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【2021】中小企業が使える「設備投資」の補助金は?代表的な4種類の補助金

設備投資の補助金

事業再構築補助金セミナー

新しい機械の導入や店舗の改装など、設備投資は企業の成長に欠かせません。とはいえ、全額借入や自己資金で賄うと負担が大きいですね。

そんなときは国や自治体の補助金を上手に活用しましょう。今回は、中小企業が設備投資に使える代表的な補助金を紹介します。

設備投資に使える補助金

中小企業が設備投資に使える主な補助金は以下のとおりです。補助金によって、目的や補助対象となる費目が異なります。自社の設備投資にもっとも合うものを選ぶようにしましょう。

目的 補助対象費目 補助金上限額
ものづくり補助金(一般型) 生産性改善のための設備投資、ソフトウェア開発 機械購入費用、システム構築費用など 100万円~1,000万円
事業再構築補助金(通常枠) ウィズコロナ・ポストコロナのための事業再構築 建物費用、機械購入費用、システム構築費用など 100万円~8,000万円
IT導入補助金 ITツール導入による生産性改善 システム購入費用など 30万円~450万円
サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金(中小企業特例事業) サプライチェーンの途絶によるリスクが大きい重要な製品の生産拠点の確保 設備費、建物取得費、システム購入費 5億円

ものづくり補助金

中小企業向けの設備投資に使える代表的な補助金がものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)です。機械購入費用やシステム構築費用などの設備投資に関わる費用が対象となります。

またコロナ対策として始まった「低感染リスク型ビジネス枠」では、広告宣伝費なども対象になり、新商品の開発費用と合わせて販売促進費用も申請することが可能です。

補助金

補助上限額 補助率 要件
一般型 100万円~1,000万円 中小企業者

1/2、小規模事業者 2/3

中小企業者等が行う「革新的な製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援
低感染リスク型ビジネス枠 2/3 物理的な対人接触を減じることに資する革新的な製品・サービスの開発等
グローバル型 1,000万円~3,000万円 中小企業者

1/2、小規模事業者 2/3

海外事業の拡大・強化等を目的とした「革新的な製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援

※単価50万円以上の設備投資が必要。

要件

以下の付加価値と給与総額の増加について、3~5年の計画を作成します。

  • 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均5%以上増加
  • 事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
  • 事業計画期間において、事業者全体の付加価値額(営業利益、人件費、減価償却費の合計)年率平均3%以上増加

なお、給与総額の増加については、従業員に表明していることが必要です。具体的には、「賃上げ計画の表明書」を作成し、従業員に署名・捺印してもらったものを補助金申請時に提出します。給与総額の増加目標が未達であれば、補助金の返還を求められる場合があるので注意しましょう。

その他詳細については、ものづくり補助金公式サイト、もしくは下の記事で確認してください。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、アフターコロナを見据えた事業再構築を支援するため、2021年から新たに始まった補助金です。予算額が1兆円超と非常に大きく注目を集めています。機

械購入費用やシステム構築費用だけでなく、建物費や改装費用も対象になります。新規事業等のために工場や店舗の改装を計画されている事業主は検討してみてはいかがでしょうか?

対象者

以下のとおり、コロナ禍で売上が減った中小企業、中堅企業が対象です。

  • 申請前の直近6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前の同3カ月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等
  • 自社の強みや経営資源(ヒト/モノ等)を活かしつつ、経産省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定支援機関等※と策定した中小企業等

※認定経営革新等支援機関とは、中小企業を支援できる機関として、経済産業大臣が認定した機関で、全国で3万以上の金融機関、支援団体、税理士、中小企業診断士等が認定を受けています。当補助金バンクにも多数の認定経営革新等支援機関が登録されています。

補助額

<通常枠>

補助率 補助額
中小企業 2/3 100万円以上6,000万円以下
中堅企業※ 1/2(4,000万円超は1/3) 100万円以上8,000万円以下

※中堅企業の定義は、中小企業に該当せずかつ資本金10億円未満の企業です。資本金等の定めのない場合は、従業員2,000名以下が要件となります。

さらに、緊急事態宣言に伴う時短営業等で影響を受けたことにより、2021年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少した場合は、以下の緊急事態宣言特別枠に申請できます。

 

<緊急事態宣言特別枠>

従業員数 補助率 補助額
従業員数5人以下 中小企業 3/4

中堅企業 2/3

100万円~500万円
従業員数6~20人 100万円~1,000万円

要件

実施する事業が以下の5つのいずれか(事業再構築指針)に合致する必要があります。新分野展開や業態転換では、5年後に新たな製品の売上が全体の10%以上となることが求められます。

一方、事業転換や業種転換では、新たな事業が売上の中でもっとも大きくなることが求められるため、既存事業からの大幅な転換が必要です。実施する事業に応じて最適なものを選ぶようにしましょう。

分類 定義 要件
新分野展開 新たな製品を製造し、新たな市場に進出すること 5年後に新たな製品の売上が全体の10%以上となること
業態転換 新たな製品を新たな製造方法で製造すること 5年後に新たな製品の売上が全体の10%以上となること
事業転換 主たる業種は変更せず、主たる事業を変更すること。 5年後に新たな事業の売上が、売上高構成比の中で最も高くなること
業種転換 主たる業種を変更すること。 5年後に新しい業種の事業の売上が、売上高構成比の中で最も高くなること
事業再編 合併など会社法上の組織再編を行うこと

その他詳細については、事業再構築補助金公募要領、もしくは下の記事で確認してください。

IT導入補助金

IT導入補助金は、ソフトウェアの導入に使える補助金です。導入するITツールはITベンダーなどのIT導入支援事業者が事前に登録したツールの中から選びます。独自のシステム開発等には使えませんが、テレワークツールやRPAなど業務効率改善に役立つソフトが多数指定されています。

申請はソフトウェア販売元でもあるIT導入支援事業者と二人三脚で行うため、補助金申請が初めての事業主にとっても取り組みやすくなっています。

補助金額

2021年度は通常のA類型、B類型に加え低感染リスク型ビジネス枠のC類型とD類型があります。

上限・下限額 補助率 プロセス数 対象
A類型 30万円~150万円以下 1/2 1以上 類型ごとのプロセス要件を満たすものであり、労働生産性の向上に資するITツールであること
B類型 150万円~450万円以下 1/2 4以上
C類型 30万円~450万円以下 2/3 2以上 上記AB類型の要件に加え、非対面化ツールであること
D類型 30万円~150万円以下 テレワークの環境整備

類型によって補助金額が変わりますが、これは「プロセス数」の含む数で決まります。プロセス数とは、以下の業務プロセスのうちのいくつを担うソフトウェアであるかをみます。

例えば、A類型であれば1~6のいずれか一つの機能を持つソフトウェアであれば良く、B類型になれば、4つ以上のプロセスの機能が必要になります。

<業務プロセス>

  1.  顧客対応・販売支援
  2. 決済・債権債務・資金回収管理
  3. 調達・供給・在庫・物流
  4. 業種固有プロセス
  5. 会計・財務・資産・経営
  6. 総務・人事・給与・労務・教育訓練・テレワーク基盤

要件

主な要件は以下の2点です。

(1)「労働生産性」※の1年後伸び率が3%以上、3年後伸び率が9%以上とする計画を作成すること

※労働生産性とは従業員一人当たり1時間当たりの粗利を計算して算出します。

  • 労働生産性 =粗利益(売上-原価)/(従業員数×1人当たり勤務時間(年平均))

 

(2)賃上げの3か年計画を作成し、次の事項を従業員に表明すること。(B類型、C類型の一部のみ)

  • 3年間、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させること
  • 3年間、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準とすること

なお、B類型とC類型の一部では、賃上げ目標の設定が必須となっており、もし目標を達成できなければ補助金の返還を求められる場合があるので注意が必要です。

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金は、コロナ禍で顕在化したサプライチェーンの脆弱対策のための補助金です。半導体関連など、大規模な設備を想定した大企業向けの補助金ですが、大企業に部品を供給する中小企業を想定した「中小企業特例事業」も設定されています。

補助金額

上限 補助率 対象

 

中小企業特例事業 5億円 2/3 生産拠点の集中度が高く、サプライチェーンの途絶によるリスクが大きい重要な製品・部素材の生産等に必要となる部品等を安定的に供給するために生産拠点整備に係る事業

要件

  • 半導体関連など生産拠点の集中度が高く、サプライチェーン途絶によるリスクが大きい重要な製品・部素材の生産等を行う事業者と直接又は間接に取引のある事業者であること
  • 部品供給が滞ることで、代替がきかず、サプライチェーン途絶によるリスクが大きい重要な製品・部素材の生産計画に支障をきたす恐れがあること。
  • 部品等の生産能力を拡大する投資であること

その他詳細については、サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金公募要領にてご確認ください。

設備投資に補助金を利用するメリットとデメリット

補助金

最後に、設備投資に補助金を利用するメリット・デメリットを解説しましょう。

メリット

  • 返済不要の資金調達
  • 信用度の向上
  • 一時的な節税効果

返済不要の資金調達

メリットは、なんといってもお金がもらえること、これに尽きるでしょう。

補助金は、返済不要の資金調達です。当然ながら利息もかかりません。申請手続きなどに手間はかかりますが、手間を上回る以上の価値があると言えるでしょう。

信用度の向上

補助金は、誰でももらえるものではありません。審査がありますし、採択されるのはそれなりの企業ということになります。

言い換えれば、補助金に採択されれば、企業の信用度が高まるという間接的な効果があります。

一時的な節税効果

通常であれば、補助金であっても利益を得たということで、法人税が課されます。しかし、それでは企業の投資意欲をそいでしまうので、「圧縮記帳」という制度が整備されています。

圧縮記帳を適用すると、購入した固定資産の購入価額から補助金額を引いて購入価額とします。

例えば、1,500万円の機械で1,000万円の補助金を受け取ったら、機械の購入価額は500万円とします。圧縮記帳により、実質的に補助金の法人税がかからないことになります。

もっとも、次年度以降低くなった固定資産の購入価額の分だけ減価償却費も低くなるため、節税効果が薄れます。そのため、節税は一時的なもので将来に繰り延べしただけではありますが、法人税負担が一時に集中することを防ぎます。

デメリット

  • 手間がかかる
  • 採択率が低い
  • 補助金は後払い
  • 過剰投資になりがち
  • 要件を満たさなければ返金を求められる場合がある

手間がかかる

補助金は簡単にはもらえません。申請書類の作成に膨大な手間がかかりますし、採択後も5年後までは、毎年補助事業の効果として、賃金、付加価値への影響などの報告書を求められるケースが多いです。

採択率が低い

補助金は申請すればもらえるものではありません。採択審査がありますが、近年採択率は低下傾向にあります。

ものづくり補助金の直近の採択率は3割程度、サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金の採択率は1割に満たないなど狭き門です。

補助金は後払い

補助金の交付は、原則として事業が完了してからの後払いであるため、資金繰りには十分に留意しましょう。

金額が大きくなれば、場合によってはつなぎ融資も必要となってきます。金融機関などとの調整もふまえたうえで申請するようにしましょう。

過剰投資になりがち

補助金で補てんされるからと、つい投資計画が甘くなりがちです。お得だから設備投資をするのではなく、投資額がどれくらいの期間で回収できるのかなど投資対効果を慎重に見積もったうえで計画しましょう。

要件を満たさなければ返金を求められる場合がある

ものづくり補助金やIT補助金の一部の類型では、補助事業完了後3年で賃金支払い総額を年率平均1.5%以上増加させる要件があります。これを満たさないと補助金の返還を求められる場合があるため注意しましょう。

まとめ

中小企業が設備投資で使える補助金を紹介しました。

補助金は申請書に基づいた採択審査があり、簡単に受け取れるものではありません。特に、近年応募者が増えたこと等により、補助金の採択率は低下傾向にあります。採択の鍵となるのが事業計画書を中心とする申請書類の作成ですが、採択されるための難易度は上がっており、専門家の力を借りるのも一つです。

当補助金バンクでは、補助金申請に精通した中小企業診断士等の専門家が多数登録されています。ぜひ当補助金バンクを活用して、専門家の助けも得たうえで、上手に補助金を獲得して自社の発展に役立ててください。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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