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補助金の併用できる?複数の補助金を申請したい場合はどうする?

補助金の併用

申請したい補助金がいくつかある場合、併用したいと考える方もいらっしゃるかもしれません。確かに、補助金を併用することができれば、補助の上限額を広げたり、充実した補助を受けたりすることができます。

しかし、補助金は併用ができる場合とできない場合があります。併用できないのに併用してしまった場合などは不正受給に該当する可能性があるので、併用を考えている方はよく調べておく必要があります。

この記事では、補助金を併用できる場合とできない場合について解説していきます。また、一度不採択となった補助金に再度申請できるのか、これまでの補助を継続してもらうように申請できるのかなど、併用に近しいよくある疑問についても解説していきます。

なお、以下は一般論であり、実際の運用に際しては補助金の組み合わせによって個別に判断する必要があります。判断に迷ったら、中小企業診断士など補助金に詳しい専門家に相談してみましょう。

補助金を併用することは可能か?

補助金を併用することは可能か?

補助金は併用可能な場合と併用できない場合があるので、個別に判断していく必要があります。基本的に、複数の補助金を申請するのは自由ですが、複数の補助金を受給するのは認められない場合がありますので、採択された後に取捨選択していかなければなりません。

補助金は、申請→審査・採択→交付申請の流れで申請から受給を行います。併用について、各ステップにおける考え方の全体像を解説していきます。

申請

事業者などが補助金の申請を行う際、複数の補助金を申し込むことは可能です。異なる事業や、同じ事業の異なる費目については補助金を併願できます。

なお、同一事業者の同じ事業・同じ費目でも申請することは基本的には推奨できません。同じ事業・同じ費目の補助金を併用することはできず、申請が認められない場合もあり、また申請の労力が無駄になるからです。

申請書に、過去や現在に受給している補助金や他に申請中の補助金について記載する欄がある場合は、正確に記載しましょう。

審査・採択

補助金の申請を行うと、事務局などが審査を行い、採択・不採択を決定します。

別々の事務局にて審査され、複数の採択されることもあります。複数の補助金に採択された場合、併用できるケースとできないケースがあるため、次に解説するとおり辞退や修正が必要になることがあります。

事業開始・交付申請

同じ事業・同じ費目について複数の補助金に採択された場合、補助金を辞退したり、事業計画などの修正を申し出たりします。辞退や修正により、補助金が重複して支給されないように対応する必要があります。

ただし、原則としては大きな修正はできないため、後で修正することを前提とした補助金の申請は控えます。

どの補助金を選び、どの補助金を辞退・修正するのかを判断するのが難しいと感じる方は、申請から採択後の対応までサポートしてくれる中小企業診断士などの専門家に相談しましょう。

補助金の併用についての具体例

以下の2つの補助金を例に、併用できる場合とできない場合を解説していきます。

  • 上限 補助率
  • 補助金A 100万円 2分の1
  • 補助金B 50万円 3分の2

なお、使用する経費は同一事業における設備費100万円、広報費50万円とします。

申請

申請時は、補助金AもBも設備費100万円、広報費50万円の見積もりで申請できます。片方のみの採択となる可能性もあるからです。

事業開始・交付申請

補助金AとBに採択されたら、辞退や事業計画などの修正といった対応をしますが、最もメリットが大きい選択を考えます。今回は簡単のため、補助される金額を比較して最も補助額が大きい選択を取ります。

実際には、補助金ごとの対象経費の違いなど総合的な判断が必要なので、中小企業診断士などの専門家に相談することをおすすめします。

補助金Aを辞退する場合、補助金Bで設備費と広報費の合計150万円を申請します。上限が50万円、補助率が3分の2のため、50万円の補助金を受給することができます。

補助金Bを辞退する場合、補助金Aで設備費と広報費の合計150万円を申請します。上限が100万円、補助率が2分の1のため、75万円の補助金を受給することができます。

同じ費目ですが、設備費と広報費で費目が異なるため、補助金ごとに別々の費目を申請することもできます。補助金Aで設備費を、補助金Bで広報費を申請する場合、約83万円(A補助金設備費100万円×1/2+B補助金広報費50万円×2/3)の補助金を受給することができます。この場合、交付申請時の計画の修正を申し出ます。

以上の比較より、費目ごとに補助金を受給するのが最もメリットが大きいことがわかります。

なお、例では金額の比較しか行っていませんが、実際には補助対象の経費の範囲なども比較する必要があります。例のように簡単に選べない場合も多いので、中小企業診断士などの専門家にアドバイスをもらうことをおすすめします。

補助金の申請における併用に関する疑問

補助金の申請を行う際、複数を併願しても良いのか、不採択になった後にもう一度申請することはできるのかなどの疑問があると思います。補助金の併用や複数回の申請について、よくある質問と回答を解説していきますのでご参考ください。

以下に当てはまらないイレギュラーな状況の方や、不明点がある方は、中小企業診断士など補助金に詳しい専門家に相談してみましょう。

同じ事業で別の補助金を申請

まだ補助金を受給していない事業であれば、1つの事業に対して複数の補助金を申請することは可能です。申請の手間はかかりますが、基本的に申請は自由に行うことができ、個数に制限はありません。

ただし、国や都道府県に事業が採択されて補助金の交付が決定したら、辞退が必要な場合があります。基本的に、同じ事業の同じ事業が補助の対象になる場合、併用できないケースが多いです。併用できない場合や採択後に辞退が必要になる場合については、採択後の項目で後述します。

したがって、採択後に辞退が必要な可能性も念頭に置いたうえで、複数の補助金を申請することがメリットになるかをご検討ください。申請の手間に対して得られるメリットがあるのかよく考えましょう。

不採択後の再申請

補助金を申請しても不採択となった場合は、同じ補助金を再度申請することが可能です。ただし、決められた公募の期限に間に合わせる必要があるので、スケジュールがタイトになる可能性はあります。

不採択となった場合、書類の内容などに改善するべきポイントがあるはずです。採択される可能性を高めるためにも専門家に相談し、なぜ不採択になったのかを分析して書類の内容を改善してから再申請を行いましょう。補助金の専門家である中小企業診断士などに見てもらい、改善点のアドバイスをもらうのがおすすめです。

また、不採択の通知を受けたときには公募期間が終了しており、同じ補助金を申請することができなくなってしまうこともあり得ます。その場合は、他に使える補助金が無いか探してみましょう。

ただし、同じような事業計画のままで申請すると、別の補助金でも不採択になってしまうかもしれません。採択される可能性を上げるためにも、中小企業診断士などの専門家に書類づくりをサポートしてもらいましょう。

受給したことがある補助金の申請

過去に受給したことがある補助金を、もう一度申請したいこともあります。このような場合も、受給した経験の有無に関わらず、申請は可能です。同じ事業者であっても、過去に受給した事業と異なる場合など、採択される可能性があります。

ただし、1つの事業者が1回しか受給できない補助金などの場合、申請しても受給することはできません。また、回数の制限が設けられていない場合でも、過去に受給したことがある補助金だと審査で不利に働くことがあります。補助金が同一事業者に偏らないように審査されることがあるためです。

同じ事業を継続するための補助金の申請

補助金を受給している事業について、補助対象期間が終了した後も補助を受けるため、同じ補助金を続けて申請したい場合もあります。このような場合も、申請することは可能です。公募要領で複数回の受給に対する制限が無ければ、受給できる可能性があります。

ただし、審査で不利になる場合があり、採択されるとは限りません。例えばものづくり補助金は、公募要領の減点項目に「過去3年間に、類似の補助金の交付決定を受けていた場合、交付決定の回数に応じて減点」と明記されています。

この項目に該当する方も申請を行うことはできますが、減点されるので審査では不利になることを理解しておく必要があります。申請を行うこと自体は可能なので、審査で不利になっても補助金が必要だと考えるなら、申請を行いましょう。

補助金の採択後の併用についての疑問

上述のとおり、複数の補助金の申請を併願することは可能です。ただし、複数の補助金に採択されたからといって、併用して良いとは限りません。併用が認められない場合は辞退する必要があります。

どのような場合は併用でき、どのような場合は辞退しなければならないかについて、詳しく解説していきます。ポイントとなるのは、「事業が異なるか」「費目が異なるか」の2点です。

以下に解説するような状況に当てはまらない方や、併用して良いのか不安がある方は、中小企業診断士など補助金に詳しい専門家に相談し、アドバイスをもらいましょう。

異なる事業で補助金が採択された場合

同一事業ではなく、異なる事業それぞれについて補助金が採択された場合、別々に利用する形で併用することができます。A事業に対してA補助金、B事業に対してB補助金、といった形です。

ただし、A事業の経費をB補助金で交付申請する、といった併用はできません。A事業の経費はA補助金で交付申請し、A補助金を受給しなければなりません。

同じ事業でも費目が異なる場合

同じ事業でも、補助対象の費目が異なる場合、併用できます。費目とは、設備費や備品費、人件費、広告宣伝費といった、補助対象の事業を行うために支出する経費で、補助金の対象となる費用のことです。

同じ事業であっても、例えば、設備費はものづくり補助金、広告宣伝費は持続化補助金で交付を受けるといったことは考えられます。各補助金の上限額が小さくて足りない場合などは、費目を分けて補助金を併用し、補助額を高めることが可能です。

このように費目が異なるときは、同じ事業でも別々の補助金を活用できる場合があります。

同じ事業で費目も同じ場合

同じ事業で費目も同じ場合、基本的には併用できません。例えば、経済産業省が管轄する国の補助金である「IT導入補助金」の場合、国の他の助成金や補助金と併用することはできません(対象の事業や費目が異なる場合は除く)。

補助金を併用する際の注意点

以上のとおり、補助金の併用はできる場合とできない場合があります。補助金を併用して、補助される金額を大きくしたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。

補助金の併用を検討している方には、あらかじめご留意いただきたいポイントがあります。複数の補助金の申請を始める前に、以下の注意点をご理解ください。

  • 公募要領を確認する
  • 交付申請時に併用を正しく申告する
  • 専門家に補助金の併用ができるか相談する

公募要領を確認する

他の補助金との併用が可能かどうかなどは公募要領に記載されている場合がありますので、申請を行う前に必ず公募要領を確認しましょう。「同じ事業は併用できないが、事業が異なる場合は申請可能」など、併用可能な範囲が明記されているので参考にしてください。

また、ものづくり補助金のように、過去に受給したことが審査における減点対象となる場合も公募要領に明記されています。減点対象となって審査で不利になっても申請を行うのか、他の補助金に応募するのかなどをよく考えるヒントにしていただければ幸いです。

交付申請時に併用を正しく申告する

多くの補助金の申請書には、過去に受給した補助金や補助対象期間中の事業について記載する欄があります。他に申請している補助金がある方や、これまでに受給した補助金がある方は、事実を正しく申告しましょう。

専門家に補助金の併用ができるか相談する

複数の補助金の申請や併用を行う前に、中小企業診断士などの専門家に相談してアドバイスをもらいましょう。専門家からのアドバイスを受けることにより、併用できない補助金を併用してしまうといった間違いを防ぐことができるからです。

これまで解説してきたとおり、補助金の併用は複雑な問題であり、例えば以下のような論点について迷ってしまうことが考えられます。

  • 申請の労力を増やしてでも、複数の補助金に申請を行うべきなのか
  • 複数の補助金に採択されたものの、併用できるかどうか
  • 併用できない場合、どの補助金を優先し、どの補助金を辞退するか
  • 辞退する場合はいつまでに、どのように手続きすれば良いのか
  • 同じ事業で補助金を併用する場合は費目をどのように分けるべきか

以上のような論点に対し、補助金の申請や受給の経験が少ないが方が判断を下すのは難しいです。

中小企業診断士などの専門家であれば、補助金を選んで申請書を作る段階から受給や事後報告までアドバイスをしてくれます。プロの意見を聞いて申請する補助金を選んだり、複数採択された補助金の中から選んだりしましょう。

ちなみに複数の補助金に採択された場合、基本的には補助金の金額が大きさや補助率の高さを踏まえて選び、優先順位の低い補助金を辞退することが多いです。

まとめ

補助金の併用について解説してきました。異なる事業や異なる費目であれば、同一の事業者であっても複数の補助金を受給することが可能な場合が多いです。ただし、同じ事業で同じ費目については、併用できない場合が多いです。

補助金によって併用できる場合と併用できない場合があり、詳しくは各補助金の公募要項などで定められています。しかし、個別に判断が必要な細かい論点であり、補助金の申請に慣れていない方は、自力で判断するのが難しい部分です。

そこで、補助金の知識が豊富な中小企業診断士などの専門家に相談し、併用についてアドバイスをもらうことをおすすめします。「補助金バンク」には補助金に強い専門家が多数登録しているので、「補助金バンク」を使って身近で頼れるプロフェッショナルを見つけましょう。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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