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【2022】飲食店が活用すべき補助金は?申請例と採択されるためのポイント

飲食店が活用すべき補助金

コロナ禍では多くの飲食店が廃業し、生き残った店も出口の見えない経営環境に頭を悩まされていることでしょう。今後、アフターコロナでも持続的に経営を行っていくため、多くの飲食店が事業の抜本的な改革を余儀なくされています。

その際に活用されているものが、国等の自治体から支給される「補助金」です。今回は、飲食店を経営する方に向けて、おすすめの補助金や融資・助成金との違い、申請例を紹介します。ぜひ、アフターコロナの経営戦略立案の参考にしてみてください。

補助金とは?融資や協力金との違い

まずは、補助金の特徴について解説します。

売上以外で他者から資金を受け取るという点では、金融機関からの融資や厚生労働省等の自治体から支給される「助成金」、コロナ被害関連の「協力金」と同様ですが、補助金にはそれらとは明確に異なった特徴があります。

返済が不要

金融機関からの融資は、あらかじめ定められた期間のうちに返済することが求められますが、補助金では原則として返済が不要です。

金融機関は「事業」として資金を貸し出し、その利息で利益を確保していますが、国等の自治体は将来の国内経済の発展のための「投資」として補助金の給付を行っています。そのため、補助金を受給した中小企業には、事業拡大による利益の確保と雇用の創出が求められ、国等には最終的に企業の法人税や従業員の所得税などで回収するという目的があります。

事業計画に沿った取り組みが必須

融資の申し込みの際にも事業計画は提出しますが、金融機関が最も注視するのは、将来に渡って返済が可能かという点です。そこには、担保となる不動産や代表者の個人資産等の情報も含まれます。

また、助成金・協力金の申請時に事業計画を提出することは少なく、受給要件に合致していれば支給されるという場合がほとんどです。

それに対し、補助金は申請時に必ず資金を使って何に取り組むのかを詳細に記載した事業計画の提出が義務付けられ、計画に記載した取り組みを行わなければ、補助金を受給することはできません。

なぜなら、国等は事業者自体ではなく、計画書に記載された事業への取り組みに対して補助金を支給しているからです。そのため、記載した内容以外の取り組みを行っても、補助金は支給されません。

必要額すべては給付されない

融資の場合、必要な資金の金額を申し込み、承認されればその金額の支給を受けることができます。また、助成金・協力金はあらかじめ支給される金額が決まっていますが、資金使途については制限されていない場合がほとんどです。

しかし、補助金の場合は、制度ごとにそれぞれ補助率と補助上限金額が定められており、計画に記載した事業に支出した金額のうち、一部しか支給されません。そのため、一定金額は自己資金で賄わなくてはならず、過大な投資は自社の首を締めるもとになります。

補助金を申請する際には、事業計画の費用対効果と自己資金、将来キャッシュフローの見込み、金融機関の与信を総合的に判断して行う必要があります。なお、多くの補助金では、設備投資等で支払った経費の消費税部分も対象となりません。

原則として後払い

計画に記載された事業に取り組み、すべての必要経費も支払った後でなければ受給できないということも補助金の特徴です。

融資であれば、承認後一定期間後に入金されます。助成金・協力金の場合も、受給要件が確認され、問題がなければ入金されます。

一方、補助金の入金サイトは半年から1年と長期になることが一般的です。そのため、それを踏まえた資金繰りを考えておく必要があります。制度によっては、補助金額に応じて金融機関との連携が求められる場合もあります。

審査がある

補助金申請のために提出された事業計画は、国等に委託された審査員によって厳正な審査が行われ、その合否が決定されます。融資や助成金にも審査はありますが、補助金の審査は約2〜3ヶ月とかなり時間がかかります。

この間に事業に関する経費を支出しても、補助金の対象にならないため注意が必要です。また、事業がすべて完了し、給付のために取組みの成果報告も必要になりますが、これに関しても国等の審査があります。制度の趣旨に沿って正しく事業が行われたかがチェックされるのです。

また、制度によっては、補助金受給後も事業期間の間、事業化状況の報告が義務づけられ、毎年の取組みが審査されるものもあります。

飲食店におすすめの活用したい補助金

続いて、飲食店におすすめする補助金を紹介していきましょう。

補助金は、募集する自治体が掲げる政策目標を達成するために制度化されており、それぞれに補助対象となる取り組みが異なります。自社が取り組む事業にマッチした補助金を選び、その趣旨を理解して申請することが重要です。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事者を対象にした制度であり、対象となるかは常時使用する従業員の数で決定されます。飲食店は「商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)」に該当するため、常時使用する従業員が5名以下の場合に申請することが可能です。

小規模事業者の「地道な販路開拓等の取り組み」やそれと併せて行う「業務効率化(生産性向上)の取り組み」に要する経費の一部に対して補助金が支給されます。

2022年度の募集では、例年募集されてきた「通常枠」に加え、5つの事業類型が創設され、事業者の成長段階に合わせた利用が可能になっています。

補助金で最もネックとなる事業計画がA4サイズの用紙5~8枚程度となっており、添付書類も多くないため、初めて申請する方におすすめの補助金です。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業等の取り組む自社の課題やニーズに合ったITツールの導入を支援する制度です。申請にあたっては、ツールを納入する「IT導入支援事業者」のサポートを受けながら導入を進めていきます。

2022年度の募集では、「A類型」「B類型」に分けられた「通常枠」に加え、2023年10月に導入が予定されているインボイス制度に対応するため、会計・受発注・決済・ECソフトの導入支援を対象にした「デジタル化基盤導入類型」も募集されています。

「通常枠」と比較し補助率・補助上限が引き上げられていることに加え、クラウド利用費の補助対象期間の延長やレジ・タブレットなどのハードウェア購入費も補助対象となっているなど、手厚い支援になっています。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、アフターコロナを見据えた事業の思い切った転換を支援するため、2021年度に創設された制度です。2021年度は5回募集され、2022年度も複数回の募集が予定されています。

既存事業を廃止または縮小して、新たな事業に取り組むことが要件となっており、自社の強みや競合・市場の状況などを分析し、精緻な事業計画が必要になります。

過去の傾向では、製造業に次いで飲食・宿泊業の申請件数が多くなっており、補助金の額は1社最大で1億円以上と、今最も注目されている制度の一つです。補助金サイトでは、飲食店での活用事例も多数掲載されていますので、ぜひ参考にしてみてください。

外食産業向け業態転換等補助金

外食産業向け業態転換等補助金は、新型コロナウイルスの影響により経営環境が悪化した飲食店の今後の事業継続及び需要の喚起のために行う新メニューの開発、感染防止策の強化を前提とした提供方法の見直し、テイクアウト・デリバリー等の業態転換の取組みを支援する制度です。

対象事業者は飲食店を営む事業者となっており、飲食店版の「事業再構築補助金」といえるかもしれません。申請には、金融機関や民間のコンサルタントなどの「共同事業者」とともに申請する必要があります。

なお、外食産業への普及推奨モデルになると判断されるような取り組みは、優先的に採択されます。

飲食店の補助金を使った申請例

飲食店が申請できる補助金はわかったけれど、取り組む事業の具体的なイメージが沸かないという方も少なくないことでしょう。

そこで、ここでは補助金ごとに申請例を紹介していきます。自社の取り組みの参考としてください。なお、ここで挙げるものはあくまでも一例です。

EC対応した商品の開発(小規模事業者持続化補助金)

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓の取り組みが支援されるため、常温で保管でき、賞味期限も長い商品を新たに開発し、ECサイトで販売するという事業を検討することができます。

コロナ禍で店舗へ直接来店しづらい消費者に対し、飲食店の味を自宅に届けることができ、アフターコロナの取組みとして需要が見込まれるでしょう。

補助金の対象となる経費としては、「新製品・商品の試作開発用の原材料の購入費用」や「新たな包装パッケージに係るデザイン費用」などの「開発費」が認められています。なお、消費者へ直接販売するための商品の原材料や包装パッケージの印刷費等は、補助対象外となることには注意してください。

店内オペレーションのIT化(IT導入補助金)

コロナ禍で非対面・非接触が推奨されている飲食店では、消費者が安心して来店できる環境を整えるため、IT導入補助金を活用したセルフオーダーシステムやモバイルオーダーシステムを導入しましょう。

感染対策以外の効果として、慢性的な人手不足に悩まされている飲食店の人員の削減やスタッフの負担の削減につながります。また、注文忘れなどの機会損失やタブレットにおすすめメニューを表示し、宣伝することで顧客単価のアップも期待できます。

2022年7月現在募集されている制度では、タブレットも補助対象となっているためチャンスです。また、副次的な効果として、注文内容がデジタルデータとして日々蓄積されるため、その傾向を分析し、仕入れや仕込みの量を調整したり、新メニューを開発したり、キャンペーンの企画等に活用したりすることもできるでしょう。

セントラルキッチンの新設(事業再構築補助金)

飲食店を多店舗展開で経営している方は、事業再構築補助金によるセントラルキッチンの新設が考えられるかもしれません。セントラルキッチンとは、複数の食品提供場所の調理を一手に引き受ける施設を指します。

複数店舗を運営している場合、店舗ごとの歩留まりやスタッフを削減することが可能になり、ランニングコストの削減につながるでしょう。また、自店舗以外にも、他店や学校、病院、福祉施設への納入などの事業展開も見込むことができます。

そういった施設の建設には大きな資金が必要となりますから、補助金額の大きい事業再構築補助金が利用する制度としてピッタリです。

テイクアウト・デリバリーの開始(外食産業向け業態転換等補助金)

コロナ禍で直接、飲食店に来店することが難しくなったことで、消費者の中食需要が高まり、それに合わせるように飲食店も続々とテイクアウトやデリバリーを開始しました。

中には「ゴーストレストラン」と呼ばれる電話あるいはネットからの注文にのみ応じて食事を調理し、デリバリーで提供する飲食店の新業態も現れ、「Uber Eats」の様なフードデリバリーを事業とする企業の参入に合わせて成長しています。

アフターコロナとなってもこのような需要は底堅いと考えられ、「外食産業向け業態転換等補助金」を活用したテイクアウト・デリバリー事業への参入を検討することができます。

飲食店が補助金で採択されるためのポイント

最後に、飲食店が補助金を申請し、採択されるポイントについて解説します。

採択について特に影響を与えるのが、事業計画書の内容です。採択されるためには、審査員に将来的に継続して収益が確保される可能性が高そうだと感じてもらう必要があります。計画の記載方法について重要な点を3点挙げます。

自社の強みを生かす

事業の骨子が、自社の強みを最大限生かしたものである必要があります。いかに市場のトレンドや消費者のニーズがあったとしても、それを捉えるだけの強みがなければ、計画は「絵に描いた餅」になってしまいます。

まずは、自社について徹底的に掘り下げて、強みや競合に決して負けない部分を探してみてください。強みは一つでなくても構いません。小さな強みでも複数個組み合わせることで、他にはない貴社だけの強みになります。

そこを起点に考えられた商品やサービスでなければ、仮に事業ができたとしてもすぐに他社に模倣されてしまうと思われてしまうでしょう。

市場や顧客のニーズを掴む

市場を細分化し、自社の取り組む事業のターゲットを明確にしましょう。そして、そのターゲットをペルソナにまで落とし込み、「誰に」、「何を」、「いつ」、「どこで」、「どのように」販売するのかまで商品・サービスを練っていきます。

「誰にでも合う商品」は「誰にも合わない商品」というように、提供する商品やサービスは、ターゲットに対して適切なマーケティングを行う必要があります。市場や顧客のニーズをしっかり分析し、「あなただけの商品」を作り出しましょう。

ただし、市場の細分化やペルソナ設定を絞り込み過ぎてしまうことも問題です。あまりにニッチな商品となってしまい、市場規模が小さすぎて収益が確保できなければ本末転倒です。

わかりやすく記載する

計画書への記載はシンプルで、わかりやすくするように努めましょう。箇条書きを基本に、フレームワークで整理し、適時、図や写真を入れると読みやすくなります。

また、審査員は貴社や周辺地域のことをまったく知らないということに留意してください。加えて、飲食業界にもそれほど詳しくない可能性もあります。

そのため、業界の専門用語や慣習、地域ならではの特殊な事情などには注釈を入れるように心掛けましょう。どんなに素晴らしい計画でも、審査員に伝わらなければどうにもなりません。

まとめ

飲食店におすすめの補助金や、その申請例について解説いたしました。

飲食店のようなBtoCで労働集約型の事業では、最新の設備やIT機器の導入で効率化できることがたくさんあります。ぜひ補助金の申請にチャレンジし、安定的な経営を目指してください。

当社補助金バンクには、各種補助金に詳しいコンサルタントが在籍しており、飲食店の皆様の支援を行っております。IT導入等もご相談いただけますので、お気軽にご連絡ください。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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