりますので併せて確認していきましょう。

よくある料金体系のパターン

着手金及び成功報酬

契約時に着手金を支払い、採択されたら成功報酬を支払うというパターンです。補助金の代行ビジネスでは、一番オーソドックスなパターンでしょう。

着手金や成功報酬の支払いのタイミングは業者により異なりますので、見積時によく確認するようにしてください。

成功報酬のみ

着手金なし成功報酬のみの完全成果報酬型のパターンです。このパターンは、不採択時に費用の支払いが不要というメリットはありますが、成果報酬の金額は高めに設定されているため、採択時の出費は大きくなります。

また、申請サポート業者側も採択されなければ報酬が発生しないため、事業計画書の作成から電子申請まで手厚い支援が期待できる反面、採択が難しそうな案件は断られるケースがあります。

着手金のみ

着手金のみで成功報酬が発生しないパターンです。着手金の相場は成功報酬ありのパターンと比較し高めに設定されていますが、採択されることを前提とした費用の総額では最も費用を抑えられるパターンです。

ただし、申請サポート業者側としては補助金の採択有無にかかわらず報酬が得られるため、採択自体へのモチベーションは成果報酬が発生する場合と比較しあまり高くないと考えて良いでしょう。事業計画書の作成にあたっては、自ら積極的に業者へ情報提供や質問を行い、内容の確認を行っていく必要があります。

申請サポートの費用相場

一般的な申請サポートの費用相場としては、着手金+成功報酬のパターンで着手金10万円~15万円ほど、成功報酬10%ほどです。成功報酬のみのパターンでは成功報酬10~20%程度。着手金のみのパターンでは10~20万円ほどといわれています。

 

パターン 着手金 成功報酬
着手金+成功報酬 10~15万円程度 10%程度
成功報酬のみ 10~20%程度
着手金のみ 10~20万円程度

 

また、ものづくり補助金の総合サイトでは、補助金申請支援者の成功報酬も公開されており平均値で9%前後となっていますので、こちらも一つの目安にするとよいでしょう。

もちろん、補助金申請サポートビジネスについては単価の規制があるわけではなく、サポート範囲も業者によって異なります。上記はあくまで参考程度とし、しっかり見積を取るようにしてください。

事業者持続化補助金の申請代行を利用する際の注意点

最後に、申請サポートを利用する際の注意点について解説します。実際に申請サポートの検討をされている方は、注意点を踏まえた上で業者の選定や契約内容の確認を行っていきましょう。

注意点

  • 国家資格者や認定支援機関から選ぶ
  • サポート範囲を確認する
  • すべてを申請サポート業者任せにしない

国家資格者や認定支援機関から選ぶ

補助金の申請サポートを行っている業者は、「補助金申請コンサルタント」や「資金調達コンサルタント」という肩書でビジネスを行っているケースが多く見られます。ただし、コンサルタント自体は特に資格は不要であるため、誰でも名乗ることができます。「コンサルタント」といった表面的な情報だけでなく、保有資格やきちんと会社や個人の実績・実力を見極めて選ぶようにしましょう。

とはいえ、初めて補助金の申請サポートを利用する方は、業者の見極めも難しいと思います。そのような場合は、中小企業診断士など国家資格者を基準に選定することも一つの方法です。

また、申請サポート業者が認定支援機関であればなお良いでしょう。認定支援機関とは正式には「認定経営革新等支援機関」といい、中小企業支援に関する専門知識や実務経験が一定レベル以上であると国が認定した支援機関です。事業再構築補助金でも事業計画書を認定支援機関と策定することが基本要件となっています。

国家資格者や認定支援機関を軸に選ぶことで、悪徳業者に引っかかるリスクを極力減らすとともに一定以上のサポート品質を確保することが可能となります。

サポート範囲を確認する

補助金は採択されたら終わりではなく、その後も交付申請手続きや実績報告、確定検査など各種手続きを経てようやく補助金が入金されることになります。申請サポートの支援範囲も業者によって「採択まで」としているところから「補助金の支払完了まで」としているところまでさまざまです。

料金が安い代わりにサポート範囲が狭い場合や、反対に料金が高くても「補助金が支払われるまで」きっちりサポートしてくれる場合もあります。後々のトラブルを避けるためにも、契約前に確認するようにしましょう。

すべてを申請サポート業者任せにしない

事業計画書の作成は、申請サポート業者へ丸投げするようなことはやめましょう。事業計画書に記載した具体的な取組内容はやむを得ない事情がない限り、事業者自身が必ず実行しなければなりません。無理な計画では採択はされたとしても、その後の検査をパスできず補助金が支払われないケースも想定されます。

事業の再構築はコロナウイルスの影響を受ける事業者が再起をかけた取り組みでもあるため、申請サポート業者任せにせず、事業計画の実現可能性は事業者自身で見極めるようにしましょう。

まとめ

事業再構築補助金の申請サポートのメリット・デメリットから利用する際の注意点などを中心に紹介しました。

当然ですが、補助金の申請は「事業者自身でやったほうが良い」ことは間違いありません。自分の会社のことは事業者自身が一番理解しており、事業者が書く事業計画書が最も嘘偽りない熱意のこもった計画書になります。

とはいえ、日々の業務に忙殺される中、事業計画書を作成する時間もなく、厳しい審査を通すための書き方もよくわからないといった悩みもあると思います。そのような場合は申請サポート業者の活用を検討してみると良いでしょう。

当社「補助金バンク」では、補助金申請の経験が豊富なプロが多数登録されており、事業再構築補助金の申請をお手伝いしています。申請をお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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