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【2022】補助金の申請を5ステップでわかりやすく解説!申請したいおすすめ補助金4選

補助金の申請

2022年7月現在、経済産業省をはじめとして、国や県、市区町村から数多くの補助金が募集されており、中小企業様の経営の発展に活用されています。しかし、中小企業庁の行った調査によると、助成金を含む補助金を利用したことがない事業者は3~4割も存在し、まだまだ浸透しているとはいえない状況にあります。

今回は、そういったまだ補助金を利用したことのない中小企業様にもわかりやすく、補助金の特徴や受給までの流れ、使いやすい制度をお伝えしていきます。この記事を読めば、補助金を申請するための基本的な知識を習得することができます。

補助金とは

まずは、補助金とはどういったものであるのか解説します。

中小企業様の中には、誤った理解をされている方も少なくなく、利用したことで経営を発展させるどころか、却って健全な経営から道を踏み外してしまうという可能性もあります。補助金の申請をする前に、その基本的な特性を把握しておきましょう。

制度によって内容が異なる

補助金は、その募集している国や県など自治体の政策目標に合わせて、事業者の取り組みをサポートするために、資金の一部が支給されるものです。

たとえば、小規模事業者が申請する補助金として最もポピュラーな制度である「小規模事業者持続化補助金」は、「小規模事業者の取り組む地道な販路開拓」が支援の対象になります。

また、製造業者によく利用される「ものづくり補助金」は、「中小企業者等の取り組む革新的なサービス開発や生産プロセスの改善」が支援対象となっています。

このように、補助金はその制度ごとに目的や趣旨が異なっています。それに伴い、対象となる事業者の取り組みも異なります。制度ごとに内容をしっかりと理解し、自社の取り組みに合った補助金選びを行いましょう。

使った経費すべてが補助されない

補助金は、その取り組みに使用した経費の一部しか支給されません。これについては、次の3点に注意していただく必要があります。

補助金ごとに対象経費が定められている

まず、制度ごとに対象となる経費が定められています。補助事業のために支出した経費でも、その対象となっていなければ補助金は支給されません。

対象となる経費は公募要領に記載されているため、事業計画を練る前に確認しておきましょう。

補助金ごとに補助率が定められている

補助金には、対象となる経費のうち、何%を補助金として支給するのかを決める「補助率」が定められています。よって、補助金の支給金額は「補助対象経費×補助率」の式で算出されます。

補助率は概ね1/2~3/4の間で制度ごとに決まっており、全額補助されるというものはほとんどありません。

たとえば、補助対象経費が75万円で補助率が2/3の場合、補助金は75万円×2/3=50万円となり、差額の25万円は自己負担となります。そのため、補助金が支給されるからといって、過大な設備投資をした場合、その分自己負担も多くなってしまい、自社の資金繰りを圧迫する原因になります。

補助金ごとに補助額の上限が定められている

補助金には、補助上限の金額も設定されています。補助率2/3、補助上限50万円の「小規模事業者持続化補助金」を例にしてみましょう。

補助対象経費が75万円の場合、上限の50万円が支給されますが、補助対象経費がそれ以上増えても支給額は50万円のままとなります。なお、消費税も補助対象外という制度がほとんどです。

原則として後払い

補助金は、事業に取り組み、すべての経費を支出した後でなければ支給されません。事業が終了した後も、その成果を報告書にまとめ、事務局に提出し、それが承認されてはじめて補助金が支給されます。

この期間は取り組む事業によってまちまちですが、交付決定後、半年から1年弱を目安に考えておくと良いでしょう。勘違いしてしまっていると、補助金に取り組んだがために、資金繰りが立ちいかなくなってしまう可能性があるため注意が必要です。

特に、高額な補助金に申請する場合には、自社の将来のキャッシュフローをよく計算しておき、必要があれば金融機関の担当者に相談しておく必要があります。補助金によっては、ある一定金額以上になると、金融機関との調整が必須となっている制度もあります。

採択・不採択の審査がある

助成金の場合は、要件に当てはまっており、申請すれば必ずもらうことができますが、補助金は採択または不採択の審査があります。事業者から提出された事業計画は、審査員による審査において点数がつけられ、評価の高い順に採択となります。

また、補助金は融資と異なり返済の必要のない資金です。それゆえ、国等からの中小企業に対する「投資」のようなものと考えられ、将来的には税金等で返ってくることが期待されています。

加えて、その財源は税金であり、1円たりとも無駄な「投資」に使うことは許されません。そのため、厳正な審査があり、中小企業向けの補助金の採択率は概ね30〜60%ほどとなっています。

補助金申請の流れ・5つのステップ

ここからは補助金を申請するまでの流れを解説します。補助金申請をしたことがない方にもわかりやすいよう、重要な作業だけをピックアップして5つのステップに単純化しています。

検索する

まずは、自社の取り組む事業にマッチした補助金を探すところから始まります。国や県などの自治体だけでなく、各業界の団体などからも募集されている場合があるため、インターネットを活用して広く探してみる必要があります。

補助金を検索するのに最適なのが、経済産業省と中小企業庁が合同で運営する「ミラサポplus」です。中小企業や小規模事業者を対象にした国の補助金や助成金を無料で検索することができます。

また、中小機構の「J-Net21 支援情報ヘッドライン」も検索には有効です。こちらは、国以外の自治体も含めた支援情報を検索することが可能になっています。

補助金の募集は早いもので2月から、概ね6月頃までに募集されるものが多いですが、年度ごとに募集期間・回数は異なります。前述した補助金の特性に注意して、慎重に選んでいきましょう。

また、お近くの金融機関や商工会・商工会議所などの認定支援機関では、補助金に関する情報が集まっています。そういったところへ出向き、職員に聞いてみるのも良いでしょう。

申請する

申請する補助金が決まったら、まずは公募要領を読み込みましょう。

補助金は、制度ごとに申請の条件や必要な書類、計画書へ記載する内容が異なります。それらを理解せずに申請しても、採択となる可能性は大変低いといえます。補助金の目的や趣旨からズレてしまわないよう、適時公募要領に戻り、申請の準備を進めていくことが重要です。

中小企業向けの補助金の多くは、申請に事業計画の策定を要します。補助金を使ってどのような取り組みを行い、どのような市場・顧客に寄与することで、将来的にどれくらいの収益を生むのかを明確に記載しましょう。補助金の採否を決定づける根幹の作業になります。

計画書等の必要書類が揃ったら、いよいよ申請作業です。以前は、紙に出力しての郵送が主流でしたが、ペーパーレス化やコロナ禍でのオンライン化の浸透により、徐々にインターネットでの申請が台頭してきています。

インターネットでの申請には、「gBizIDプライムアカウント」の取得が必須になりますが、申請者の負担はかなり軽減されました。しかし、それによって締切当日には申請者が殺到し、システムにアクセスできない、サーバーがダウンするといった障害も発生しています。いずれにしても早めの申請がおすすめです。

採択される

申請後、概ね1〜3ヶ月後に結果が公表され、事務局から通知が届きます。また、申請システム上でも確認することが可能です。

採択後は、事業計画に修正等が必要な場合もありますが、それがなければ補助金を受け取る手続きである交付申請を行い、交付決定されたら計画に記載した事業に取り組むことができるようになります。

なお、これより前に実施した取り組みに要する支出は補助対象として認められないことに注意が必要です。

事業に取り組む

交付決定が認められたら、計画に記載した内容で事業をスタートします。何らの理由により事業内容を変更せざるを得ない場合は、事前に所定の手続きを踏み、計画の変更申請を行う必要があります。

事業の実施に支出した経費については、請求書や領収書などをすべて保管しておきましょう。高額なものを購入する場合には、相見積りが必要なこともあります。

また、経費の支払いは原則として振込となっており、現金払いは不可です。クレジットカードやサブスクリプションサービスへの支払いの場合は、事業期間内に預金口座から引き落とされたもののみが対象となることには注意してください。

報告する

計画に記載した事業への取り組みが終了したら、その内容と売上等の成果を報告します。提出された報告書を事務局が確認し、正しく実施されたことが確認されると、ようやく補助金の支給となります。

なお、補助金の対象となった領収証等の書庫書類は、補助事業終了後も5年間の保存義務があります。また、「ものづくり補助金」等は補助事業の終了後も、事業期間に渡って定期的な状況報告が必要なものもあります。

中小企業が申請できる補助金

続いて、中小企業によく利用されている補助金を紹介しましょう。ここで紹介している制度はほぼ毎年募集されているため、インターネットで検索すれば多くの事例を閲覧することができます。それぞれ研究していただき、採択をぜひ勝ち取ってください。

小規模事業者持続化補助金

まず紹介するのは、中小企業向けの補助金として代表的な「小規模事業者持続化補助金」です。

名称のとおり、小規模事業者の支援を目的としており、補助対象は販路開拓の取り組みに要した経費となっています。新商品・サービスの展開に伴うチラシの配布や看板の設置、ECサイトの構築などが主な活用事例です。

2022年7月現在、コロナ禍と合わせて、働き方改革やインボイス制度の導入などの法改正に対応するため、例年募集されている補助上限50万円、補助率2/3の「通常枠」のほか、5つの「特別枠」が新設され、補助上限も最大200万円まで引き上げられています。

申請に必要な計画書はA4サイズで5〜8枚程度が要求されており、これから説明する制度の中でも格段に取り組みやすいものになっています。相談先が商工会・商工会議所と指定されているのも特徴の一つです。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)

特に製造業を営む中小企業の設備投資に利用されることの多い補助金が「ものづくり補助金」です。

中小企業の取り組む生産プロセスの改善や革新的な製品・サービス提供が支援の対象になっており、小売業やサービスの取り組みも対象になっています。2022年度の募集では、「通常枠」に加え、雇用拡大に取り組む事業者を対象にした「回復型賃上げ・雇用拡大枠」、DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービスの開発やデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善を支援する「デジタル枠」、温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発又は炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善を支援する「グリーン枠」が創設されています。

また、海外事業の拡大・強化等を目的にした「グローバル展開型」も2020年度補正予算から継続して募集されています。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業等が自社の課題やニーズに合ったITツールの導入を支援する制度です。企業や団体のDX推進への取り組みが叫ばれる昨今にあって、注目度の高い補助金です。

IT導入補助金の特異な点は、申請にあたってツールを納入するITベンダーが「IT導入支援事業者」として中小企業等のサポートをしながら取り組みを進めていくところです。

2022年度の募集では、業務工程や業務種別の数で「A類型」・「B類型」に分けられた「通常枠」に加えて、会計・受発注・決済・ECソフトの導入支援を対象にした「デジタル化基盤導入類型」が募集されています。「通常枠」との大きな違いは次のとおりです。

 

  • 補助率・補助上限を引き上げ
  • クラウド利用費を最大2年分に延長
  • ハードウェア購入費が補助対象

 

2023年10月に導入が予定されているインボイス制度に対応するための措置であり、多くの中小企業での利用が見込まれています。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は2021年度に新設された補助金であり、アフターコロナの需要獲得に向けた中小企業等の思い切った事業転換を支援する補助金です。補助上限が1社最大1億円超というコロナ禍に募集された中小企業向けの補助金の中でも目玉の制度で、2022年度も複数回の募集が予定されています。

これまでに自社で取り組んだ経験のない事業に取り組むことが要件の一つとなっており、ビジネスモデルを刷新することが求められています。

比較的短期間で公募要領が大きく変化することも特徴で、以前確認し申請できなかった中小企業様も、要件が緩和されたことで申請が可能になっていることもあります。「小規模事業者持続化補助金」や「ものづくり補助金」同様、法改正やトレンドに合わせて事業類型が創設されており、中小企業の持つさまざまな課題を解決することが期待されています。

補助金が採択される申請のポイント

最後に、補助金が採択されるための申請のポイントを紹介します。

結論からお伝えすると、事業計画と事前準備が重要です。ここでお伝えする項目はすべて公募要領に記載されていますので、内容をしっかり押さえて採択を勝ち取りましょう。

手続きの留意点を確認する

補助金の事業計画書には様式の指定はあるものの、具体的な取り組み内容についてはほぼ自由記述となっており、申請経験の少ない方にとってはハードルが高くなっています。

そういった方のために、どのようなことについて記述すれば良いのかということが示されています。そのため、いきなり計画書を書き出すのではなく、まずはここを熟読し、何を記載しなければならないのかということを認識してから、全体の構想を練って書き始めてください。

また、インターネットでの申請に際し、ファイルの名前の付け方やパスワード設定など申請者がミスしやすい箇所についても注意喚起が記載されています。

審査の観点を押さえる

自社や競合、市場をしっかり分析し練られた事業計画はそれだけで価値あるものですが、ただ思いのまま計画策定しても採択とはなりません。

事業者から事務局へ提出された事業計画は、審査員によって厳正な審査が行われ、その採否が決定されます。審査員が事業計画のどこを見て、どのように審査が行われるのかは、審査の項目として公表されているため、計画を策定しながら要求されている項目が記載できているかを常にチェックしましょう。

加点の要件をクリアする

補助金には、それぞれ申請前に取得しておくと審査の加点となる項目があります。計画的な経営を行い、設備投資時期の目処がついているのであれば、補助金申請に合わせて事前に取り組んでおくべきです。

主な加点項目としては、次のものが挙げられます。

 

  • 経営革新計画の承認
  • 経営力向上計画の認定
  • 事業継続力強化計画の認定
  • 「パートナーシップ構築宣言」の登録

 

これら以外にも、補助金ごとにさまざまな加点があります。公募要領を確認し、取れるものはすべてクリアできるよう準備をしましょう。「パートナーシップ構築宣言」など、比較的短期間で取得できる項目もあるため、時間のない事業者様も諦めずにできる範囲での取得を目指しましょう。

なお、有効期間のある制度もありますので、過去にこれらを取得している中小企業様も期限切れになっていないか確認しておく必要があります。

まとめ

補助金の概要や申請手順、採択のポイントについて解説しました。補助金がなくても事業を継続していくことはできますが、経営を飛躍的に向上させようと思ったとき、大きな資金が必要となることは間違いありません。

そんなときの起爆剤となるものが補助金であり、資金の乏しい中小企業にとっての頼りになる存在です。今回お伝えしたことを参考に、補助金の申請に挑戦していただきたいと思います。

当社「補助金バンク」には、補助金申請の経験が豊富なプロが多数登録しており、補助金の申請をお手伝いしております。申請をお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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