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【2021】製造業が活用できる補助金は?おすすめの3つの補助金

製造業向けの補助金

生産性向上や新製品の製造等など製造業に設備投資は欠かせません。今回は、設備投資等に使える製造業におすすめの補助金を紹介します。

補助金は返済不要の資金調達です。獲得は決してたやすくありませんが、難関をくぐり抜けて獲得できればメリットも大きいです。ぜひ自社の事業にあった補助金を見つけてください。

製造業が活用したい補助金の種類

製造業が活用しやすい補助金には次の3つがあります。それぞれについて詳しく解説していきます。

補助金 目的 補助対象費目 補助金上限額
ものづくり補助金

(一般型)

生産性改善のための設備投資、ソフトウェア開発 機械購入費用、システム構築費用など 100万円~1,000万円
事業再構築補助金

(通常枠)

ウィズコロナ・ポストコロナのための事業再構築 建物費用、機械購入費用、システム構築費用など 100万円~1億円
IT導入補助金 ITツール導入による生産性改善 システム購入費用など 30万円から450万円

製造業におすすめ①:ものづくり補助金

製造業向けの代表的な補助金にものづくり補助金があります。ものづくり補助金は、その名のとおり革新的なものづくりや画期的な新製品開発等を支援してくれる補助金です。

対象者

中小企業、小規模事業者、特定非営利活動法人が対象です。社会福祉法人や医療法人等は対象になりませんが、個人開業医であれば対象になります。また、個人事業主も対象になります。

対象となる取り組み

事業類型および応募枠

対象となる取り組みは、中小企業が行う革新的な製品・サービス開発または生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資です。したがって、単なる既存事業の設備更新等では対象になりません。

さらに、事業類型として一般型とグローバル型があります。一般型では、通常枠と低感染リスク型ビジネス枠(新特別枠)が設けられています。コロナ対策の低感染リスク型ビジネス枠は、対人接触を減らす取り組み等が対象になり、補助率が高くなります。

グローバル型は文字通り海外事業拡大のための取り組みが対象となります。

事業類型 応募枠 対象となる取り組み

一般型

 

通常枠 中小企業者等が行う革新的な製品・サービス開発または生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等
低感染リスク型ビジネス枠 ・物理的な対人接触を減じることに資する革新的な製品・サービスの開発

・ウィズコロナ、ポストコロナに対応したビジネスモデルへの抜本的な転換に係る設備・システム投資

グローバル型 海外事業の拡大・強化等を目的とした革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等

申請例

ものづくり補助金に採択された製造業の事例です。

業種 申請内容 交付補助金額
金属加工業 金型の内製化のためにマシニングセンタを導入し、部品の短納期、低コストでの開発力を強化する 1,000万円
パン製造業 給食用アレルギー対応パン製造のために、きめ細かな温度管理ができる最新鋭のパン釜を導入 1,000万円
機械設備の開発・設計 自社開発した植物素材の新素材セルロースナノファイバーの量産用濃縮装置の開発 1,000万円

参照元:経済産業省ミラサポプラスサイト

補助金額

補助金額は以下の通りです。必要経費の全額が補填されるのではなく、企業規模や応募枠に応じて1/2から2/3が補助されます。

事業類型 応募枠 補助上限額 補助率

一般型

通常枠 100万円~1,000万円 中小企業者:1/2

小規模事業者:2/3

低感染リスク型ビジネス枠 2/3
グローバル型 1,000万円~3,000万円 中小企業者:1/2

小規模事業者:2/3

※単価50万円以上の設備投資が必要。

要件

ものづくり補助金の大きな特徴は、下記の給与総額と付加価値額を増加させることが要件になっていることです。付加価値額は、営業利益+人件費+減価償却費の合計額で算出します。

3~5年の事業計画期間において

  • 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
  • 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
  • 事業者全体の付加価値額※を年率平均3%以上増加

給与総額の増加目標または事業内最低賃金目標が未達の場合、補助金の返還を求められる場合があるので注意しましょう。

スケジュール

現在実施されている令和元年度補正予ものづくり補助金は、2020年3月の第1次公募から3箇年予定で実施されることが決まっています。2~4ヶ月ごとに公募があり直近の締切は、2021年8月17日(火)でした。

次回の公募締め切りはまだ公表されていませんが、2021年11月頃になる見込みです。ものづくり補助金ポータルサイトにて、最新の情報を見逃さないようにしましょう。

公募回 締切
第7次公募 2021年8月17日
第8次公募 2021年11月頃
第9次公募 2022年2月頃

第10次公募以降はまだ発表されていませんが、当初予定では2022年度も実施されることになっています。

その他詳細については、ものづくり補助金総合サイトを参照してください。

製造業におすすめ②:事業再構築補助金

続いて紹介するのは、2021年度から始まった事業再構築補助金です。

コロナ禍で売り上げが減少した中小企業等を対象に、ウィズコロナ・ポストコロナを生き残る事業再構築のための費用を、最高1億円まで補填するというものです。コロナ禍の影響を強く受けている飲食や宿泊業だけでなく製造業も応募できます。

ものづくり補助金では主に設備費用等が対象になりますが、事業再構築補助金では、設備だけでなく工場の改装費用など建物費用も対象になります。

対象者

対象となるのは、コロナ禍で売り上げが減少した中小企業等で、具体的には次の要件を満たす必要があります。

  • 2020年4月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ以前の同3ヶ月の合計売上高と比較して、10%以上減少していること
  • 2020年10月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ以前の同3ヶ月の合計売上高と比較して5%以上減少していること

なお、売上高に代えて付加価値額を用いることも可能です。付加価値額を用いる場合は、下記が要件になります。

  • 2020年4月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3ヶ月の合計付加価値額と比較して15%以上減少していること
  • 2020年10月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3ヶ月の合計付加価値額と比較して7.5%以上減少している

対象となる取り組み、申請例

事業再構築指針

対象となるのは以下の事業再構築指針に沿って、事業の再構築を行う取り組みです。

分類 新規性要件 事業・業種変更 3~5年後の売上要件
業態転換 製品等の新規性 製造方法等の新規性 新製品の売上が全体の10%以上となること
商品等の新規性または設備等撤去等要件(商品またはサービスの提供方法を変更する場合)
新分野展開 製品等の新規性 市場等の新規性 新製品の売上が全体の10%以上となること
事業転換 製品等の新規性 市場等の新規性 事業の変更 新規事業の売上が、売上高構成比の中で最も高くなること
業種転換 製品等の新規性 市場等の新規性 業種の変更 新業種の売上が、売上高構成比の中で最も高くなること変更
事業再編 合併など会社法上の組織再編を伴う。

製品等の新規性が必要となっており、何らかの新製品を新しい市場等に打って出る必要があります。したがって、単なる既存事業の延長線上の取り組みでは、対象になりません。

事業再構築指針の詳細については、事業再構築指針の手引きを参照してください。

申請例

事業再構築補助金第1回公募で採択された製造業の事例です。

業種 申請内容 分類
包装資材の製造 新規に設備を導入し、新たな製造方法による生産ラインを立ち上げ、新製品である環境配慮型フィルムを製造する。 業態転換
自動車金型・樹脂製品製造加工 視力測定用検査レンズ金型と製品を製造する。3次元曲面の鏡面金型加工技術を開発し顧客要望に沿った製品を開発する 新分野展開
撚糸製造 代表者個人が米生産販売で培った強み及び地域の強みを活かし、新たに米加工品製造販売へと事業転換を図る。 事業展開

出典:事業再構築補助金第1回採択結果 事業計画概要

補助金額

補助金額は次の通りで、従業員数によって補助上限額が異なります。また、補助率は中小企業か中堅企業かによって変わります。中堅企業とは、中小企業ではないけれど、資本金10億円未満の企業が該当します(資本金等の定めのない場合は、従業員2,000名以下)。

企業の種類 応募枠 従業員数 上限額 補助率
中小企業または中堅企業 通常枠 20人以下 100万円~4,000万円 中小企業者等:2/3(6,000万円超は1/2)

中堅企業等:1/2(4,000万円超は1/3)

21~50人 100万円~6,000万円
51人以上 100万円~8,000万円
緊急事態宣言特別枠・最低賃金枠 20人以下 100万円~500万円 中小企業者等:3/4

中堅企業等:2/3

21~50人 100万円~1,000万円
51人以上 100万円~1,500万円
大規模賃金引上げ枠 101人以上 8,000万円超~1億円 中小企業者等:2/3(6,000万円超は1/2)

中堅企業等:1/2(4,000万円超は1/3)

中小企業 卒業枠 6,000万円超~1億円 2/3
中堅企業 グローバルV字回復枠 8,000万円超~1億円 1/2日

また、通常枠の他に緊急事態宣言特別枠などがあります。緊急事態宣言特別枠は、コロナ禍で売り上げが30%以上減少した事業者等が対象で、通常枠より補助率が高くなることに加えて、採択審査で優遇されます。また最低賃金枠では、緊急事態宣言特別枠の要件に加えて、コロナ禍の中でも、3ヶ月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いることが要件になります。最低賃金枠は、緊急事態宣言特別枠よりもさらに採択審査で加点がされ優遇されます。

その他の応募枠など詳細については、事業再構築補助金サイトを参照してください。

スケジュール

2021年3月より公募が開始しました。2021年8月時点では第3回目の公募中で、2021年9月21日(火)が締め切りです。10月以降の公募予定はまだ公表されていませんが、当初予定ではあと2回公募が実施されます。最新の情報を事業再構築補助金事務局サイトにて必ずご確認の上応募してください。

製造業におすすめ③:IT導入補助金

最後に紹介するのはIT導入補助金です。IT導入補助金は、その名の通りITツールの導入費用が対象で、ITベンダーと二人三脚で手続きします。

ものづくり補助金や事業再構築補助金では独自システムの構築費用も対象になりますが、IT導入補助金は既製品のパッケージソフト導入費用が対象です。

対象者

中小企業、小規模事業者だけでなく、個人事業主や社会福祉法人、医療法人、学校法人なども申請できます。

対象となる取り組み

業務プロセスの生産性をITツールで改善する取り組みが対象です。導入するITツールはITベンダーなどのIT導入支援事業者が事前に登録したツールの中から選びます。5千社近いIT導入支援事業者が登録されており、原価管理やCADシステム、勤怠管理、RPAを活用した自動化システムなどさまざまなツールが登録されています。きっと自社課題にマッチしたツールが見つかることでしょう。

補助金額

補助金額が以下の4類型があります。

上限・下限額 補助率 プロセス数 賃上げ目標 対象経費
A類型 30万円~150万円以下 1/2 1以上 加点項目 ソフトウェアの購入費用および導入するソフトウェアのオプション、役務の費用
B類型 150万円~450万円以下 1/2 4以上 必須要件
C-1類型 30万円~300万円以下 2/3 2以上 加点項目 上記に加えてハードウェアレンタル費用
C-2類型 300万円~450万円以下 必須要件

類型によって補助上限額や補助率が変わりますが、これはプロセス数や賃上げ目標を必須とするかどうかで決まります。プロセス数とは、以下の業務プロセスのうちいくつの機能を持つソフトウェアでるかをみます。

業務プロセス

  • ①顧客対応・販売支援
  • ②決済・債権債務・資金回収管理
  • ③調達・供給・在庫・物流
  • ④会計・財務・経営
  • ⑤ 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム
  • ⑥業種固有プロセス

とはいえ、自社の課題解決にふさわしいツールがどれなのか、どの業務プロセスが含まれるのかわかりにくい部分もあります。IT導入支援事業者と相談しながら申請する類型を決めていったら良いでしょう。

次に賃上げ目標です。3箇年計画を作成し、以下の事項を従業員に表明することが必要です。

  • 3年間、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させること
  • 3年間、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準とすること

B類型とC-2類型では賃上げ目標の設定が必須となっており、もし目標を達成できなければ補助金の返還を求められる場合があるので注意が必要です。

スケジュール

IT導入補助金は2ヶ月おきに公募締切が設定されており、2021年8月時点では第3次公募中で、直近の締切は2021年9月30日(木)です。それ以降は11月に公募締切が予定されています。

最新の情報を必ずIT導入補助金サイトにて確認の上申請してください。

補助金を申請するメリット・デメリット

これまで、製造業の方が活用しやすい補助金を紹介しました。最後に、補助金を申請するメリットとデメリットを整理しておきましょう。

メリット

補助金には、大きく分けて次の3つのメリットがあります。

  • 返済不要の資金調達
  • 自社の経営力向上
  • 信用力の向上

返済不要の資金調達

メリットはなんといってもお金がもらえること、これに尽きるでしょう。補助金は返済不要の資金調達ともいわれており、金利負担もなく必要な資金が得られるのであれば、こんなに良いことは他にないでしょう。

自社の経営力向上

ものづくり補助金や事業再構築補助金では、申請書類として10枚~15枚の事業計画書を作成します。かなりの労力を伴いますが、自社の強みや弱みをしっかり見つめなおし、自社の資源をどのように使っていくかを考える機会になり、経営力の向上につながります。

信用力の向上

採択された場合、公的機関がお金を出しても良いと認めた事業といえます。補助金の獲得で公的機関のお墨付きが得られたとアピールすることができ、取引先や金融機関等からの信頼度が上がることが期待できます。

デメリット

補助金を申請するデメリットには、大きく分けて次の3つがあります。

  • 厳しい採択審査
  • 補助金は後払い
  • 申請には手間がかかる

厳しい採択審査

いずれの補助金にも採択審査があり、申請したからといって必ずもらえるものではありません。しかも採択率は3割~5割程度と決して高くありません。補助金だけを当てにするのではなく、融資などその他の資金調達策も確保しておきましょう。

補助金は後払い

補助金は原則後払いです。採択されてすぐにもらえるのではなく、補助事業が完了してから支払われるので、1年近く先になることもあります。後から補填されるとはいえ、当面は立替払いが必要のため資金繰りにはくれぐれも留意しましょう。

申請には手間がかかる

申請にはとかく手間がかかります。事業計画書を中心とする申請書作成に始まり、採択後も実績報告書の作成など煩雑な書類作成があります。

ものづくり補助金のアンケートでは、半数以上の回答が、申請書作成に50時間以上費やしたとありました。しかも、長い時間をかけて申請書を作成した事業者の方が、採択率が高い傾向にあります。採択を狙うのなら、しっかり時間をかけ、入念な準備が必要と心得るべきでしょう。

まとめ

製造業におすすめの補助金を紹介しました。補助金に魅力を感じる一方で、さまざまな要件があって制度が複雑に思えたり、また申請の労力に対して応募をためらったりする方もいらっしゃると思います。

そんなときは、専門家のサポートを得るのも一つです。当社補助金バンクには、補助金申請支援で実績のある中小企業診断士などの専門家が多数登録されています。自社に合う補助金についてのアドバイスが受けられたり、申請書作成を手伝ってもらえたりします。ぜひお気軽に補助金バンクをご活用ください。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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