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働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)とは?機器導入や研修費用の助成が可能

働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)

働き方改革や新型コロナウイルス対策のため、テレワークのニーズが高まっています。テレワークを導入したいと考えている中小企業の方も大勢いらっしゃいますが、機器の導入費用が高額なため二の足を踏んでいる、という方も多いのではないでしょうか。

働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)を使えば、テレワークに必要な機器の導入費用や研修費用などの助成を受けることができます。この記事では補助の上限や補助率、どのような費用が対象になるのかなどを解説していくので、テレワークの導入を検討している方は自社での導入をイメージしながらご覧ください。

なお、令和3年度からは人材確保等支援助成金(テレワークコース)に変わり内容も変更されます。

※本記事は2021年2月6日時点の情報に基づいています。

働き方改革推進支援助成金とは

働き方改革推進支援助成金とは

「働き方改革推進支援助成金」とは、生産性の向上や労働時間の縮減、年次有給休暇の促進など働き方改革に取り組む中小企業などが、働き方改革の実施のために使った費用の一部を助成する助成金です。

働き方改革推進支援助成金には以下の5つのコースが設けられているので、自社の働き方改革の方針に合った助成金を申請しましょう。

  • 労働時間短縮・年休促進支援コース
  • 勤務間インターバル導入コース
  • 労働時間適正管理推進コース
  • 団体推進コース
  • テレワークコース
  • この記事では、テレワークコースについて解説していきます。

テレワークコースとは

働き方改革推進支援助成金のテレワークコースでは、在宅やサテライトオフィスでの勤務ができるようテレワークに取り組む中小企業事業主に対し、取り組みの実施に要した費用の一部を助成する助成金です。

なお、2020年は新型コロナウイルス対策でテレワークの必要性が高まったことを背景に、「新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース」が新設されました。通常のテレワークコースとは支給額などが異なるため、後ほど別々に解説していきます。

新型コロナウイルス対策のためのテレワークコース

テレワークコース

ここからは働き方改革推進支援助成金のテレワークコースはどのような事業主が対象であり、どのような助成を受けられるのかなどについて解説していきます。まずは新型コロナウイルス対策のためのテレワークコースについてです。通常のテレワークコースについては後述します。

対象となる事業主

新型コロナウイルス対策のためのテレワークコースで対象となる事業主は、新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新たに導入する中小企業事業主です。既にテレワークを行っている会社は対象にはなりません。

中小企業事業主の範囲は、以下の表のとおりです。AまたはBの要件を満たす企業は中小企業事業主に該当します。

業種 A. 資本または出資額 B.常時使用する労働者の人数
小売業(飲食店を含む) 5000万円以下 50人以下
サービス業 5000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下

以上の条件に該当し、新型コロナウイルス対策のためにテレワークを導入する中小企業事業主は、支給の対象となります。後述する通常のテレワークコースよりも条件が少ないため、該当する事業主が多くなります。

支給対象となる主な取り組み

新型コロナウイルス対策のためのテレワークコースで助成金の支給対象となる取組には、以下のような取り組みが挙げられます。

  • テレワーク用通信機器の導入・運用
  • 就業規則・労使協定の作成・変更

テレワーク用通信機器には、VPN装置、web会議用の機器、クラウドサービスの導入、サテライトオフィスの利用料などが挙げられます。なお、パソコン、タブレット、スマートフォンについては、レンタル、リース費用は助成対象となりますが、購入費用は本助成金の助成対象にはなりません。

支給要件

新型コロナウイルス対策のためのテレワークコースの支給要件は、2021年1月8日~2021年1月29日までにテレワークを新たに導入し、実際にテレワークを実施した労働者が1人以上いることです。少なくとも1人は直接雇用している労働者である必要があります。

※2021年1月時点の支給要件

支給額・補助率

支給額の上限は100万円で、補助率は2分の1です。対象となる経費は以下のとおりです。

  • 謝金
  • 借損料
  • 雑役務費
  • 備品費
  • 機械装置等購入費
  • 委託費

通常のテレワークコース

通常のテレワークコース

ここからは、通常のテレワークコースについて解説していきます。支給対象となる取組にはどのようなものがあるのか、支給額や補助率はどれくらいなのかを理解し、助成金の活用を具体的にイメージしていきましょう。

対象となる事業主

テレワークコースの対象となる事業主は、以下の条件をすべて満たす事業主です。

  • 労働者災害補償保険の適用事業主
  • テレワークを新規で導入する事業主またはテレワークを継続して活用する事業主
  • 以下の表のAまたはBのいずれかに該当する事業主
業種 A. 資本または出資額 B.常時使用する労働者の人数
小売業(飲食店を含む) 5000万円以下 50人以下
サービス業 5000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下

なお、テレワークを試行的に導入している事業主も対象となります。また、過去にテレワークコースの助成金を受給した事業主は、対象労働者を2倍に増やしてテレワークにも取り組む場合、2回まで受給することができます。

支給対象となる主な取り組み

支給対象となる主な取り組みは、以下のとおりです。1つ以上を実施する必要があります。

  • テレワーク用通信機器の導入・運用
  • 就業規則・労使協定等の作成・変更
  • 労務管理担当者に対する研修
  • 労働者に対する研修、周知・啓発
  • 外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング

テレワーク用通信機器については、パソコンなどのシンクライアント端末の購入費用は対象となりますが、シンクライアント以外の端末の購入費用は対象となりません。

成果目標(支給要件)

テレワークコースの助成金が支給されるためには、以下の成果目標の達成を目指してテレワークを実施する必要があります。

  • 評価期間に1回以上、対象となる労働者全員に、在宅またはサテライトオフィスにおけるテレワークを実施させる
  • 評価期間において、対象労働者が在宅またはサテライトオフィスにおいてテレワークを実施した回数の週間平均を1回以上とする

「評価期間」は、申請者自身が事業実施計画を作成する際に、事業実施期間の中で1ヶ月から6ヶ月の間で設定します。事業実施期間は公募開始とともに公表されます。

支給額・補助率

テレワークコースは、成果目標の達成率によって上限額や補助率が以下の表のとおり異なります。

成果目標の達成状況 達成 未達成
補助率 4分の3 2分の1
1人当たりの上限額 40万円 20万円
1企業当たりの上限額 300万円 200万円

当たり前ではありますが、成果目標を達成した方が上限も補助率も高くなります。

働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)の申請~支給の流れ

テレワークコースの助成金について、申請から支給されるまでの流れを見ていきましょう。交付申請だけでなく、事業を実施した後に支給申請を行う必要があり、煩わしく感じられるかもしれません。不安がある方は社労士など助成金の専門家に相談し、申請をサポートしてもらいましょう。

申請マニュアル等を入手する

働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)の公募要領を理解するため、厚生労働省のホームページを確認しましょう。

「申請様式」は申請時に記入して提出する書類なので、必ずダウンロードします。また、掲載されている申請マニュアルも必要です。期限や必要な書類が分かるので、必ず確認しましょう。

交付の申請

まず期限までに必要な書類を提出し、交付の申請を行います。申請マニュアルを見ながら書類を揃え、テレワーク相談センターに提出します。

申請に必要な書類は以下のとおりです。

  • 交付申請書
  • 事業実施計画
  • 登記事項証明書等(3か月以内に取得したもの)等
  • 対象労働者同意書
  • 労働者災害補償保険の適用事業主であることを確認するための書類
  • 中小企業事業主であることを確認するための書類
  • 見積書
  • 直近二年度の労働保険料の納付・領収証書

交付申請書や事業実施計画などは、申請様式に含まれています。

申請マニュアルには各書類に含まれるべき項目のチェックリストがついているので、チェックリストを見ながら書類に不備が出ないように準備しましょう。

書類の書き方が分からない方や、どのような書類を用意したら良いのか分からない方は、社労士などの専門家に相談してアドバイスをもらいましょう。

審査・交付の通知

厚生労働省で交付申請書の審査が行われ、交付・不交付が決定します。結果は申請した事業主に通知されます。

以降の手順は交付が決定した場合を想定しています。

テレワーク取組の実施

交付の決定通知を受け取ったら、事業実施計画に沿って事業を実施していきます。成果目標の達成を目標に、テレワークに必要な機器の導入などの取り組みを行いましょう。

既に触れたとおり、成果目標の達成状況を評価する期間は、事業主が事業実施計画において指定した1ヶ月から6ヶ月の評価期間です。

なお、支給申請時にテレワークを行ったことを証明する書類の提出が必要になるので、事業実施期間中に記録を取っておきましょう。GPS機器を使用している場合は、業務時間における位置情報のログを提出します。朝礼や夕礼のメールで確認する場合は、対象の労働者から事業主(労務管理者)に宛てたテレワーク中の業務内容などについて書いたメールを保管しておき、支給申請時に提出しましょう。

支給申請書の提出

事業の実施が終了したら、支給申請を行います。以下の書類をテレワーク相談センターに提出しましょう。

  • 支給申請書
  • 事業実施結果報告書
  • 労使の話し合いが行われたことが分かる資料
  • 労働時間等に関する意見等を受け付ける担当者の選任についての周知が客観的に分かる資料
  • 労働者に対する事業実施計画の周知が客観的に分かる資料
  • 費用を支出したことが確認できる領収証などの書類
  • 事業を実施したことが客観的に分かる資料
  • テレワークを行ったと申請する日の業務時間に、就業していたことが証明できる資料
  • テレワークの実施状況、成果目標の達成状況が確認できる集計表
  • テレワークを行ったと申請する日の業務時間に、在宅していた、またはサテライトオフィスにいたことが証明できる資料

なお、国や地方公共団体からの他の補助金を受けている場合、その補助金の助成内容が分かる資料も添付します。

支給・不支給の決定・通知

厚生労働省で支給申請書の審査が行われ、支給・不支給が決定されます。結果は事業主に通知され、支給の場合は助成金を受け取ることができます。

以上の流れで、テレワークコースの働き方改革推進支援助成金を受給することができます。交付申請と支給申請の2回にわたって書類を提出する必要がありますし、揃える書類も膨大になります。不安がある方は社労士など助成金の専門家に相談し、申請をサポートしてもらいましょう。

まとめ

働き方改革推進支援助成金のテレワークコースについて解説してきました。働き方改革や新型コロナウイルス対策のためテレワークのニーズが高まっているので、助成金を活用して導入していってはいかがでしょうか。

ただしテレワークを行ったことを証明する書類などが必要になりますが、どのような書類を提出すれば良いのか分からない方も多いと思いますので、社労士など助成金の専門家に相談しましょう。補助金バンクには補助金・助成金に強い専門家が大勢登録しているので、補助金バンクを使って身近で頼れる専門家を探してみましょう。

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この記事を書いた人
安田 史朗
この記事を書いた人
安田 史朗
社会保険労務士法人イージーネット 副代表 社会保険労務士 中小企業診断士
事業者には区別しづらい「助成金」と「補助金」の両方に精通しており、多くの中小企業に助成金・補助金の提案~支援を行っている。補助金の審査員経験もあり、士業向け「補助金コンサルタント」養成講座の講師として後進の育成にも力を注ぐ。

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