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【2021】東京都の「テレワーク促進助成金」とは?助成対象経費に注目!

テレワーク促進助成金

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、日本では2020年春に最初の緊急事態宣言が出されました。そのため、急遽テレワークの導入に踏み切った企業も多かったようです。

コロナ禍においてテレワークを導入したいと考える事業主の方もいらっしゃるかと思いますが、テレワーク環境の整備にはコストが掛かります。これに対応して、国や行政機関等でも、企業がテレワークを導入するにあたって必要となる経費に対する助成金をいくつか出しています。

今回は、そのテレワーク関連の助成金の中の「テレワーク促進助成金」について紹介します。

テレワーク促進助成金とは

テレワークに関する助成金はいくつかありますが、テレワーク促進助成金は東京都が実施する都内の中堅・中小企業向けの施策です。似た名前の助成金もありますので、申請書を作成する際には間違いがないか確認しましょう。

テレワークの導入にあたって、パソコンやタブレット、スマートフォンやその周辺機器が必要となることがあります。多くの助成金では、汎用性が高いものとしてこれらは助成の対象外とされています。しかし、このテレワーク促進助成金では、税込単価1,000円以上10万円未満に限るとはいえ、助成対象経費の科目に含まれています。これは、テレワーク促進助成金を活用する大きなメリットの一つといえるでしょう。

概要

テレワーク促進助成金は、東京都内の中堅・中小企業等が取り組むテレワークの活用推進に向け、テレワークによる職場環境整備の推進のために実施する在宅勤務、モバイル勤務等を可能とする情報通信機器等の導入によるテレワーク環境整備に対して助成金が支給されます。

助成対象経費は、テレワーク促進事業を実施するために必要な経費のうち、助成科目に該当するものについて、テレワーク勤務実績に応じて助成されます。

常時雇用する労働者数が、2人以上30人未満の事業者であれば、上限150万円までで、テレワーク機器・ソフト等の環境整備に係る経費の3分の2が助成されます。常時雇用する労働者数が、300人以上999人以下の事業者であれば、上限250万円までで、経費の2分の1が助成されます。

期間はいつからいつまで?

テレワーク促進助成金の申請受付期間は、令和3年5月10日(月)から令和3年12月24日(金)までとされています。ただし、予算の範囲を超えた場合は、申請受付期間内でも受付を終了することがあるため注意が必要です。

また、申請は「郵送」または「電子申請」が可能ですが、電子申請はJグランツにある所定の申請フォームから提出することになります。この電子申請を行うには、あらかじめ法人共通認証基盤「Gビズ ID」アカウント(gBizID プライム)の取得しておく必要があり、取得には経済産業省のGビズ ID 運用センターによる審査があり、ID 発行まで時間がかかります。まだ取得していない事業者の方は、余裕を持って準備しましょう。

gBizIDプライムアカウントの取得方法等の詳細はこちらを参照してください。

申請受付を行ったあと、東京しごと財団による審査が行われ、問題がなければ支給決定通知が届きます。実際のテレワークの取り組みは、この支給決定日から3ヶ月以内に完了しなければなりません。いざテレワークを始めてみると、うまくいかないことも出てくることがありますので、少しタイトなスケジュールかもしれません。

テレワーク促進助成金の助成対象経費

助成対象経費は、在宅勤務やモバイル勤務等を可能とする情報通信機器等の導入によるテレワーク環境構築費用及びシステム導入時運用サポート費用とされています。したがって、モバイル端末等機器整備費用やシステム機器等の設置・設定費用、システム機器等の保守委託等の業務委託料、機器リース・レンタル料、テレワーク業務関連ソフト利用料がその対象となります。

なお、注意点としては、助成対象事業者が支給決定日より前に取り組み(申込、発注や契約)したもの及び支出したものは含みません。そして、助成事業の実施期間は、支給決定日から3ヶ月以内とされていますので、期間による料金設定がある場合は、最長3ヶ月分の申請が可能となります。

テレワーク促進助成金の要件

先ほど、テレワーク関連の助成金は複数あると説明しました。このテレワーク促進助成金でなくても、東京しごと財団が実施する類似の補助金や助成金の受給をした企業は、この助成金の申請をすることができません。

そして、都内で事業を営んでいること、事業の規模や労働者が雇用保険に加入しているなど、申請にあったって満たすべき要件があります。自社が要件を満たしているか、あらかじめ確認しておきましょう。

助成金の対象企業

助成対象となる事業者には以下の①~⑨の要件があります。

  • ①常時雇用する労働者が2人以上999人以下で、都内に本社又は事業所を置く中堅・中小企業等
  • ②都内に勤務する常時雇用する労働者を2名以上雇用していること。都内に勤務する常時雇用する労働者のうち1名は、申請日時点で6ヶ月以上継続して雇用しており、かつ雇用保険被保険者であること
  • ③都税の未納付がないこと。
  • ④過去5年間に重大な法令違反等がないこと。
  • ⑤労働関係法令について違反がないこと、およびセクシュアルハラスメント等を防止するための措置をとっていること。
  • ⑥風俗営業、性風俗関連特殊営業、接客業務受託営業及びこれに類する事業を行っていないこと。
  • ⑦暴力団員等及び法人その他の団体の代表者、役員又は使用人その他の従業員若しくは構成員が暴力団員等に該当する者でないこと。
  • ⑧就業規則を作成して労働基準監督署に届出を行っていること(常時雇用する労働者が10人以上の企業等)。
  • ⑨都が実施する「2020TDM 推進プロジェクト」に参加していること。

この他、実績報告時に「テレワーク東京ルール実践企業宣言」制度への登録に関する資料の提出が必要ですので、制度への登録が求められます。

次に、東京しごと財団が実施する下記①~⑤の補助金や助成金を受給するまたは受給(助成額の確定通知を受領)した企業等は、申請中の企業等も含め、本助成金の申請はできません。

  • ①令和元年度~令和2年度実施の「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」
  • ②令和2年度実施の「テレワーク定着促進助成金」
  • ③平成30年度~令和元年度実施の「テレワーク活用・働く女性応援助成金(テレワーク活用推進コース/テレワーク機器導入事業)」
  • ④平成28年度~平成29年度実施の「女性の活躍推進等職場環境整備助成金/多様な勤務形態の実現事業(1)在宅勤務、モバイル勤務、
  • リモートワーク等を可能とする情報通信機器等の導入による多様な勤務形態の実現のための環境整備」
  • ⑤令和元年度~令和2年度実施の「はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)」(「実績報告」が完了した後に、拡充にかかる部分のみ本助成金の申請が可能です。)

主な助成条件

テレワーク促進助成金は、都内で事業を営んでいる中堅・中小企業等が、テレワークの活用促進に向けて、在宅勤務、モバイル勤務等テレワークの実施を可能とする情報通信機器等の導入によるテレワーク環境の整備を行う場合に、その整備に係る費用の一部を助成するものです。

そして、助成事業の実施期間(支給決定日から3ヶ月以内)にテレワーク環境が整備され、テレワーク実施対象者全員がテレワーク勤務を6回以上実施した実績が必要です。そのため、実施計画策定にあたっては、事業全体の取り組み目標を明確にしつつ、上記の実績が実現できるように策定してください。

その他、実績報告時までに「テレワークに関する規程」の作成も必要となります。就業規則の届出義務がある(常時雇用する労働者が10人以上の企業等)場合は、就業規則に定め、労働基準監督署の届出印のあるものを提出しなければなりません。

助成科目

テレワーク促進助成金の助成対象経費は、次の5つの科目に分かれています。

  • 購入費
  • 委託費
  • 賃借料
  • 使用料
  • 消耗品費

購入費

財務会計ソフトやCADソフト等、税込単価10万円以上の業務ソフトウェアが対象となります。

委託費

システム機器や物品等の設置・設定費、システム機器等の保守委託等の業務委託料、システム導入時運用サポート費等が対象です。

賃借料

パソコンリース・レンタル料等、機器リース料、レンタル料等が助成の対象となります。

使用料

ソフトウェア利用料等などが含まれています。

消耗品費

パソコンやタブレット、スマートフォン、周辺機器・アクセサリ等の物品購入にかかる費用(税込単価1,000円以上10万円未満に限る)が対象です。パソコンやタブレットが助成金の対象となることは少ないので、おすすめできる助成金です。

なお、税込単価10万円以上のものや中古品は対象外とされているので、ハイスペックパソコンを導入するのは難しいでしょう。

助成の対象とならない経費

この他に助成の対象とならないものの代表には、携帯電話通話料金やWi-Fi 月額料金、インターネット回線・プロバイダー料金等の通信費があります。

また、消費税や振込手数料、収入印紙代、事務手数料、旅費、光熱水費、物品購入に係る送料なども対象ではありません。自己負担が必要です。

テレワーク促進助成金の助成内容

テレワーク促進助成金の対象企業は、常時雇用する労働者が2人以上999人以下という要件があります。助成内容は、常時雇用する労働者数によって2つに分けられており、助成率は小規模事業者の方高くされています。

  • 事業者の規模(常時雇用する労働者数)30人以上999人以下:助成金の上限250万円、助成率2分の1
  • 事業者の規模(常時雇用する労働者数)2人以上30人未満:助成金の上限250万円、助成率2分の1

小規模事業者であれば、テレワーク環境整備のために助成対象科目に該当するコストに60万円(税込66万円)掛かった場合、40万円が助成される計算です。消費税は対象外ですので、自己負担額は合計26万円(=66万円-40万円)となります。

また、助成事業の実施期間(支給決定日から3ヶ月以内)に、テレワーク実施対象者全員にテレワーク勤務を6回以上実施させた実績が必要です。テレワーク勤務実績が6回に満たないテレワーク実施対象者に係る経費は、助成額の確定時に減額対象となるため注意してください。

テレワーク促進助成金の支給申請の流れ

助成金の支給申請は、次の①~⑥の流れになります。

  • ①支給申請書類作成
  • ②事業計画書兼支給申請書及び他に定める書類提出
    • この書類を元に審査が行われ、問題がなければ支給決定通知が届きます。
  • ③助成事業の実施・支給決定日から3ヶ月以内に完了:ここでは、次の(a)(b)の取り組みを実行します。
    • (a)助成事業の実施計画(テレワーク導入計画)に係る機器の購入や設定等が全て完了し、テレワーク環境が整備できた状態であること
    • (b)テレワーク実施対象者全員にテレワーク勤務を6回以上実施させた実績がある
  • ④実績報告書類作成
  • ⑤実績報告書及び他に定める書類提出
    • 実績報告の提出は支給決定日から4ヶ月以内です。この書類を元に審査が行われ、問題がなければ助成額の確定通知が届きます。
  • ⑥助成金請求書兼口座振替依頼書提出:助成金が振り込まれます。

まとめ

テレワークの導入や促進に関する補助金や助成金はいくつかありますが、テレワーク促進助成金はパソコンやタブレットまでも助成金の対象となる数少ない助成金です。社員を在宅勤務させ仕事専用のパソコンを利用してもらう場合などには、重宝するでしょう。

ただし、助成事業の実施計画(テレワーク導入計画)を策定し、支給決定日から3ヶ月以内にテレワーク実施対象者全員にテレワーク勤務を6回以上実施させた実績が求められる上、テレワークに関する規程も作らなければなりません。比較的タイトなスケジュールで、いざテレワークを導入してみるとうまくいかないことが出てくるケースも多いため、専門家の助けを借りるのも一案です。

補助金バンクには、就業規則やテレワークに関する規程の整備等に経験豊富な専門家が多数登録しています。テレワーク促進助成金の活用をお考えの事業者の方々のお役に立てることと思いますので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人
安田 史朗
この記事を書いた人
安田 史朗
社会保険労務士法人イージーネット 副代表 社会保険労務士 中小企業診断士
事業者には区別しづらい「助成金」と「補助金」の両方に精通しており、多くの中小企業に助成金・補助金の提案~支援を行っている。補助金の審査員経験もあり、士業向け「補助金コンサルタント」養成講座の講師として後進の育成にも力を注ぐ。

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