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経営革新計画とは?承認されると充実した支援措置が受けられる!

経営革新計画

経営者の方は、「自社が向き合うべき課題は何だろう?」「業績を向上させるためにはどんな事業をすれば良いのか?」といった悩みを常に抱えていると思います。会社のあるべき姿に向かって走るためにも、「経営革新計画」を策定してみてはいかがでしょうか?

経営革新計画を作成することで、現状から将来の会社のあるべき姿に到達するための「道しるべ」ができるので、何に取り組むべきなのかが明確になります。さらに都道府県や国から承認を受けると、低金利での融資など多くのメリットを享受することができます。

この記事では、経営革新計画とはどのような制度で、どのようなメリット(支援措置)があるのかなどを解説していきます。対象となる企業も解説するので、ご自身の会社が当てはまるかを確認しましょう。

※以下は2021年2月13日時点の情報です。

経営革新計画とは

経営革新計画とは

「経営革新計画」とは、中小企業が新たな事業活動に取り組んで経営を向上させることを目的に策定する、中期的な経営計画書のことです。経営を策定することで企業は自社や環境の現状分析ができ、取り組むべき課題や目標を明確にすることができます。

さらに、経営革新計画が国や都道府県に承認されると、さまざまな支援策を受けることができます。融資を受けやすくなったり、一部の補助金の審査で加点対象になったりとメリットが多いので、ぜひ経営革新計画を作って申請しましょう。

経営革新計画を申請するメリット

経営革新計画を申請し、国や都道府県に認定されると、公的融資を低金利で借りられたり、販路開拓の支援を受けられたりします。たくさんのメリットがありますので、詳しく解説していきましょう。

なお、経営革新計画の承認は、融資等の各種支援策の利用を保証するものではありません。支援措置を受けるためには、経営革新計画承認とは別に、各支援策の実施機関への申込みを行い、審査を受ける必要があります。

  • 公的融資を低金利で受けられる
  • 信用保証の特例を受けられる
  • 海外展開への支援が受けられる
  • 販路開拓の支援が受けられる

公的融資を低金利で受けられる

日本政策金融公庫では、中小企業者に対して事業に必要な資金の融資を行っています。経営革新計画の承認事業を行うために必要な資金の融資については金利が優遇されており、特別利率が適用されます。

2021年2月現在、融資の利率は基準利率からマイナス0.65%となっています。基準利率で借りるよりもかなり低金利で融資を受けることができます。

信用保証の特例を受けられる

中小企業者等が金融機関から融資を受ける際、保証人がいると融資を受けやすくなります。信用保証協会が公的な保証人になって債務保証をする制度のことを「信用保証」と言い、経営革新計画の承認を受けた中小企業者および組合等は信用保証の特例を受けることができます。

特例の内容は、普通保証等の別枠設定と新事業開拓保証の限度額引き上げです。普通保証等の別枠設定では、経営革新計画で承認された事業に必要な資金に関し、通常の付保限度額と同額の別枠が設けられます。したがって、通常枠の2倍が限度額となります。

新事業開拓保証の限度額引き上げは、経営革新計画で承認された事業に必要な資金に関し、新事業開拓保証の対象となるもの(研究開発費用)について、付保限度額が引き上げられます。通常は2億円から3億円に、組合は4億円から6億円に引き上げられます。

海外展開への支援が受けられる

承認された経営革新計画に従い、海外で経営革新のための事業を行う場合、以下の資金調達の支援を受けることができます。

  • スタンドバイ・クレジット制度(株式会社日本政策金融公庫法の特例)
  • 中小企業信用保険法の特例
  • 日本貿易保険(NEXI)による支援措置

日本政策金融公庫の債務保証業務、日本貿易保険の保険業務を通じた現地通貨建ての資金調達、中小企業信用保険法の保険限度額の増額による資金調達といった支援を受けることができます。

販路開拓の支援が受けられる

経営革新計画に沿って販路開拓を行う場合、以下の支援を受けることができます。

  • 販路開拓コーディネート事業
  • 新価値創造展(中小企業総合展)

販路開拓コーディネート事業では、首都圏・近畿圏の大きなマーケットをターゲットに販路拡大を行う企業のため、テストマーケティングのサポートなどの支援を受けることができます。中小企業基盤整備機構(関東本部・近畿本部)には、主に商社やメーカー等の企業OBで広範な販路ネットワークを有する販路開拓コーディネーターが配置されており、テストマーケティング結果のフィードバックを受けることができます。

新価値創造展(中小企業総合展)は、中小企業やベンチャー企業が開発した製品・技術・サービスを展示したり紹介したりすることで、販路開拓や業務提携といった企業間の取引を促進するイベントです。新価値創造展の出展企業は書面審査により決定しますが、経営革新計画の承認を受けた企業は審査において加点対象となるため、出展できる可能性が高まります。

経営革新計画の対象となる事業者

経営革新計画の申請ができるのは、中小企業等経営強化法第2条に規定する中小企業者であり、直近1年以上の営業実績があってこの期間に決算を行っている(税務署に申告している)ことです。なお、創業間もない企業やこれから創業する企業は対象にはなりません。

中小企業等経営強化法第2条に規定する中小企業者とは、以下の表の資本金か従業員数のどちらかの基準を満たしている企業のことです。

業種 資本金(資本金の額又は出資金の総額) 従業員(常時使用する従業員の数)
製造業、建設業、その他の業種 (下記以外) 3億円以下 300人以下
ゴム製品製造業
(自動車または航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルトを除く)
3億円以下 900人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 (下記以外) 5,000万円以下 100人以下
ソフトウエア業または情報処理サービス業 3億円以下 300人以下
旅館業 5,000万円以下 200人以下
小売業(飲食業含む) 5,000万円以下 50人以下

以上の条件に該当する中小企業者は、本店登記している都道府県(個人事業主は住民登録している都道府県)に経営革新計画を申請することができます。また、複数の中小企業者が共同で申請する場合、国の地方機関等への申請になります。

経営革新計画の要件

経営革新計画の要件

経営革新計画が満たすべき要件は以下の2点です。

  • 新事業活動に取り組む計画であること
  • 「経営の相当程度の向上」を達成できる計画であること

申請を行う場合、以上の要件を必ず満たす計画を策定しましょう。

新事業活動に取り組む計画であること

経営革新計画は新たな事業に取り組むことを前提とするため、これまでに行ってきた事業とは異なる新事業活動に取り組む計画であることが必要です。新事業活動とは、具体的には以下の4つに分類することができます。

  • 新商品の開発または生産
  • 新役務(サービス)の開発または提供
  • 商品の新たな生産または販売の方式の導入
  • 役務(サービス)の新たな提供の方式の導入、その他の新たな事業活動

新商品や新サービスの開発や提供のみならず、商品は新しくなくても、効率を向上させるなど生産方法や販売方法が新しいものであれば対象となります。

既存の事業の範疇に含まれる商品やサービスの開発・生産・提供は対象になりません。申請者の企業にとって新たな取り組みであれば、既に他社で取り組んでいても原則として承認の対象となります。しかし、同業他社において導入されており、既に相当程度普及している場合は対象になりません。

例えば、対象にならないケースには以下のような事例があります。

  • 既存の商品・販売方法を用い、販売エリアを拡大するだけ
  • フランチャイズや代理店に加盟するだけ

対象となるのは新商品や新サービスの生産や開発、提供であることに留意し、自社の課題を解決できる経営計画を策定しましょう。

「経営の相当程度の向上」を達成できる計画であること

経営革新計画は、3年・4年・5年から計画期間を選び、2つの指標が基準以上の伸び率となる計画であることが必要です。2つの指標とは、「付加価値額」または「一人当たりの付加価値額」の伸び率と、「経常利益」の伸び率です。計画期間に応じ、以下の基準と決められています。

計画期間 「付加価値額」または「一人当たりの付加価値額」の伸び率 「経常利益」の伸び率
3年間 9%以上 3%以上
4年間 12%以上 4%以上
5年間 15%以上 5%以上

各指標の計算方法は以下のとおりです。

  • 付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費(リース料含む)
  • 一人当たりの付加価値額=付加価値額÷従業員数
  • 経常利益=営業利益-営業外費用

また、計画期間は、直近の決算の後、最初の営業年度から開始となります。

以上のとおり満たすべき基準が決まっておりますので、経営革新計画の申請を行う場合、基準を上回ることができる事業計画を策定しましょう。

経営革新計画の申請の流れ

経営革新計画は、計画の策定と立案を行ってから都道府県や国の地方機関等に申請を行い、承認されると上述のような特典を受けることができます。この章では、計画の策定から申請までの流れについて解説していきます。

なお、経営革新計画は各都道府県や国の地方機関等が審査し、承認するか否かを決定します。したがって、申請書の様式や申請の流れなどは都道府県によって異なる場合があります。必ず管轄の機関が提供するガイドブック等を確認し、申請を行っていきましょう。

  • 都道府県担当部局等へ問い合わせる
  • 経営革新計画を作成する
  • 必要書類を準備する
  • 申請書を提出する
  • 都道府県担当部局等へ問い合わせる

地域によって申請窓口や必要な書類、申請期間、審査期間などが異なる場合があるので、始めに都道府県の担当部局に問い合わせを行い、不明点を確認しましょう。複数の中小企業者がグループとなって共同で計画を作成する場合などは、窓口が都道府県ではなく国の地方機関や本省になることがあるので、最初に確認しておきましょう。

都道府県担当部局の他、県内の中小企業支援センター、商工会、商工会議所等、中小企業団体中央会等でも相談することができます。お近くの窓口に相談してみましょう。

経営革新計画を作成する

経営革新計画を申請する前に、自社の現状を分析して課題や目標を決定する必要があります。上述した要件である「新事業活動に取り組む計画であること」「経営の相当程度の向上を達成できる計画であること」を踏まえ、計画を策定していきましょう。

ただし、現状把握や実現可能な目標設定を行う必要がありますが、自力では困難だと思う方も多いのではないでしょうか。もし計画策定が大変でしたら、中小企業診断士などの専門家に相談し、アドバイスやサポートをしてもらいましょう。

必要書類を準備する

申請に必要な書類を準備しましょう。各都道府県など申請窓口によって必要な書類が異なる場合があるので、最初に問い合わせした機関の指示にしたがって書類を作成していきます。

東京都に本店登記をしている法人や、東京都に住所がある個人事業主の場合、以下の書類が必要となります。

〇法人の場合

  • 経営革新計画に係る承認申請書 2部
  • 直近2期分の確定申告書類一式(税務署の受付済み)(写) 1部
  • 商業登記簿謄本(コピー可) 1部
  • 定款(写) 1部

〇個人の場合

  • 経営革新計画に係る承認申請書 2部
  • 住民票(コピー可) 1部
  • 直近2期分の確定申告書類一式(税務署の受付済み)(写) 1部

申請書は、東京都産業労働局のホームページからダウンロードすることができます(東京都の場合)。あくまでも東京都の例ですので、管轄の機関の指示に従って申請書を準備しましょう。

申請書を提出する

窓口に申請書と添付書類を提出すると、都道府県や国で審査が行われます。

経営革新計画が承認されると、上述した支援策を活用できる対象になります。各支援機関での審査を経て、支援措置を受けることができます。

まとめ

経営革新計画の承認を受けるメリットや対象となる要件などについて解説してきました。自社の現状分析を行って課題や目標を設定することで、事業の拡大や収益性の向上も実現することができるので、経営革新計画を策定していきましょう。

都道府県や国から承認されると低金利での融資を受けられたり、販路拡大の支援措置を受けられたりするなどのメリットもあります。新たな事業に取り組もうと考えている事業者の方はぜひ申請を検討してみましょう。

しかし、現状分析や目標設定をどうしたら良いのかわからない方、申請書の書き方が分からない方も大勢いらっしゃると思います。中小企業診断士などの専門家に相談することで、適格なアドバイスやサポートを受けることができます。「補助金バンク」には経営革新計画に詳しい専門家が多数在籍しているので、身近で頼れるプロフェッショナルを探してみましょう。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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