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補助金の「つなぎ融資」はどこへ相談すべき?補助金申請~交付の流れ

補助金のつなぎ融資

補助金の「つなぎ融資」とは、補助金が採択されてからその補助金が実際に交付されるまでの間、一時的に受ける融資のことです。この記事では、補助金のつなぎ融資が必要となる理由や、補助金の申請から交付までの流れなどについて詳しく解説します。

補助金でつなぎ融資が必要となる理由

補助金でつなぎ融資が必要となる理由は、補助金が原則として後払いであるためです。

補助金を申請して採択がされると、すぐに補助金が振り込まれると誤解している方も少なくありません。多くの補助金では、採択がされたからといってすぐにお金が受け取れるわけではないのです。

採択後、申請をした事業をまず実施することが必要です。実施後、実施についての報告を行い、検査の結果問題がないとされて、ようやく補助金が交付されます。

そのため、事業の実施に必要となる資金は、補助金とは別の何らかの方法で一時的に調達しなければなりません。この補助金が交付されるまでの間、一時的に必要となる資金を調達するための融資のことを「つなぎ融資」といいます。

補助金の申請から交付までの流れ

補助金の申請をする際には、補助金の申請から交付までの全体の流れを理解しておく必要があります。補助金の交付までの一般的な流れは、次のとおりです。

  • 補助金を申請する
  • 補助金が採択される
  • 補助事業を実施する
  • 実施結果を報告する
  • 補助金が交付される

ただし、補助金によっては流れが異なる場合もあります。そのため、実際に申請を検討する際には、申請をする補助金の流れを公募要領などでよく確認しておきましょう。

補助金を申請する

はじめに、交付を希望する補助金の申請書や添付書類を作成して申請します。それぞれの補助金には要件が定められていますので、申請にあたっては要件を満たしているかどうかをよく確認してから申請するようにしましょう。

補助金の申請には手間がかかることが少なくありませんが、せっかく申請をしても要件を満たしていなければ、採択されることはないためです。

また、最近では電子での申請が主流であり、紙で申請ができる補助金は減りつつあります。申請にはデジタル庁が所轄する「GビズID」が必要となることが多いため、こちらも確認し、必要であればあらかじめ取得しておきましょう。

また、申請後に追加で書類の提出を求められる場合もありますので、その都度速やかに対応してください。

補助金が採択される

補助金の公募期間が終了したら、申請の中から採択される補助金が決定されます。補助金の中には、採択企業が補助金の公式ホームページで公表されるものもありますので、こちらも確認しておくと良いでしょう。

申請が無事に採択されたとしても、この時点ではまだ補助金を受け取ることはできません。

補助事業を実施する

補助金が採択されたら、まずは申請をした補助事業を実施します。補助事業とは、その補助金の交付を受けて実施する予定であるものとして、補助金の申請書に記載した事業のことです。

このタイミングではまだ補助金は交付されていませんので、事業の実施に必要となる資金は、いったん別の方法で調達しなければなりません。なお、採択前にフライングで補助事業を始めてしまった場合には補助金の対象外とされることが少なくないため、補助事業の開始時期には十分注意しましょう。

実施結果を報告する

補助事業を実施したら、その実施結果を補助金事務局などへ報告します。報告には領収書などの添付資料が求められることが多いため、報告に必要な書類を紛失などしてしまうことのないよう、きちんと管理しておきましょう。

補助金が交付される

補助事業の実施報告に問題がないと判断されれば、ようやく補助金が交付されます。補助事業の実施にあたってつなぎ融資を受けていた場合には、受け取った補助金を原資として期限までにきちんと返済しましょう。

補助金のつなぎ融資はどこへ相談すれば良い?

補助金のつなぎ融資を受けたい場合には、どこへ相談すれば良いのでしょうか?ここでは、主な選択肢となる5つを紹介します。

補助金申請に関わった金融機関

最も多いケースとしては、補助金の申請に関わってくれた金融機関へ相談することです。

補助金の申請要件は補助金によって異なりますが、大型の補助金の多くで「認定経営革新等支援機関」と一緒に事業計画を策定することや、認定経営革新等支援機関に事業計画の認証を受けることなどを求めています。

認定経営革新等支援機関とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関です。税理士や中小企業診断士、公認会計士なども多く登録していますが、金融機関もその大半が登録しています。

そのため、補助金の申請にあたって金融機関が関わっていることは珍しくありません。補助金の申請段階で金融機関が関わっているのであれば、その金融機関につなぎ融資についてまで相談をすることが、もっとも一般的でありスムーズでしょう。

補助金申請のサポートを受けた専門家

補助金の申請段階において金融機関が関わっていない場合や、その金融機関からはつなぎ融資が受けられない場合などには、補助金の申請サポートを受けた専門家へ相談しましょう。専門家が、金融機関を紹介してくれる場合もあります。

メインバンク

メインバンクがある場合には、メインバンクへつなぎ融資の相談をすることも選択肢の一つとなります。この場合には、補助金の申請をする前の早い段階から相談をしておくと良いでしょう。

補助金のつなぎ融資に積極的な金融機関

メインバンクでなくとも、その地域に補助金のつなぎ融資に積極的な金融機関があれば、そこへ相談してみることも一つです。たとえば、多摩信用金庫では「公的補助金つなぎ融資」という商品を設けており、積極的につなぎ融資に取り組んでいます。

自治体の窓口

自治体によっては、補助金のつなぎ融資に積極的に取り組んでいる場合があります。事業を営んでいる自治体に制度がある場合には、自治体の窓口へ相談されることも選択肢となるでしょう。

 

たとえば、愛知県では担保や代表者以外の連帯保証人を原則不要とした県独自のつなぎ融資制度を設けています。金利が優遇されている場合もあるため、つなぎ融資制度の有無について、事業を行っている自治体で確認しておくと良いでしょう。

補助金の申請サポートを専門家に依頼するメリット

補助金の申請を、自分で行うことも不可能ではありません。しかし、補助金の申請は、補助金のプロにサポートを依頼して行った方が良いでしょう。

補助金の申請サポートを専門家に依頼する主なメリットは、次のとおりです。

つなぎ融資の必要性など全体の流れを説明してもらえる

補助金にはそれぞれ、公募要領が存在します。この公募要領の中で、補助金の要件や申請の方法、交付までの流れが説明されていることが一般的です。

しかし、公募要領の多くは、決して読みやすいものではありません。また、ボリュームが多いことも少なくなく、自分ですべてを読んで理解することは容易ではないでしょう。

補助金の申請サポートを専門家へ依頼した場合には、専門家が公募要領の内容を理解して説明してくれるため、自分ですべてを読む必要はありません。全体の流れを解説してもらう中で、その補助金ではつなぎ融資の必要が生じそうかどうかについてもアドバイスをもらえることでしょう。

つなぎ融資を受ける金融機関を紹介してもらえることがある

補助金の申請サポートをする専門家は、資金調達全体の専門家でもあることが少なくありません。そのため、金融機関からの融資についてもアドバイスがもらえる場合が多いといえます。

必要に応じてつなぎ融資を受ける金融機関を紹介してもらえる場合もありますので、つなぎ融資を受ける金融機関に心当たりがない場合には、専門家へ紹介を依頼してみると良いでしょう。

事業計画についてアドバイスが受けられる

補助金の申請にあたっては、添付書類として事業計画が求められることが一般的です。この事業計画は、補助金の申請のためだけに策定すると考えると非常に面倒に感じられるはずです。

しかし、事業計画は本来、その事業を経営していく中での羅針盤となるべきものです。補助金の申請をきっかけに事業計画を作りこむことができれば、将来における事業の見通しが立てやすくなります。

自社のみで事業計画を作り上げることは容易ではありませんが、補助金の申請サポートを専門家へ依頼した場合には、事業計画についてもアドバイスを受けることが可能です。プロの視点でアドバイスを受けることでより実現性の高い事業計画を策定することができ、事業のさらなる成長へとつなげられます。

採択されない可能性を下げることができる

専門家へ補助金の申請サポートを依頼することで、補助金が採択されない可能性を下げることにつながります。その主な理由は次の2点です。

補助金の要件をよく確認して申請してくれるから

補助金には、それぞれに要件があります。この要件にはわかりやすいものがある一方で、一見しただけではわかりづらいものもあります。

そのため、自分で補助金を申請した場合には、採択か不採択かの問題以前に要件を満たせず門前払いとなってしまうケースが少なくありません。

実際に、新型コロナ禍で新たに誕生した「事業再構築補助金」の第3回公募では 、応募総数20,307件のうち申請要件を満たしたものは18,519件でした。つまり、両者の差である1,788件はせっかく申請をしたにもかかわらず、要件さえも満たせていなかったということです。

専門家に補助金の申請サポートを依頼すれば、要件を満たせず門前払いとなってしまうリスクを大きく減らすことが可能となります。

補助金の趣旨に沿った内容で申請書を作成してくれるから

それぞれの補助金には、その補助金に国などが予算をつける目的があります。ただやみくもにお金を配っているわけではありません。

このような前提があるため、補助金を申請するにあたっては、申請する補助金の趣旨目的に沿った内容で申請書類を作成した方が採択される可能性が高くなるといえるでしょう。

補助金の申請サポートを受けている専門家は、それぞれの補助金の目的を熟知しています。そのため、その補助金の目的に沿って申請書を作成してもらうことが可能です。

つなぎ融資以外に補助金の対象事業を実施する資金を調達する方法

補助事業を実施するための資金は、必ずしもつなぎ融資でまかなわなければならないわけではありません。

ただし、つなぎ融資は他の融資と比べて返済原資が明確であり返済の見込みが立てやすいことから、金融機関としても比較的融資がしやすい案件の一つです。そのため、つなぎ融資を受けてきちんと返済していくことは、将来に向けて金融機関との信頼関係を構築するきっかけとなりやすいといえます。

この点も踏まえ、つなぎ融資が受けられないなどの事情がないのであれば、つなぎ融資で資金調達をすることを検討すると良いでしょう。つなぎ融資以外で補助事業の必要な一時的な資金を調達する方法には、次のものが挙げられます。

自己資金を準備する

自己資金が潤沢であれば、つなぎ融資を受けることなく自己資金のみで補助事業を実施することも可能です。

親族などから借り入れる

自己資金が潤沢でなくとも、親族などから一時的にお金を借りることで補助事業を実施することも可能です。

ただし、万が一予定どおりに返済できなくなった場合には、親族関係に亀裂が生じる可能性があります。親族から借り入れをする場合にも、金融機関からの借り入れの場合と同様に、返済スケジュールを厳守して返済するようにしましょう。

たとえ相手が親族であっても、借り入れをする以上は事業計画などをきちんと開示することが望ましいといえます。

クラウドファンディングを活用する

クラウドファンディングとは、インターネット上で主に一般個人から小口の資金を集める資金調達方法です。原則として受けた資金の返済は必要ありませんが、何らかの返礼品を設定することが一般的です。

クラウドファンディングにはさまざまな種類がありますが、主に使われるものとしては次の2つが挙げられます。ただし、どちらに該当するのかを明確に区分できるものばかりではなく、両者にまたがったようなタイプのものも珍しくありません。

  • 寄付型:相手の活動応援を主な目的として資金を拠出するタイプのクラウドファンディング。返礼品は、お礼メールやお礼状、活動報告など、対価性のないものであることが一般的。
  • 購入型:予約購入に近いタイプのクラウドファンディング。返礼品は、相手が調達した資金で制作をした製品や開店した店舗での食事券などであることが一般的。

なお、クラウドファンディングは一般的に、営利事業との相性は良くないとされています。よほど社会的な意義のある活動であったり、新規性の高い商品であったりしない限り、希望しただけの資金を集めてプロジェクトを成立させることは容易ではないでしょう。

そのため、クラウドファンディングの成立を前提として資金調達方法を検討することはおすすめできません。クラウドファンディングを活用するとしても、あくまでも補助的な位置づけとして捉えておいた方が良いでしょう。

まとめ

補助金は、後払いであることが大半です。そのため、たとえ採択がされても、事業を実施するためには一時的に何らかの方法で資金を調達しなければなりません。

つなぎ融資は、その資金調達方法の大きな選択肢の一つとなります。補助金を申請する際には、つなぎ資金の調達方法までよく検討したうえで申請するようにしましょう。

補助金の申請には、今回焦点を当てたつなぎ融資以外にも、注意すべき点が少なくありません。そのため、補助金の申請にあたっては、補助金の専門家へ申請サポートを依頼することをおすすめします。

当社補助金バンクには、補助金に詳しい中小企業診断士や行政書士などの専門家が数多く登録しています。補助金の申請サポートを依頼する専門家選びにまよったら、ぜひ補助金バンクまでお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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