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給付金と助成金の違いとは?具体例・探し方・申請手順

助成金と給付金の違い

「給付金」「助成金」「補助金」と、国や自治体からの支援金にはさまざまな呼び方がありますが、どのような違いがあるかご存知ですか?違いを理解せずに申し込んでしまうと、審査に落ちてしまったり、せっかく受給できても想像していた用途には使えなかったりということが起きてしまいます。

そうならないためにも、給付金や助成金の目的や審査の有無の違いをしっかり押さえていきましょう。

この記事では、まず初めに給付金・助成金・補助金の違いを解説します。その後、給付金と助成金に焦点を当てて、どのような支援金があってどのように申請するのかを解説していきます。

給付金・助成金・補助金の違い

補助金・助成金・給付金の違い

給付金と助成金に加え、混同されやすい補助金も加え、3つの違いについて解説していきます。結論からお伝えすると、給付金・助成金・補助金はいずれも返済不要な支援金で、ほぼ同じようなものと考えて構いません。

ただし、お金の使い道や審査の有無といった違いがあります。特に助成金や補助金は目的外の用途には使えず、定められた目的以外の用途で使ってしまうと不正受給と見なされるケースがあるため、ご自身の目的に合った支援金を申請しましょう。

助成金

助成金は、主に雇用環境の改善のために設けられた支援金の制度です。非正規社員の正社員登用を促したり、育児休暇の取得を促したりするといった目的のため、このような取組を行う企業に対して経費の補助をするのが助成金です。

助成金は申請要件に当てはまっている事業者であれば、助成金をもらうことができます。応募者同士の競争はありません。

ただし、申請には一定の手間がかかります。申請のために就業規則の変更などが必要な場合もあるからです。申請書を記入するだけでOKとは行かないので、雇用や助成金申請に詳しい社労士に相談しながら申請を進める方が多いです。

補助金

補助金は企業の事業の拡大や新規事業の創設など、さまざまな目標を支援するための支援金の制度です。国や自治体の政策を促進する目的もあるため、IT導入など政策と一致する方向の事業が手厚く支援される傾向にあります。

補助金は助成金・給付金と異なり、審査が設けられています。申請要件を満たすだけでなく、審査によって採択・不採択が決められるため、応募者同士の競争があるのです。

したがって、申請要件に当てはまっている事業者でも、確実に補助金を獲得できるとは限りません。そのため、補助金は助成金・給付金よりも獲得するのが難しい支援金です。

一方、大きな金額の補助を受けられることも、補助金の特徴です。厳しい審査に合格するためにも、中小企業診断士など補助金に強い専門家に相談して申請をすすめるのが良いでしょう。

給付金

給付金は、助成金や補助金と違って用途が限定されず、幅広い用途に使えるお金です。使い道は、受給した人に任せられており、何に使ったかといった報告も不要なケースがほとんどです。

給付金も申請要件に当てはまっている人なら、誰でも受給することができます。応募者同士の競争はありません。申請方法も簡単で、必要書類も少ない場合がほとんどです。

例えば、2020年の新型コロナウイルス感染拡大時に、国民一人ひとりに10万円が支給されましたが、これは「特別定額給付金」という給付金です。必要書類への簡単な記入のみで申請できたため、申請方法がわからなくて困ってしまい、申請できなかったという方は少なかったでしょう。

ただし、給付金は「誰でももらえる」「何を買っても良い」と制限の緩い支援金であるため、対象者が大勢いるため、一人または1事業者がもらえる金額は少なめのことが多いです。事業者の方は助成金や補助金をメインに狙いつつ、給付金が設立されたら併用すると良いでしょう。

給付金の主な具体例

ここからは、給付金や助成金にはどのような種類のものがあるのかを紹介していきます。まずは、代表的な給付金を3つ紹介します。

いずれも、新型コロナウイルス対策のために設けられた給付金です。申請のハードルが低いことに加え、お金の使い道が決まっておらず、幅広い支援のための給付金であることをご理解いただけることでしょう。

  • 特別定額給付金
  • 持続化給付金
  • 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金

特別定額給付金

特別定額給付金は、2020年に設けられた制度で、所得に関係なく国民1人あたり10万円が支給されたあの制度です。すでにすべての市区町村で申請受付は終了していますが、給付率は100%近く、ほとんどの国民が10万円を受け取れた状態になっています。

特別定額給付金の目的は、新型コロナウイルスの感染拡大によって困窮している人を助けることや、困窮していない人には使ってもらって経済を回したいといった目的がありました。使い道が限定されない給付金だったため、自由度が高く個々人が好きなように使うことができました。

当初は「低所得者に限るべき」といった意見もありましたが、「所得に関係なく全国民」としたことで、スムーズな給付ができたとも言えます。申請要件をシンプルにすることで、少額ながらスピーディーに給付できる給付金の良さが出たと言えるでしょう(地域によって給付までのスピードが異なり、批判はありました)。

持続化給付金

持続化給付金は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、売上が大きく落ち込んだ事業者を救済する目的の支援金です。資本金または出資の額が10億円以上の企業を除く法人と個人が対象となり、法人は最大200万円、個人事業主は最大100万円の支給を受けることができます。

基本的には、前年同月の事業収入と比べて半減した月がひと月でもあれば、申請することができます。例えば、前年の4月の事業収入が50万円だったのに、今年の4月の事業収入が20万円になってしまった場合、4月の事業収入が半減しているので持続化給付金の申請ができます。

その他、今年から事業を始めたため、比較対象となる前年の事業収入がない事業者向けの特例もあります。売上が大きく減少して困っている方は広く使える制度です。

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金は、感染拡大防止のために休業させられた中小企業の労働者のうち、休業中に賃金や休業手当をもらえなかった方に支給される給付金です。

2020年は緊急事態宣言や営業自粛要請などにより、休業を迫られて営業できなくなった事業者も大勢いました。中には、営業できず収益が途絶えており、従業員への手当もままならない事業者も大勢います。

この後紹介する「雇用調整助成金」を使う手段もありますが、それだけでは不十分で手当てをもらえなかった従業員が使えるのが、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金です。休業前の1日当たり平均賃金の80%(上限1万1,000円)をもらうことができます。

助成金の主な具体例

次に、助成金にはどのような種類があるのか具体例を紹介していきます。労働時間の短縮や育休取得支援など、国の政策と方向性が一致していることがわかるでしょう。

助成金は給付金と異なり、お金の使い道が決まっている支援金です。それぞれの助成金の目的を踏まえ、自社で使えそうな助成金や、活用して労働環境を整えたいと思える助成金がないか探してみてください。

  • 雇用調整助成金
  • 働き方改革推進支援助成金

雇用調整助成金

雇用調整助成金とは、事業活動の縮小を余儀なくされて、従業員の雇用を維持した状態で休業等を行った場合、従業員に対して支払った休業手当の一部が国から女性される制度です。事業活動の縮小によって収入が減る中、事業主にとっては休業手当の支払いが軽減され、従業員にとっては解雇を免れられる制度です。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、営業時間の短縮や営業そのものの自粛をしている方は、雇用調整助成金を使うことができます。あくまでも休業手当の一部補填のために使うお金なので、売上を補填することはできませんが、雇用調整助成金を利用すれば倒産や従業員の解雇は防げる可能性が高いです。

働き方改革推進支援助成金

働き方改革推進支援助成金は、日本で常態化している非効率な長時間労働を改善する目的の助成金です。次の4つのコースに分かれています。

  • 労働時間短縮・年休促進支援コース
  • 勤務間インターバル導入コース
  • 団体推進コース
  • 労働時間適正管理推進コース

最も使いやすいのは、「労働時間短縮・年休促進支援コース」でしょう。「36協定の締結」や「年5日の有給休暇取得について就業規則などで整備していること」などの条件を満たせば、時間単位の年次有給休暇制度の導入といった成果目標に取り組み実施することで助成金を申請することができます。

このコースでは36協定の見直しによる労働時間の短縮や、週休2日制の導入に向けた休日の増加などを目標とし、従業員の賃上げ額や取組に必要な経費の一部を助成金でまかなうことができます。

給付金・助成金の探し方

給付金・助成金の探し方

先ほど紹介した以外にも、給付金や助成金は数多くあります。なお、給付金や助成金は主催する国や自治体によって設けられている制度が異なり、しかも数多くの種類があります。そのため、給付金や助成金の候補をすべて調べ上げるのは基本的には不可能でしょう。

まずは、厚生労働省のホームページで国の助成金を調べるのがおすすめです。雇用関係の助成金が網羅されているので、この中から使えそうなものを探しましょう。各自治体も助成金を設けているケースがあるので、自治体のホームページでも確認するのがベストです。

ただし、国や自治体のホームページを見るだけでも多大な労力がかかりますし、見慣れない専門用語があって理解に苦しむかもしれません。そのような場合は、助成金や給付金に詳しい社労士に相談してみることをおすすめします。

給付金の申請方法

ここからは、給付金と助成金の申請方法について解説していきます。

まず、給付金は種類によって申請の難しさが異なります。例えば、特別定額給付金は簡単な方で、市区町村から送られてくる書類に記入して返送するだけです。持続化給付金は、基本的には売上などの記入や前年の確定申告のデータ、今年の月別の売上高が分かる書類の添付のみの提出で受給できました。特例を使う場合など、事業者によっては書類の準備が大変になることがあります。

支給対象者が大勢であり、幅広く支給するのが給付金の目的であるため、申請方法も簡単で自分一人でできる方も多いです。もしわからないことがあれば、行政書士などの専門家に相談しましょう。

助成金の申請方法

厚生労働省関係の助成金を前提にすると、助成金の場合、給付金よりもかなり複雑な申請方法となります。自力では難しいかもしれないと感じる方は、助成金の申請を代行してくれる社労士に任せるのがおすすめです。

一般的な申請の流れ

 

 

一般的な申請の流れ

一般的な厚生労働省関係の助成金申請の流れは、次のとおりです。

  • 取組の実施計画を作成する
  • 就業規則の確認・変更を行う
  • 計画書を届け出る
  • 助成金申請の書類を記入し、添付書類とともに提出する

この4ステップで助成金の申請は完了しますが、内容を詳しく見るとかなり大変なことがわかります。

例えば、就業規則の確認と変更です。助成金の種類によっては就業規則を変える必要がありますが、労働基準法など関連法を適切に守りながら変えなければなりません。知らず知らずのうちに違反する規則にならないよう、専門知識が必要です。

そのため、専門知識を持っていない方が独りで助成金の申請を行うのは非常に難しいです。次に解説するように、助成金の申請は代行を依頼すると良いでしょう。

申請代行を利用する方法

助成金の申請は複雑であるため、専門家に相談してサポートしてもらいましょう。厚労省関係の助成金であれば、社会保険労務士(社労士)に代行を依頼することもできます。

社労士は助成金だけでなく、雇用や社会保険に関する知識も豊富です。就業規則の作成にも長けているため、助成金申請の過程で就業規則の変更が必要になっても、相談に乗ってもらうことができます。

なお、厚労省関係の助成金の申請代行ができるのは社労士のみと法律で決まっています。資格がないのに助成金の代行をしようとする詐欺業者もあるので、資格があるかどうかを確認してください。

もし資格の無い人に申請を代行してもらった場合、代行した人のみならず、助成金の申請をした事業者が不正受給と見なされてペナルティを受ける可能性があります。不正受給を行った事業者として事業者名の公開や、助成金の返金と加算金の支払いをしなければならない可能性があるため、怪しい業者には任せ内容にしましょう。

助成金の申請をサポートしてくれる社労士など専門家をお探しなら、「補助金バンク」を使ってみましょう。

まとめ

給付金と助成金の違いを中心に解説しました。助成金は主に中小企業の雇用環境の改善を支援するためのお金です。給付金は対象者が幅広く、2020年は新型コロナウイルスによって困窮する事業者や家庭の救済を目的とした給付金が多数設立されました。

毎年コンスタントに募集が行われているのは助成金なので、助成金をメインに使いつつ、給付金が設立されたら併用していくと良いでしょう。

助成金は申請方法が複雑なので、社労士などの専門家に相談したり代行してもらったりする方が多いです。当社「補助金バンク」には助成金を得意とする社労士が多数登録しているので、補助金バンクを使ってお近くの社労士を探してみてください。

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この記事を書いた人
安田 史朗
この記事を書いた人
安田 史朗
社会保険労務士法人イージーネット 副代表 社会保険労務士 中小企業診断士
事業者には区別しづらい「助成金」と「補助金」の両方に精通しており、多くの中小企業に助成金・補助金の提案~支援を行っている。補助金の審査員経験もあり、士業向け「補助金コンサルタント」養成講座の講師として後進の育成にも力を注ぐ。

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