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【2021】ECサイトに活用できる補助金は?ネットショップ開設費用の負担を軽減!

ECサイト向け補助金

令和2年7月の経済産業省による電子商取引に関する市場調査によると、2019年の国内におけるBtoC-ECの市場規模は19兆円を超え、7年間の2012年から2倍に急成長しています。また、2020年の新型コロナウィルスの影響による巣ごもり需要の増加により、さらに市場が急拡大しています。

実店舗での売上が減少し、さまざまな業種や同業他社がECに移行する中、ネットショップの開設を検討している中小企業も多いのではないでしょうか?しかしながら、課題となるのが導入費用。決して少なくない費用がかかってしまいますが、中小企業・小規模事業者向けの「補助金」を活用することで費用負担を軽減することが可能です。

当記事では、補助金活用のメリット・デメリットから、ECサイトを制作する際に活用できる補助金、補助金受給までの基本的な流れについて紹介します。

そもそも補助金とは?

「補助金」は国や自治体などが何らかの政策目標(目指す姿)の達成のために、事業者の取り組みをサポートすることを目的に資金の一部を給付する制度です。似たようなものには「助成金」があります。補助金と同じく国や自治体から支給される公的な支援制度となりますが、両者には違いがあります。

補助金と助成金との違い

主な違いは下表のとおりです。

補助金 助成金
管轄 主に経済産業省 主に厚生労働省
目的 設備投資等、事業の成長につながるような投資を支援 雇用増加や人材育成を目的とした支援
募集頻度 年数回程度(各回に締切がある) 原則として通年
審査 申請要件を満たし、かつ審査を通過する 受給要件を満たしていれば、ほぼ支給される

助成金は主に雇用増加や人材育成などを目的とした支援制度ですが、補助金は国の政策目標に沿った事業を行う事業者に対し、支援を行うといったイメージです。

また、助成金は原則として通年申請が可能ですが、補助金はある一定の期間で公募があり、申請期間に合わせて準備をしていく必要があります。

さらに、助成金は業種や従業員数など受給要件に合致していれば、ほぼ支給されますが、補助金には審査があり、落ちる可能性があります。受給の難易度としては、補助金のほうが高いと言えるでしょう。

メリット

返済が不要である

助成金も同じですが、補助金は基本的に返済不要の資金となります。

事業を進めていく上で必要な投資を行う際、中小企業の主な資金調達方法は金融機関からの借り入れです。借入金は、当然返済が必要であり、利子も支払う必要があります。

しかし、補助金は返済義務がありません。よって、中小企業にとって負担の少ない資金調達手段と言えます。

助成金と比べて種類が多く・支給額が大きい

年度にもよりますが、補助金は民間や地方自治体が募集するものまで含めると、数千程度あると言われており、創業から事業の承継まで、事業の成長段階に応じて支援を受けられるものや、特定の地域で新事業を行う際に支援を受けられるもの等、さまざまな種類があります。

また、補助の対象となる経費もネットショップ開設など販路開拓をはじめ、業務効率化のためのITツールの導入や製造工程を改善するための機械設備導入など幅広い投資が対象となります。

支給額としては、数十万円~数億円規模となり、助成金と比べて金額も大きいです。

デメリット

原則として後払いである

経費や設備投資の補助については後払いとなるため、まず自社の資金で支払いをしなければなりません。よって、自己資金で賄うのか、金融機関からつなぎの融資を受けるかなど、資金繰りに注意する必要があります。

審査に落ちる可能性がある

先述したように、補助金には審査があるため、申請すれば必ず支給されるというわけではありません。

まず、補助金には企業の規模や事業に関して申請する際の要件があり、それらを満たす必要があります。

次に、要件を満たし申請を行っても、事業計画の内容や実現可能性についての審査があります。ネットショップ開設を例にすると、「なぜネットショップを開設しなければならないのか?」「集客や売上の見通しは立っているか?」「運営するための社内外の体制は整備できているのか?」などです。

補助金の種類によって、事業計画書に記載する内容が異なり、また書き方にもコツがあります。採択率を高めたい場合は、補助金申請の支援を行っている専門家に相談してみることも選択肢の一つです。

ECサイト制作に活用できる補助金は3種類

中小企業や小規模事業者がECサイトを制作する際に活用できる補助金を3つ紹介します。新型コロナウィルスの影響で多くの企業がダメージを受けていることもあり、補助金も手厚くなっています。2021年の4月より2021年度分の申請受付が始まるため、早めに準備しておいたほうが良いでしょう。

  • IT導入補助金
  • 持続化補助金
  • 事業再構築補助金

IT導入補助金

IT導入補助金は、ITツールの導入を検討している中小企業・小規模事業者等を対象としている補助金です。

主に中小企業・小規模事業者の生産性向上が目的の補助金で、業務効率の改善につながるようなITツールやソフトウェア導入費に対して補助を受けることが可能です。

これまで、単純なECサイト制作は補助対象外となっていましたが、新型コロナウィルス感染拡大を機に設置された、「C類型」という枠では、「業務の非対面化に資するツール」すなわちECサイト等のパッケージも補助対象となりました。

2020年度の募集はすでに終了していますが、2021年度も「低感染リスク型ビジネス枠」のC類型として継続となります。

2021年度の申請受付開始は2021年4月上旬頃となる予定です。

申請するための要件

補助対象者は国内の中小企業及び小規模事業者となります。中小企業や小規模事業者の範囲は中小企業基本法で定められたものとなっています。

【中小企業の範囲】

※下表の資本金・従業員規模の一方が記載の数値以下の場合対象となります。

業種・組織形態 資本金(資本又は出資の総額) 従業員(常勤)
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業並びに旅館業を除く) 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) 3億円 900人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
その他の業種(上記以外) 3億円 300人

【小規模事業者の範囲】

業種 人数
商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数:5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数:20人以下
製造業その他 常時使用する従業員の数:20人以下

補助の対象となる経費

ECサイトの制作費のほかショッピングサイトの契約費用、導入のためのコンサルティング費用やマニュアル・研修費用・保守サポート等も対象となります。

広告宣伝費や単なるコーポレートサイトの制作費は補助対象外です。

補助額・補助率

補助上限額及び補助率は下表のとおりです。

類型 補助金申請額 補助率
C-1類型 30万円~300万円未満 2/3以内
C-2類型 300万円~400万円未満 2/3以内
D類型 30万円~150万円以下 2/3以内

低感染リスク型ビジネス枠ではC類型とD類型に分かれており、さらにC類型はC-1類型とC-2類型に分かれています。

C類型とD類型の違いは導入するITツールの違いで、C類型は顧客対応や決済など複数の業務プロセス間で情報連携し、複数のプロセスの非対面化や業務の効率化を可能とするITツールが対象。D類型はテレワーク環境の整備に対応し、複数の業務プロセスの非対面化を可能とするITツールが対象となっています。

C-1類型とC-2類型の違いは申請金額です。申請金額が30万円~300万円未満の場合はC-1類型、300万円~450万円以下の場合はC-2類型となります。C-2類型は賃上げが必須要件となっているので併せて注意が必要です。

持続化補助金

持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓や生産性向上の取り組みを行う際に経費の一部支援を受けられる補助金です。日本商工会議所が事務局となっており、商工会、商工会議所のサポートを受けながら経営計画書、補助事業計画書を作成していきます。

補助対象となる取り組みとしては大きく「販路開拓」と「業務効率化」があり、販路開拓においての取組事例として「ネット販売システムの構築」など、ECサイト制作が挙げられています。

IT導入補助金と同様に一般型と低感染リスク型がありますが、補助額及び補助率が拡充される低感染リスク型については2021年3月公募開始予定となっています。一般型については公募中であり、第5回分の受付締切が2021年6月4日となっています。

申請するための主な要件

補助対象者は、商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいる「小規模事業者」及び一定の要件を満たした特定非営利活動法人です。IT導入補助金と異なり、対象は小規模事業者のみとなります。

小規模事業者の範囲はIT導入補助金と同じです。

補助の対象となる経費

販路開拓や業務改善につながる機械装置費や広報費等が対象となります。広報費としては、ネット販売システムの構築費用やマスコミ媒体・ウェブサイトでの広告、販促用チラシの作成費用等が該当します。

また、中小企業庁のサイトでは、ECサイト制作に持続化補助金を活用した例も紹介されています。

補助額・補助率

補助上限額及び補助率は下表のとおりです。

類型 補助上限額 補助率
一般型 50万円 2/3
低感染リスク型 100万円 3/4

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新型コロナウィルスの影響で売上が減少している中小企業や小規模事業者が、新規事業分野へ進出する等、思い切った事業の再構築を行う際に支援を受けられる補助金です。2021年度の目玉となる補助金として注目されており、中小企業向けとしてはかなり大規模な1兆円を超える予算がついています。

「事業再構築」の具体的なイメージとして、「小売店舗による衣服販売業を営んでいる事業者がコロナの影響で売上が減少したため、店舗を縮小し、ネットショップでの販売に業態を転換する」や「百貨店に伝統工芸品を販売していた製造業者が、コロナの影響で百貨店の売上が激減したため、ECサイトを立ち上げ個人客向けにオンライン販売を開始する」等が挙げられます。

公募については2021年3月開始予定と発表されており、第1回の申請期限は4月中旬~下旬頃と予想されるため、早めの準備が必要です。

申請するための主な要件

補助対象者は中小企業・小規模事業者、中堅企業等です。中小企業と小規模事業者の定義は、「IT導入補助金」や「持続化補助金」と同じです。中堅企業については、中小企業の範囲に入らない会社のうち、資本金10億円未満の会社(※但し調整中)となっています。

また、新型コロナウィルスの影響で売上が落ち、事業の転換が求められている企業が対象のため売上減少の要件があります。具体的には、申請前の直近6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月間の合計売上高が、コロナ以前の同3ヶ月の合計売上高と比較して、10%以上減少している必要があります。

補助の対象となる経費

ECサイト等新規のオンラインサービス導入に係るシステム構築の費用の他、実店舗の縮小する場合に係る建物改修の費用も対象となります。

補助額・補助率

補助額及び補助率は下表のとおりです。中小企業及び中堅企業それぞれに「卒業枠」と「グローバルV字回復枠」という特別枠がありますが、数が限られており要件も厳しいため、一般的な企業は通常枠での検討が多くなると想定されます。

対象企業 枠の種類 補助額 補助率
中小企業 通常枠 100万円~6,000万円 2/3
卒業枠 6,000万円超~1億円 2/3
中堅企業 通常枠 100万円~8,000万円 1/2(4,000万円超は1/3)
グローバルV字回復枠 8,000万円~1億円 1/2

補助金受給までの基本的な流れ

補助金

押さえておきたい補助金の受給までの基本的な流れを紹介します。細かい部分は補助金の種類により変わるため、実際の申請にあたっては各種補助金の公募要領を確認してください。

  • gBizID(GビズID)の取得
  • ECサイト制作業者やサービスの選定
  • 申請書類の作成・提出
  • 交付決定
  • 事業の開始と実績報告
  • 補助金の交付

gBizID(GビズID)の取得

当記事で紹介した補助金を含め、今後はオンラインでの申請となります。申請の手続きを行う際には「gBizIDプライムのアカウント」が必要となります。

GビスIDとは、1つのアカウントにより複数の行政サービスにアクセスできる認証システムで、政府として普及を推進しています。「gBizIDプライムのアカウント」は発行までに2~3週間程度かかるため、実際に補助金を申請する・しないに関わらず、まず取得しておくことをおすすめします。

ECサイト制作業者やサービスの選定

次に購入する商品やサービスを選定していきます。

特にIT導入補助金では、IT導入支援事業者として認定された企業のサービスでないと、補助対象にならないといった制約があります。IT導入支援事業者や該当するITツールはIT導入補助金の公式サイトから確認・相談できます(※2021年度分はまだ公表されていません)。

補助金は申請すれば必ずもらえるものではないため、補助金ありきで業者にすすめられるがままに、不必要に高いオプションまで付けないように注意しましょう。

また、ここでの購入する商品・サービスの選定とは契約や発注行為ではないため注意しましょう。交付決定前に契約や発注行為を行ってしまうと補助金は支給されません。

申請書類の作成・提出

申請書のフォーマットがそれぞれ用意されているので記入していきます。また、申請書類の中には事業計画書というものがあります。

書類に不備がないことはもちろんですが、「なぜECサイトが必要なのか?」「ECサイトを導入するとどのような効果が期待できるのか?」「事業を実現するためにどのように進めるのか?」といった事業計画書がしっかり作り込まれているかが、補助金の採択率を上げる重要なポイントとなります。自社の強みや市場・顧客動向を分析した上で具体的に書いていきましょう。

提出書類

  • 応募申請書・事業計画書・経費明細書・事業要請書など

交付決定

事務局による審査の後、採否結果が通知されます。先述のとおり、業者への発注行為は交付決定通知を受けた後に行う必要があります。交付決定前に発注や支払いを行った場合は補助対象外となるため注意が必要です。

受取書類

  • 選定結果通知書・補助金交付規定・交付申請書・交付決定通知書など

提出書類

  • 交付申請書・経費の相見積もりなど

事業の開始と実績報告

実際に補助金を受け取るためには、計画した事業を開始し、実績を報告する必要があります。実績の報告には規定の報告書の他、支払いが完了したことがわかる証憑等も提出しなければなりません。

提出書類

  • 実績報告書・経費エビデンス

受取書類

  • 請求書様式

補助金の交付

実績報告で正しく事業が実施されたことが確認されると、補助金額が確定し、補助金が直接申請事業者に支払われます。また、事業終了後も補助金の対象となる領収書や証拠書類は5年間保管しておく必要があります。

提出書類

  • 請求書

受取書類

  • 補助金額確定通知書

まとめ

ECサイト制作に使える3種類の補助金を2021年度の最新情報をもとに紹介しました。

  • IT導入補助金(低感染リスク型の場合:補助額30~450万円、補助率2/3)
  • 持続化補助金(低感染リスク型の場合:補助上限額100万円、補助率3/4)
  • 事業再構築補助金(中小企業、通常枠の場合:補助額100~6,000万円、補助率2/3)

補助金は助成金と異なり、審査があり、公募期間も短いため事前準備が大切です。また、採択率を高める事業計画書の書き方にもコツがあります。

「どの補助金を使えば良いのだろう?」「自社で考えている事業は対象になるのかな?」「事業計画書はどう書いたら良いのだろう?」等とお悩みの方はぜひ当サイト「補助金バンク」へご相談ください。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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