
目次
補助金は、自社だけで取り組むよりも、専門家による申請サポートを受けることでより効果的に活用することができます。しかし、依頼する相手をしっかり選ばないと、かえって貴社事業の発展をはばむことになるでしょう。
今回は、補助金の申請サポートのメリットや注意点を詳しく解説します。この記事を読んでいただくことで、貴社にぴったりの依頼先が明確になるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
補助金とは
補助金は、国や地方公共団体などから返済不要な資金を得られる制度です。
その年度の予算に応じて設定されるものであるため、その年度の政策を色濃く反映したものであるといえます。そのため、今年存在する補助金が来年も存在するとは限りません。
補助金は、申請をしたからといって必ず受け取れるものではなく、要件を満たした応募のなかから厳選され、採択された場合にのみ補助金交付への切符を得られます。補助金をうまく活用することで、事業の成長スピードを一気に加速させることへとつながるでしょう。
補助金の採択率
補助金は申請した事業者すべてが受け取れるわけではありません。ここでは、事業者に特に人気のものづくり補助金と事業再構築補助金の採択率を解説します。
ものづくり補助金の採択率
2023年8月現在公表されているものづくり補助金の「一般型」における応募件数と採択件数、採択率の推移は次のとおりです。
公募回 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 |
---|---|---|---|
14次 | 4,865 | 2,470 | 50.77% |
13次 | 3,261 | 1,903 | 58.36% |
12次 | 3,200 | 1,885 | 58.91% |
11次 | 4,668 | 2,786 | 59.68% |
10次 | 4,224 | 2,584 | 61.17% |
9次 | 3,552 | 2,223 | 62.58% |
8次 | 4,584 | 2,753 | 60.06% |
7次 | 5,414 | 2,729 | 50.41% |
6次 | 4,875 | 2,326 | 47.71% |
5次 | 5,139 | 2,291 | 44.58% |
4次 | 10,041 | 3,132 | 31.19% |
3次 | 6,923 | 2,637 | 38.09% |
2次 | 5,721 | 3,267 | 57.11% |
1次 | 2,287 | 1,429 | 62.48% |
比較的応募者数の多かった3次締切分から7次締切分の採択率は30%から50%となっていますが、最近では60%前後で推移しています。なお、第14回締切分より、「グローバル展開型」が「グローバル市場開拓枠」として「一般型」の1申請類型となっています。
事業再構築補助金の採択率
2023年8月現在公表されている事業再構築補助金の応募件数と採択件数、採択率の推移は次のとおりです。
公募回 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 |
---|---|---|---|
第9回 | 9,369 | 4,259 | 45.45% |
第8回 | 12,591 | 6,456 | 51.27% |
第7回 | 15,132 | 7,745 | 51.18% |
第6回 | 15,340 | 7,669 | 49.99% |
第5回 | 21,035 | 9,707 | 46.15% |
第4回 | 19,673 | 8,810 | 44.78% |
第3回 | 20,307 | 9,021 | 44.42% |
第2回 | 20,800 | 9,336 | 44.88% |
第1回 | 22,231 | 8,016 | 36.06% |
第1回公募から第3回公募までは採択結果と併せて、書類不備等のあった件数も公表されていました。事務局からのアナウンスの結果、書類不備等で不採択となる事業者は減ったことで採択率も上がり、最近では50%前後で推移しています。
補助金でできること
補助金ではどんなことに取り組むことができるでしょうか?ここでは、ものづくり補助金と事業再構築補助金を例に活用事例を紹介します。
ものづくり補助金の採択事例
輸入車の販売・整備に力を入れてきたE社は、近年の「ADAS(先進運転支援システム)」を搭載した車両の普及により、「特定整備制度」の対応に追われていました。併せて、コロナ禍や働き方改革に対応するため、非対面業務やテレワークなどの職場環境の整備も急務になっていました。
新たに最新のアライメント測定器やADASエーミング設備を導入し、整備を短時間で実施することが可能になり、事務作業のクラウド化とテレワークの体制も構築しました。これにより、地域において輸入車販売・整備のトップカンパニーとなり、従業員のモチベーションアップにもつながっています。
事業再構築補助金の採択事例
埼玉県内で8店舗のイタリアンレストランを経営しているN社は、地元産のヨーロッパ野菜にこだわった料理を提供し、順調に事業を拡大していました。しかし、コロナ禍の影響により、売上が7割減の店舗も現れるなど、厳しい状況に陥ってしまいました。
そこで、新たな収益源としてレストランのうちの1店舗を地産地消のセレクトショップに改装し、新たな需要創出に取り組みました。また、セントラルキッチンを整備し、小売業とレストランの仕込みを一緒に行うなど、生産性の向上にも挑戦しています。
補助金の申請サポートは誰に依頼するべき?
補助金の申請サポートは、さまざまな専門家やさまざまな機関が行っています。補助金の申請サポートを依頼する際には、それぞれの特徴を知ったうえで検討すると良いでしょう。
中小企業診断士
中小企業診断士は、経営コンサルタント唯一の国家資格です。
補助金の申請で必要となることの多い事業計画の立案を得意としている場合が多く、単に書類を作成するのみならず、事業内容に踏み込んだ経営全般へのアドバイスを受けやすいといえるでしょう。
行政書士
行政書士は、官公庁に提出をする書類作成を独占業務とする国家資格です。補助金の申請も官公庁に提出する書類の一つであると考えられ、補助金申請サポートは行政書士業務の一つとされています。
ただし、行政書士業務は非常に幅が広いため、補助金業務を一切行っていない行政書士も少なくありません。
顧問税理士
顧問税理士は、経営者にとってもっとも身近な専門家の一人でしょう。言わずと知れた、税務の専門家です。
ただし、税理士が専門とする税務の世界と、補助金申請に必要となる事業計画など財務の視点は、似て非なるものです。税理士の中には補助金の申請に詳しい人も存在する一方で、補助金は門外漢であるという場合も少なくありません。
そのため、依頼する際には、その税理士が補助金に詳しいかどうかを確認したうえで依頼すべきでしょう。
商工会や商工会議所
地域の商工会や商工会議所では、補助金についての相談に無料で乗っている場合が少なくありません。ただし、あくまでも相談窓口となっているのみであり、補助金の申請書類作成や申請代行までは行わないことが一般的です。
なお、これらを行ってくれる専門家の紹介を受けることはできるでしょう。
コンサルタント
補助金の申請サポートは、特に資格を持たないコンサルタントが行っている場合もあります。きちんと業務を行ってくれる信頼できるコンサルタントも数多く存在する一方で、悪質な業者が混じっている可能性もあるため注意してください。
補助金の申請サポートを依頼する主なメリット
補助金の申請サポートを専門家へ依頼することには、多くのメリットが存在します。主なメリットは次のとおりです。
手間や時間が削減できて本業に集中できる
補助金を自社のみで申請しようとすれば、多くの手間や時間がかかってしまうことでしょう。特に、事業再構築補助金やものづくり補助金などといった比較的大型の補助金では、公募要領のボリュームも大きく、これを読み込んで内容を理解するだけでもひと苦労です。
また、補助金の申請には事業計画書など経営の根幹にかかわる資料の作成が必要となることが多いため、専門の部署があるなどよほど大きな企業でない限りは、経営者など多忙な立場にある人が直接申請書類を作成せざるを得ないケースが多いでしょう。
一方、専門家へ申請サポートを依頼した場合には、自社でかけるべき手間や時間を大きく削減することへつながります。その分、経営者は本業へ集中することが可能となります。
補助金の最新情報を教えてもらえる
補助金には非常に多くの種類があるほか、企業向けの補助金がテレビコマーシャルなどで大々的に告知されることはほとんどありません。そのため、自社で申請をする場合には、原則として自ら情報をチェックしにいく必要があります。
しかし、本業で忙しい企業が、補助金の情報にまで常に目を配ることは難しいでしょう。その結果、気づいたときには申請を検討していた補助金の公募期間がすでに過ぎてしまっているなどというケースも少なくありません。
一方、補助金の申請サポートを専門としている専門家は、補助金に関する最新情報を常にチェックしています。そのため、公募開始の情報や前回の公募から変更となった点、最新の採択結果など、最新情報を教えてもらいやすいでしょう。
補助金が採択される可能性が高くなる
専門家が申請に関わったからといって、そのことが直接補助金の加点対象となるわけではありません。しかし、専門家へ申請サポートを依頼した方が、補助金が採択される可能性が高くなるといえるでしょう。
なぜなら、専門家はその補助金の趣旨や目的、審査ポイント、加点項目などを熟知したうえで申請書類を作成するためです。審査員が知りたいポイントに的を絞ったり、審査でプラスとなるアピールポイントを漏れなくアピールする申請書類を作成したりすることで、結果的に採択へとつながりやすくなります。
補助金申請後の注意点を教えてもらえる
補助金は、採択されることがゴールではありません。
ほとんどの補助金において補助金は後払いであり、採択後に事業の実施報告などが必要となります。この実施報告に問題がないと判断されて、ようやく補助金が受け取れるわけです。
自社のみで補助金を申請した場合には、採択後のことまで目を配る余裕がないことも少なくないでしょう。結果的に実施報告に手間取ってしまったり、実施報告に必要な資料が集められずせっかく採択された補助金の受給ができなかったりするケースも存在します。
専門家へ補助金の申請サポートを依頼することで、実施報告など申請後の注意点についてのアドバイスを受けることが可能となります。
事業計画についてのアドバイスが受けられる
多くの補助金で、申請にあたって事業計画書の提出が求められます。この事業計画書をいかに収益性がありかつ説得力のある内容で作成できるのかが、補助採択への大きなポイントの一つであるといえるでしょう。
そのため、専門家へ補助金の申請サポートを依頼した場合には、専門家とともにこの事業計画書を多方面から検討し、練り込むこととなります。
この事業計画書は補助金の申請のためだけに作成をするものではなく、きちんと作り込めば後の経営の羅針盤となり得るものです。補助金申請にあたって事業計画書を練り込んでおくことで、後の事業成功へつながりやすくなるといえるでしょう。
つなぎ融資先の金融機関の紹介が受けられる場合がある
後ほど改めて解説しますが、補助金は原則として事業実施後の後払いです。つまり、申請をした事業を実施する段階では、まだ補助金は手元にありません。
そのため、事業を実施するために必要な資金は、一時的に金融機関からの借り入れや自己資金などでまかなう必要があります。このような際に、一時的に受ける融資のことを「つなぎ融資」といいます。
しかし、これまで金融機関との付き合いの浅かった企業にとっては、つなぎ融資といってもどこの金融機関へ申し込めば良いか悩んでしまうことでしょう。このような際、補助金のサポートを行った専門家からつなぎ融資先の金融機関を消化してもらえる場合があります。
補助金の申請サポートを行っている専門家は資金調達全体に詳しいことも多く、金融機関とのつながりがある場合が少なくないためです。
特に専門家のサポートを受けるべき補助金
補助金の中には、比較的難易度の低いものと、難易度が高いとされるものが存在します。次の補助金は比較的難易度が高いうえ、採択された際の補助金額も大きなものですので、専門家のサポートを受けて申請をした方が良いでしょう。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、コロナ禍で誕生した比較的新しい補助金です。コロナ禍で売上が減少した中小企業者等が、思い切った事業の再構築をするにあたって必要となる経費の補助を受けることができます。
補助金額の上限額は従業員数によって異なりますが、従業員数20人以下であっても通常枠で最大2,000万円(従業員数101人以上なら最大8,000万円)とされており、非常に大型の補助金であるといえるでしょう。
ものづくり補助金
ものづくり補助金とは、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。「ものづくり補助金」との略称から製造業などのみが対象であると思われてしまいがちですが、サービス業なども広く対象とされています。
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。
補助金の上限額は補助金の上限額は従業員数によって異なりますが、従業員数5人以下であっても一般型(通常枠)で最大750万円(従業員数21人以上なら最大1,250万円)とされています。事業再構築補助金ほどではないものの、こちらも大型の補助金であるといえるでしょう。
補助金申請サポートを受けた場合の主な流れ
専門家へ補助金の申請サポートを受けた場合の主な流れは、次のとおりです。
補助金申請サポートを受ける専門家を選定する
はじめに、補助金の申請サポートを依頼する専門家を選定しましょう。専門家を選ぶ際には、過去の実績などを聞くなどして、補助金に詳しい専門家を見極めたうえで依頼することをおすすめします。
申請内容について打ち合わせを行う
専門家へ申請サポートを依頼したら、申請内容について専門家と打ち合わせを重ねます。
きちんとした専門家は、依頼者である事業者が行おうとしている事業の内容をしっかりとヒアリングしたうえで申請書類を作成します。そのため、複数回の打ち合わせを重ねながら、申請内容を練り込んでいくことが多いでしょう。
専門家にて申請書類を作成する
打ち合わせの内容を踏まえて、専門家側で申請書類を作成します。申請書類は、依頼者である事業者と何度か確認を重ねたうえでようやく完成となります。
補助金を申請する
申請書類が完成したら、補助金を申請しましょう。専門家側で申請まで行ってくれるケースと、申請自体は事業者自身で行うケースとがあります。
採択か不採択かが決定される
補助金の公募期間が満了したら、採択か不採択かが決定されます。補助金事務局から連絡が入ることが多いため、結果の連絡が入る方法を専門家へあらかじめ確認のうえ、通知を見落とさないよう注意しておきましょう。
補助対象事業を実施する
採択がされても、すぐに補助金が振り込まれるわけではありません。まずは、申請をした補助事業を実施する必要があります。資金が不足する場合には、あらかじめつなぎ融資を検討し、金融機関へ相談しておきましょう。
完了報告を行う
補助対象事業を実施したら、補助金事務局の指示に従って完了報告を行います。
専門家へ補助金の申請サポートを依頼した場合には、完了報告まで代行してもらえるのか、またその場合の報酬はどの程度かなどについて、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
補助金が交付される
完了報告に問題がないと判断されれば、その後補助金が交付されます。
トライズコンサルティングの補助金サポートの特長
当社トライズコンサルティングでは、補助金の申請サポートを行っています。トライズコンサルティングによる補助金サポートの主な特長は次のとおりです。
- トップコンサルタントから直接サポートを受けられる
- 高い採択率を保持している
- 採択後、補助金受給までトータルでサポートが受けられる
- Zoomを活用した全国対応が可能である
トップコンサルタントから直接サポートを受けられる
トライズコンサルティングに補助金申請サポートをご依頼いただいた場合には、トップコンサルタントから直接コンサルティングやサポートを受けることが可能です。コンサルティングを受けて事業計画を練り込むことで、補助金が採択される可能性が高くなります。
また、コンサルティングを受けて策定した事業計画は、今後の事業成功への道しるべともなるでしょう。
高い採択率を保持している
トライズコンサルティングでは、サポートをした補助金で高い採択率を誇っています。
たとえば、当社における2023年5月までのものづくり補助金の累計採択数は134件、採択率は93.0%です。また、さらに難易度が高いとされる事業再構築補助金の累計採択数は80件、採択率は86.9%でした。
これは、当社が補助金の申請サポートに力を入れており、最新の公募要領や採択傾向などを熟知してサポートを行っているためです。
採択後、補助金受給までトータルでサポートが受けられる
補助金は、採択されたからといってすぐに振り込まれるわけではありません。多くの補助金で、採択後にまず自社で補助対象事業の実施(補助対象とした経費の支出など)を行い、その結果を報告することが必要です。
その報告に問題がないと判断されて、ようやく補助金が交付されます。
しかし、ものづくり補助金や事業再構築補助金など大型の補助金ではこの実績報告にもそれなりの手間がかかり、自社で行えば大きな負担となる可能性が高いでしょう。中には、実績報告などの煩雑さから、せっかく採択された補助金の受給を諦めることさえあるようです。
そこで、当社トライズコンサルティングでは補助金の申請まではもちろんのこと、採択後の実勢報告などについてもサポートできる体制を整えています。そのため、事業者様が自社の本業に注力しやすくなるほか、実績報告がハードルとなって受給を諦める事態を避けることが可能となるでしょう。
Zoomを活用した全国対応が可能である
トライズコンサルティングでは、Zoomなどを活用して全国対応を可能としています。そのため、遠方の事業者様であっても当社にご依頼いただくことが可能であるほか、出張中などであっても場所を選ばず打ち合わせすることが可能です。
補助金の申請サポートを受ける場合の注意点
最後に、専門家へ補助金の申請サポートを受ける場合に注意したいポイントを紹介します。
事業立案からすべて丸投げはできないことを知っておく
専門家へ補助金の申請サポートを依頼しても、事業立案の段階からすべてを丸投げできるわけではありません。なぜなら、補助金の採択後にその事業を実際に行うのは専門家ではなく、事業者自身であるためです。
採択のみを目指して机上の空論のみで検討をした事業では熱が入らないばかりか、長期的な成長を見込むことも難しいでしょう。
補助金は本来、「補助金を受け取るために何をしようか」と考えるのではなく、何か行いたい事業があるものの資金が不足する場合や、行おうとする事業の成長速度を早めたい場合などに利用すべきものです。この本来の目的を誤ることのないよう注意しましょう。
補助金サポートする専門家の専門性をよく確認する
補助金の申請サポートを依頼する場合には、その専門家の専門性をよく確認しておきましょう。特定の資格を持っているからといって、すべての資格者が補助金に詳しいわけではありません。
できれば、過去にサポートした補助金の種類や依頼者の業種などを確認しておくことをおすすめします。
サポート内容をあらかじめよく確認する
サポートを依頼する前に、その専門家がどこまでの内容をサポートしてくれるのかをよく確認しておきましょう。特に、採択後の事業実施報告のサポートをしてくれるかどうかは、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
補助金サポートをうたう悪質業者に注意する
補助金のサポートをうたう業者の中には、悪質な業者が混じっている場合があります。
悪質な業者へ依頼してしまうと、はじめに口頭で聞いていた内容とは異なる法外な報酬を請求される可能性がある他、コピペなどの文章で申請書類を作成されてしまい採択が遠のくリスクなどがあるでしょう。
また、場合によっては虚偽申請を持ちかけられる可能性もあります。補助金の虚偽申請や虚偽報告は、重大な違法行為です。「みんなそのくらいやっているよ」などと適当なことをいう業者がいたとしても、絶対に口車に乗ることのないよう注意してください。万が一逮捕されたとしても、業者が守ってくれることはありません。
補助金の申請代行業者の選び方
具体的に補助金の申請サポートを依頼する専門家をどのように選んだら良いのでしょうか?ここでは、次の5つの観点から解説します。
- 資格
- 専門性
- 実績
- 料金
- 利便性
資格
原則として、補助金の申請サポートを含めた事業者のコンサルタントに資格は必要ありません。しかし、そうであるからこそ誰でも名乗れてしまい、悪質業者が蔓延る要因にもなっています。
もちろん、資格があるからといって補助金に強く、悪質ではないとは必ずしも言い切れませんが、一定以上の知識を有することを担保していると考えられます。
一般的には事業者に距離の近い税理士や行政書士などの資格保有者が良いとされ、特に、中小企業診断士は補助金の申請サポートのスペシャリストです。なお、補助金と似た制度である厚生労働省の助成金の申請サポートは、社会保険労務士の管轄となっています。
専門性
専門家といえど、すべての業務に精通しているわけではありません。たとえ中小企業診断士であっても、財務やマーケティング、ITなどその業務範囲は幅広く、補助金にあまり詳しくない可能性もあります。これは税理士や行政書士など他の資格保有者にもいえることです。
反面、資格を持っていなくても補助金の申請サポートをメインの事業としているコンサルタントや民間コンサルタント会社もあり、そちらへ依頼した方がスムーズに進む可能性があります。依頼をする前に専門家の情報収集をしっかり行っておきましょう。
実績
補助金の申請サポートを依頼する一番の目的は、補助金に採択されることです。そのためには、依頼先の実績は必ずチェックしておいてください。
補助金の申請サポートを行う業者の多くは自社ホームページを有しており、実績を公開しています。そこで過去の採択件数や採択率を確認することが可能です。
また、問い合わせ時にこれまでの手掛けた案件を聞いてみても良いでしょう。補助金の採択情報は基本的に公表されているため、過去の採択案件を提示することに問題はありません。
料金
補助金の申請サポートの料金は、「着手金」と「成功報酬」の2段階で設定されていることが多くなっています。「着手金」とは、採択・不採択に関わらず必ず必要となる料金で、補助金によって5万円から20万円となっています。また「成功報酬」とは、採択だった場合に補助金額に対する割合で支払う料金です。
費用はできるだけ抑えたいというのが事業者の想いでしょうが、いくら安くても十分なサービスを受けられなかったり、採択を受けられないのであれば意味がありません。事業を発展させるための必要な投資と考え、サービスと料金のバランスが良い相手に依頼しましょう。
利便性
補助金は2〜3回くらいの面談で申請書類が作成できるというわけではありません。特に、ものづくり補助金や事業再構築補助金のような大型の補助金の場合、最低2〜3か月かけて事業計画を作っていく必要があり、長いスパンが必要になります。
そのため、いつでも相談できるという利便性も大変重要であり、地理的に身近であるということも選ぶポイントになり得ます。
しかし、近年ではコロナ禍の影響もあり、「Zoom」やチャットなどのITツールが浸透しており、遠方でも気にせずオンラインでコミュニケーションの取れる環境が整備されてきました。こうしたツールを導入しているかも確認しておきましょう。
2023年8月時点で申請できるおすすめの補助金
2023年8月時点で申請することができるおすすめの補助金は次のとおりです。
- 事業再構築補助金
- ものづくり補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- IT導入補助金
事業再構築補助金
事業再構築補助金はコロナ禍で創設された大変大型の補助金です。ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することを目的としています。
「成長枠」の補助上限は従業員数に応じて2,000万円から7,000万円となっています。第10回公募から、事業類型の新設や売上高減少要件の撤廃など内容が大きく拡充されています。
既存のビジネスモデルから脱却し、新たな製品や市場に飛び込んで生き残りを図ろうとしている事業者様にぜひチャレンジして欲しい補助金です。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は主に製造業等の設備投資等に活用できる補助金です。中小企業や小規模事業者等の取組む革新的なサービスや試作品の開発、生産性向上のための生産プロセスの改善を支援することを目的としています。
「通常枠」の補助上限は従業員数に応じて750万円から1,250万円となっています。名称から製造業だけを対象としたものと思われがちですが、小売業やサービス業、建設業でも利用可能です。
自社の生み出す製品やサービスの付加価値の向上のため、高額な設備投資を計画している事業者様にぜひチャレンジして欲しい補助金です。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は少額ですが、大変使い勝手の良い補助金です。小規模事業者の地道な販路開拓等の取り組みや販路開拓等と併せて取り組む業務効率化を支援することを目的としています。
「通常枠」の補助上限は50万円となっており、インボイス特例の要件に合致すればさらに50万円が上乗せされます。チラシの作成やウェブサイトの作成・更新など幅広く活用することができます。
申請書類が少なく比較的簡易な制度であることから、初めて申請するのにおすすめしたい補助金です。
IT導入補助金
IT導入補助金はソフトウェアやシステム導入の経費の一部を補助する補助金です。中小企業や小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けたITツールの導入を支援することを目的としています。
「通常枠」の補助上限は「A類型」で150万円未満、「B類型」で450万円以下です。また、一部の類型ではパソコンやレジなどハードウェアも対象となっています。申請には「IT導入支援事業者」のサポートを受けながら事業を実施していくため、ITに弱い事業者様でも安心して取り組むことが可能です。
2023年(令和5年)8月時点での最新スケジュール
上で紹介したそれぞれの補助金の、2023年7月時点の最新スケジュールは次のとおりです。
ものづくり補助金
ものづくり補助金の最新スケジュール(16次締切分)は次のとおりです。
- 公募開始:2023年7月28日(金)17時〜
- 申請受付:2023年8月18日(金)17時〜
- 申請締切:2023年11月7日(火)17時
申請を検討されている事業者様は、できるだけ早く専門家へサポートの相談をしてください。ものづくり補助金の申請書類の作成には時間を要するため、現時点でも専門家によっては受付を締め切っている可能性があります。
事業再構築補助金
事業再構築補助金の最新スケジュール(第11回公募)は次のとおりです。
- 公募開始:2023年8月10日(木)
- 申請受付:調整中
- 応募締切:2023年10月6日(金)18時
公募は開始されていますが、「Jグランツ」での申請受付はまだ調整中となっています。これまでの傾向から9月中旬に開始されることが見込まれますので、それに向けて準備を進めておきましょう。なお、今回(第11回公募)「サプライチェーン強靭化枠」の募集はありません。
IT導入補助金
IT導入補助金の最新スケジュールは次のとおりです。
- 通常枠(A類型・B類型)・セキュリティ対策推進枠(5次締切分)締切日:2023年8月28日(月)17時
- デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)(7次締切分)締切日:2023年8月28日(月)17時
- デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型・複数社連携IT導入類型)(3次締切分)締切日:2023年10月2日(月)17時
受付開始は2023年8月1日(火)です。なお、「デジタル化基盤導入枠」の「商流一括インボイス対応類型」と「複数社連携IT導入類型」は、2023年8月下旬より受付の開始が予定されています。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金の最新スケジュール(第13回公募)は次のとおりです。
- 公募開始:2023年3月3日(金)
- 申請受付:2023年3月10日(金)
- 公募開始:2023年9月7日(木)
なお、申請に必須である「事業支援計画書」発行の受付締切が2023年8月31日(木)となっています。「認定経営革新等支援機関」による発行にも時間を要しますので、次回(第14回公募)への申請が現実的でしょう。
まとめ
補助金の申請サポートのメリットや注意点について解説しました。
申請サポートの依頼先や選定のポイントは数多くあり、誰にとっても最高という業者は存在しません。補助金の申請の流れや必要な要件を知り、自社に足りない部分を把握することが重要です。当記事を貴社のビジネスパートナー探しにお役立てください。
当社トライズコンサルティングでは補助金の申請にお悩みの事業者様のサポートを行っております。初回相談は無料となっておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。