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【2021】事業再構築補助金の事業計画書の書き方は?押さえておきたいポイント

事業再構築補助金の事業計画書

事業再構築補助金セミナー

2021年度より事業再構築補助金の公募が始まりました。最大8,000万円(一般型)までもらえる大型の補助金で、第一次募集の締め切り日には、アクセス集中により申請システムがダウンしてしまうほど人気が高まっています。

今回は、事業再構築補助金の申請書類の中心となる事業計画書作成のポイントについて紹介します。

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金は、コロナ禍により売上が減少した事業者が、事業を再構築し新製品開発や新規事業等に取り組む場合に補助されます。以下、対象者や金額等をみていきましょう。

対象者

以下の通り、コロナ禍で売上が減った中小企業、中堅企業が対象です。

  • 2020年10月以降の連続する6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前の同3カ月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
  • 自社の強みや経営資源(ヒト/モノ等)を活かしつつ、経産省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定支援機関等※と策定した中小企業等。

※認定経営革新等支援機関とは、中小企業を支援できる機関として、経済産業大臣が認定した機関で、全国で3万以上の金融機関、支援団体、税理士、中小企業診断士等が認定を受けています。当社補助金バンクにも多数の認定経営革新等支援機関が登録されています。

補助額

<通常枠>

補助率 補助額
中小企業 2/3 100万円以上6,000万円以下
中堅企業※ 1/2(4,000万円超は1/3) 100万円以上8,000万円以下

※中堅企業の定義は、中小企業に該当せずかつ資本金10億円未満の企業です。資本金等の定めのない場合は、従業員2000名以下が要件となります。

さらに令和3年の緊急事態宣言に伴う時短営業等で影響を受けたことにより、2021年1~5月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少した場合は、以下の緊急事態宣言特別枠に申請できます。

<緊急事態宣言特別枠>

従業員数 補助率 補助額
従業員数5人以下 中小企業:3/4

中堅企業:2/3

100万円~500万円
従業員数6~20人 100万円~1,000万円

事業再構築補助金の概要をもっと詳しく知りたい方はこちら:

事業再構築補助金事業計画書の作成方法&ポイント

続いて、事業再構築補助金申請書類の中心となる事業計画書の作成について解説します。

事業計画書は、A4サイズ15枚以内(補助金額1500万円以下の場合は 10枚以内)と決められているだけで、特に様式は定められていません。公募要領には記載事項が列挙されているだけなので、どういったことを書いたら良いか戸惑われるかもしれません。

以下、記入すべき事柄を解説していきます。

全体は4部構成

まず、事業計画書は大きく4つに分かれます。

  1. 補助事業の具体的な取組
  2. 将来の展望
  3. 本事業で取得する主な資産
  4. 収益計画

これらの内容を15枚以内(補助金額1500万円以下の場合は10枚以内)にまとめる必要があります。補助事業の具体的な取組と将来の展望を合わせて13枚程度、本事業で取得する主な資産、収益計画が各1枚ずつ程度の配分でしょう。

15枚というと多く思われるかもしれませんが、写真や図表も盛り込み事業再構築の投資内容を詳細に記述していくと、あっという間に規定枚数を超えてしまいます。特定の項目に記述が偏りすぎないようバランス良く書いていく必要があります。

以下、記載項目について審査項目とも関連づけながら見ていきましょう。

補助事業の具体的な取組

自社の概要や補助事業で実施する事業内容について記載します。

自社の概要

自社の事業内容、商品、サービス、沿革等を記入します。特に、事業再構築の必要性も重要な審査項目の一つです。売上減少などコロナ禍の影響をしっかり記載しましょう。

なお、すべてにわたっていえることですが、写真や図を使用し、できるだけわかりやすく記述することを心がけましょう。

審査項目(再構築点)

既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。

自社の強み

自社の強み、弱み、機会、脅威を書きます。いわゆるSWOT分析です。

審査項目に「市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせること」とありますので、自社の強みと機会を生かし、弱みを補助事業で解決するというストーリーを意識しましょう。

例えば、弱みは再構築に必要な設備を有しないことなど、補助事業で解決できる内容とすればストーリーの流れが作りやすくなるでしょう。

審査項目(再構築点)

市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか。

自社の抱える課題

コロナ禍の影響だけでなく、コロナ前から抱えていた課題も含めて自社の課題を分析しましょう。補助事業で課題を解決するという視点が大切です。

事業再構築指針

事業再構築補助金の申請にあたって、事業再構築指針に定められている以下の4つの指針のいずれかに該当する必要があります。どのように該当するかを申請書でしっかり説明しましょう。

例えば、工程の中に一つでも新しい機械が加われば新しい製造方法と主張される方もいますが、それを審査員にきちんと納得させられるような説明が必要になります。なお、審査項目では「リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか」とあります。既存事業とどのように違うのか、差異をしっかり記載するようにしましょう。

分類 新規性要件 事業・業種変更 売上要件
業態転換 製品等の新規性 製造方法等の新規性 新製品の売上が全体の10%以上となること
商品等の新規性または設備等撤去等要件
新分野展開 製品等の新規性 市場等の新規性 新製品の売上が全体の10%以上となること
事業転換 製品等の新規性 市場等の新規性 事業の変更 新事業の売上が、売上高構成比の中で最も高くなること
業種転換 製品等の新規性 市場等の新規性 業種の変更 新業種の売上が、売上高構成比の中で最も高くなること変更
事業再編 合併など会社法上の組織再編を伴う。

審査項目(再構築点)

事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。

補助事業の具体的な内容

続いて、補助事業の具体的な取組内容を記載します。スケジュールや役割分担など実施体制も併せて記載します。ここで重要なポイントは以下の点です。

  • 自社の強みを活かし、既存事業とのシナジー効果が見込まれるか
  • 競合と比較した優位性
  • 実現可能性

特に、実現可能性は重要なポイントです。事業再構築補助事業で取り組むのは新規事業が中心になりますが、これまでの類似の経験など、十分に実現できるだけの根拠をしっかり記載するようにしましょう。

また購、入予定の機械写真や改装予定の図面などを申請書上に盛り込み、できるだけ具体的なイメージが審査員に伝わるようにしましょう。

審査項目(事業化点)

補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。補助事業の課題が明確になっており、その課題の解決方法が明確かつ妥当か。

審査項目(事業化点)

補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性等)が高いか。その際、現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、効果的な取組となっているか。

審査項目(再構築点)先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。

審査項目(政策点)

新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。

審査項目(政策点)

地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより雇用の創出や地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか。

資金調達

事業再構築補助金は金額が大きいだけに、資金調達が重要になります。自己資金で賄うのか、銀行融資を受けるのか記載します。

また、添付書類で2期分の決算書を提出しますが、赤字や債務超過となっている場合は注意が必要です。直近決算で赤字となっているときは、コロナ禍の影響ということで説明しやすいですが、2期前から赤字の場合は、審査員に「コロナに関わらず経営不振なのでは?」と受け止められないよう、赤字となった原因を説明しましょう。

同様に、直近決算で債務超過となっている場合は、資金調達に問題はなく補助事業の遂行に支障がないことを丁寧に説明しましょう。

補助金額が3,000万円を超える場合は、金融機関との連携も必要になります。早めにメインバンクに相談して資金確保に努め、融資の内諾を得られている場合はその旨申請書に記載しましょう。

審査項目(事業化点)

本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。

将来の展望

将来の展望では市場の状況や実際に販売する商品の詳細、顧客や売上見込みなどについて記載します。

マーケットの状況

ここでは市場規模の推移など市場の状況を記載します。対象業種が製造業であれば、公募要項にも記載されている統計分析ツール「グラレスタ」を活用しましょう。また商圏分析であれば、政府統計ツールであるjSTAT MAPが活用できます。こういったツールも活用しながら、対象とするマーケットの規模が十分に大きくかつ拡大していることなどをグラフや数値によって示しましょう。

審査項目(事業化点)

事業化に向けて、競合他社の動向を把握すること等を通じて市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。

市場ニーズの有無を検証できているか。

提供商品・サービス

補助事業で提供する商品やサービス内容を記載します。対象とする顧客層やニーズも記載し、顧客のニーズに合致した商品・サービスであることを記載しましょう。

競合に対する優位性

商品・サービスの競合に対する優位性を記載します。価格面だけでなく機能性など複数の観点から記載するようにすればより分かりやすくなります。

売上予測

補助事業の売上予測を立てます。事業再構築補助金では補助事業終了後3~5年計画で付加価値を年率平均3%(【グローバル V 字回復枠】については 5.0%)増やす必要があります。付加価値とは、営業利益、人件費、減価償却費の合計額です。3%伸長を満たさなければ、そもそも補助事業の要件を満たさなくなってしまうため、積極的な売上計画とした方がベターです。

補助対象事業としての適格性

補助事業終了後3~5年計画で「付加価値額」年率平均3.0%(【グローバル V 字回復枠】については 5.0%)以上の増加等を達成する取組みであるか。

将来のリスク・解決方法

補助事業を遂行する上で起こりうるリスクも記載しましょう。

ネガティブなことは記載しない方が良いと思われるかもしれませんが、リスクはあってしかるべきです。むしろない方がおかしいので、解決方法と一緒に想定されるリスクを記載しましょう。

審査項目 政策点について

審査項目の政策点として、以下の事項があります。該当すればこちらも記載するようにしましょう。

  • 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用など
  • ニッチ分野で独自性の高い商品
  • 複数の事業者が連携して取り組み高い生産性を実現する場合

審査項目(政策点)

  • 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。
  • ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
  • 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。また、異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。

本事業で取得する主な資産

ここでは、取得予定の設備等の名称や型番と金額を記載します。見積書の添付は申請時には不要ですが、正確な投資金額がわからなければ事業計画そのものの信ぴょう性が疑われます。早めに複数の業者から相見積もりを取り、投資金額を正確に算出しましょう。

収益計画

補助事業だけでなく会社全体での3~5年の収益計画を作成します。補助事業終了後3~5年計画で付加価値を年率平均3%増やすことと、業態転換、新分野展開では新規事業が売り上げの10%、事業転換、業種転換では新規事業が売り上げの中で最大の割合を占める必要があります。

これらの要件を満たすため、積極的な売上計画を作成しましょう。なお、付加価値の伸長率を比較する基準年は、補助事業実施前の現時点ではなく、補助事業終了後の属する年度になります。そのため、補助事業を実施してある程度効果が出たところから、さらに年率平均3%伸ばしていく必要があります。

まとめ

事業再構築補助金の事業計画書記載のポイントを紹介しました。ただ、審査項目も多く少しハードルが高いと感じられたかもしれません。そんな場合は専門家の力も借りましょう。

事業再構築補助金は、経営革新等支援機関と一緒に事業計画を作成することになっています。経営革新等支援機関とは、中小企業を支援できる機関として経済産業大臣が認定した機関で、全国で3万以上の金融機関、支援団体、税理士、中小企業診断士等が認定を受けています。

当社補助金バンクにも多数の認定経営革新等支援機関が登録されていますので、ぜひ活用してください。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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