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飲食店は「事業再構築補助金」を活用!コロナ禍のピンチをチャンスに!

飲食店の事業再構築補助金

事業再構築補助金セミナー

2021年6月現在、長期化するコロナ禍。ワクチン接種は始まったものの、次から次へと出現する変異株もあり、収束がいつになるのかは未だ不明瞭です。飲食業界に吹き荒れる逆風もしばらくはやみそうにありません。

ただ、ピンチのときこそチャンスでもあります。「事業再構築補助金」を活用してご自身のお店を再構築し、新たな成長のきっかけをつかんでみませんか?事業再構築補助金は、コロナ禍で売り上げが減少した事業者を対象に、事業再構築のための資金を最高6,000万円まで支援してくれます。今回は、飲食店の事業再構築補助金活用について紹介します。

飲食店が事業再構築補助金を申請するメリット

飲食店が事業再構築補助金にチャレンジするメリットは何でしょうか?もちろんお金がもらえるということが最大のメリットではありますが、それだけではありません。

メリット

  • 大胆な変革を後押ししてくれる
  • 事業計画を明確化できる

大胆な変革を後押ししてくれる

まず言えることが、より大胆な変革に挑戦できるということです。

2021年6月現在、コロナ禍に陥ってからすでに1年以上が経過しています。ランチ営業やテイクアウト、デリバリーなど、現状の枠組みを大きく変えないでできることはすべてやったというのが飲食店の大部分ではないでしょうか。

業態を大幅に変えるなど、ポストコロナ・ウィズコロナで生き残っていくには、さらなる一手が求められています。ただ、そのためには投資が必要で、リスクも大きくなり躊躇する事業者も多いことでしょう。

そんなときに強い味方となってくれるのが事業再構築補助金です。「リスクの高い思い切った大胆な事業の再構築を行う」ことが審査項目になっており、自力では困難な変革を応援してくれます。

事業計画を明確化できる

これまで実直に店を続けてきてお客さんがついてくれたから、計画なんて作ったことがない……そんな事業者も多いでしょう。ただ、事業計画作成には次のようなメリットがあります。

  • 自店の強みや課題が明確になる
  • オーナーが考えていることが可視化され、従業員や金融機関などの協力を得やすくなる
  • 問題が発生した時に軌道修正しやすくなる

事業再構築補助金の申請では15枚(補助金額が1,500万円以下であれば10枚)におよぶ事業計画を作成します。決して楽な作業ではありませんが、コロナ禍で時間がある今だからこそ取り組んでみてはいかがでしょうか?

事業再構築補助金の支給要件および補助金額

支給対象となるのは、2020年10月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ禍以前の同3ヶ月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等です。

補助金額は以下の通りです。中小企業であれば事業に関わる経費の2/3、資本金10億円未満の中堅企業の場合は1/2が補助されます。給付金とは異なり、実施した事業の必要経費の一部が補填されます。

分類 新規性要件 事業・業種変更 売上要件
業態転換 製品等の新規性 製造方法等の新規性 新製品の売上が全体の10%以上となること
商品等の新規性または設備等撤去等要件(商品またはサービスの提供方法を変更する場合)
新分野展開 製品等の新規性 市場等の新規性 新製品の売上が全体の10%以上となること
事業転換 製品等の新規性 市場等の新規性 事業の変更 新規事業の売上が、売上高構成比の中で最も高くなること
業種転換 製品等の新規性 市場等の新規性 業種の変更 新業種の売上が、売上高構成比の中で最も高くなること変更
事業再編 合併など会社法上の組織再編を伴う。

対象となる取組例

次に分類ごとに具体的に例を挙げてみていきましょう。

業態転換

まずは業態転換です。業態転換では以下の要件を満たす必要があります。

  • 製造方法等の新規性要件を満たしている。
  • 商品等の新規性要件又は設備撤去等要件を満たしている(商品またはサービスの提供方法を変更する場合)。
  • 3~5年の事業計画期間終了後、新規事業の売上高が総売上高の10% 以上となる。

製造方法等の新規性要件は、

  • 過去に製造した実績がないこと
  • 主要な製造設備を変更すること
  • 製造方法等の性能や効能の違いを定量的に説明できること

です。したがって、既存設備で製造するのでは要件を満たしたことになりません。

次に商品等の新規性要件です。こちらはサービスまたは商品の提供方法を変更する場合は、設備撤去要件でもOKです。商品等の新規性要件は製造方法等の新規性要件とほぼ同じで、

  • 過去に製造した実績がないこと
  • 主要な製造設備を変更すること
  • 製品等の性能や効能の違いを定量的に説明できること

です。ただ飲食業で、これまでの商品とまったく違うものを作るというのは難しいかもしれません。そんなときはむしろ、設備撤去要件の方が満たしやすいかもしれません。既存店舗の一部を縮小するなど既存設備を縮小または撤去して、新しい事業を行うことで要件を満たすことができます。

最後に新規事業の売上が3~5年後に総売上高の10%以上となることが必要です。決して片手間で手掛ける新規事業ではなく、設備投資をしっかり行い、事業の柱の一つとして育てていくことが求められます。

事例

レストランが店舗の一部を縮小、デリバリーシステムも導入して、料理宅配業に参入する。

要件 該当 概要
製造方法等の新規性 過去に料理宅配を実施したことはない厨房設備を新たに導入する。
設備撤去要件 店舗の客席部分を減らし、厨房部分を拡張して店舗を縮小する。
売上要件 3~5年後に料理宅配事業が売上の10%以上を占める。

新分野展開

次に、新分野展開です。新分野展開では以下の要件を満たす必要があります。

  • 製品等の新規性要件を満たしている。
  • 市場の新規性要件を満たしている。
  • 3~5年の事業計画期間終了後、新規事業の売上高が総売上高の10% 以上となる。

製品等の新規性とは、

  • 過去に製造した実績がないこと
  • 主要な製造設備を変更すること
  • 製品の性能や効能の違いを定量的に説明できること

です。

次に、市場の新規性要件とは、既存製品等と新製品等の代替性が低いことを指します。既存顧客が新製品に流れてしまっては意味がありません。既存製品と新製品が共食いしあうことはなく、むしろ相乗効果が上がって全体の売上が向上することが求められます。

また、新分野展開でも新規事業の売上が3~5年後に総売上高の10%以上となることが必要です。

事例

フランス料理店が、フルーツ味のプリンを開発してECサイトで販売する。

要件 該当 概要

製品等の新規性

 

・これまでプリンを製造販売した実績はない。

・新たに製造設備を導入する。

市場の新規性 ・来店客とECサイトに訪問する顧客層は異なっていることに加えて、フランス料理とプリンの代替性は低く、両者で共食いすることはない。

・ECサイトを通じて実店舗への誘導、実店舗からECサイトへの誘導ができるため、相乗効果が見込まれる。

売上要件 ・3~5年後にプリンの売上が全体の10%以上を占める。

事業転換

次に、事業転換です。事業転換は主たる業種は変えず、主たる事業を変更し、かつ以下の4つの要件を満たす必要があります。業種、事業は日本標準産業分類に基づきます。

  • 日本標準産業分類の業種(大分類)は変更せず事業(中分類、小分類、細分類)が異なる新規事業を実施する。
  • 製品等の新規性要件を満たしている。
  • 市場の新規性要件を満たしている。
  • 3~5年の事業計画期間終了後、新規事業の売上高構成比が最も高くなる。

製品の新規性要件や市場の新規性要件は新分野展開と同じですが、着目すべきは売上要件です。事業転換では新たに始めた事業が3~5年後にもっとも高い売上比を持つことが求められます。すなわち、現在の事業は見切りをつけて新たな事業を始め、新規事業中心でやっていく覚悟が必要になります。

事例

日本料理店から焼き肉店に転換する。

要件 該当 概要
業種の変更 大分類:宿泊業、飲食サービス業:変更なし

細分類:日本料理店⇒焼き肉店

製品等の新規性

・これまで焼き肉店を経営した実績はない

・新たに設備を導入する。

市場の新規性 日本料理店と焼き肉店では顧客層が異なり、市場が異なる。
売上要件 3~5年後に焼き肉店が売上の最も高い構成比を占める。

業種転換

さらに大きな変革を伴うのが業種転換です。こちらは業種そのものを変えてしまうので、相当の覚悟が必要です。コロナ禍による影響だけでなく、高齢化で客が減少傾向にあったなど、コロナ禍以前から抱えていた課題も見据えて慎重に検討しましょう。

業種転換は以下の要件となります。

  • 日本標準産業分類の大分類である業種が異なる新規事業を実施する。
  • 製品等の新規性要件を満たしている。
  • 市場の新規性要件を満たしている。
  • 3~5年の事業計画期間終了後、新規事業の売上高構成比が最も高い事業となる。

事例

居酒屋事業者が新たにコワーキングスペースの運営に乗り出し、3~5年後にコワーキングスぺ―ス事業が主たる売り上げとなる。

要件 該当 概要
業種の変更 大分類:宿泊業,飲食サービス業⇒大分類K:不動産、物品賃、貸業
製品等の新規性 これまでコワーキングスペースの運営を実施したことがない。
市場の新規性 居酒屋とコワーキングスペースでは顧客層が異なり、市場が異なる。
売上要件 3~5年後にコワーキングスペース事業が売上の最も高い構成比を占める。

事業再編

事業再編はこれまでの分類と少し異なり、M&Aなどの組織再編を伴う事案になります。吸収合併など会社法上の組織再編を行ったうえで、業態転換、新分野展開、事業転換、業種転換のいずれかの要件を満たす必要があります。

事例

居酒屋事業者が、高齢者向け弁当宅配事業を手掛けるA社を吸収合併。(事業再編 新分野展開)

要件 該当 概要
事業再編 会社法上の組織再編あり

製品等の新規性

これまで高齢者向け弁当宅配事業は実施したことがない。
市場の新規性 居酒屋と高齢者向け弁当宅配では顧客層が異なり、市場が異なると言える。
売上要件 3~5年後に弁当宅配事業が売上の10%以上を占める。

対象となる経費

補助金の対象となる経費は以下の費目です。

  • 建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復)
  • 機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリース等)、クラウドサービス利用費、運搬費
  • 技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、知的財産権等関連経費
  • 外注費(製品開発に要する加工、設計等)、専門家経費
  • 広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
  • 研修費(教育訓練費、講座受講等)

飲食店の場合、店舗の改装費や厨房設備、EC販売を始める際のシステム構築費や広告宣伝費などが申請対象となるでしょう。

なお、建物費については、改装費は対象になりますが、新たに店舗建物を購入するといった不動産取得費は対象になりません。また、車両やPC、タブレット、家具類も汎用使用ができるため対象外です。

事業再構築補助金の申請の流れ

事業再構築補助金の公募受付は5回にわたって行われる予定です。2021年7月が第2次公募の締め切りとなっており、その後も第3次の公募が行われますので、申請スケジュールを見逃さないようにしましょう。

最新の公募スケジュールやその他詳細は下記の公募要領から参照してください。

申請にあたっては、事業計画書を認定経営革新等支援機関と策定します。認定経営革新等支援機関とは、中小企業を支援できる機関として、経済産業大臣が認定した機関で、全国で3万以上の金融機関、支援団体、税理士、中小企業診断士等が認定を受けています。

事業計画書が作成できたら、「Jグランツ」という補助金申請システムから申請をします。申請にはgBizIDプライムアカウントが必要で、アカウント取得には3週間以上かかります。

gBizIDプライムアカウントをまだお持ちでない場合は、まずはアカウントを取得しましょう。gBizIDプライムアカウントの取得方法等の詳細はこちらを参照してください。

まとめ

飲食店の事業再構築補助金活用について紹介しました。

事業計画書の作成は認定支援機関と一緒に作成しますが、当補助金バンクにも補助金申請サポートの経験豊富な認定経営革新等支援機関が多数登録されています。お困りの方は、ぜひ当補助金バンクをお気軽にご活用ください。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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