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補助金の申請について相談できる相手がいるかということはとても重要です。なぜなら、補助金の申請には大変な時間と労力を要し、リソースの少ない中小企業の場合、申請まで辿り着くことさえ困難であることが多いからです。
もし、貴社の補助金申請をサポートしてくれる頼れるパートナーがいれば、より効果的に補助金を活用することができるでしょう。今回は、補助金の申請サポートについて依頼すべき相手とメリット、注意点を解説します。おすすめの補助金情報も掲載するので、ぜひ最後までご覧ください。
補助金とは
補助金は、国や地方公共団体などから返済不要な資金を得られる制度です。
その年度の予算に応じて設定されるものであるため、その年度の政策を色濃く反映したものであるといえます。そのため、今年存在する補助金が来年も存在するとは限りません。
補助金は、申請をしたからといって必ず受け取れるものではなく、要件を満たした応募のなかから厳選され、採択された場合にのみ補助金交付への切符を得られます。補助金をうまく活用することで、事業の成長スピードを一気に加速させることへとつながるでしょう。
補助金の採択率
補助金は申請した事業者すべてが受け取れるわけではありません。ここでは、事業者に特に人気のものづくり補助金と事業再構築補助金の採択率を解説します。
ものづくり補助金の採択率
2023年9月現在公表されているものづくり補助金の「一般型」における応募件数と採択件数、採択率の推移は次のとおりです。
公募回 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 |
---|---|---|---|
14次 | 4,865 | 2,470 | 50.77% |
13次 | 3,261 | 1,903 | 58.36% |
12次 | 3,200 | 1,885 | 58.91% |
11次 | 4,668 | 2,786 | 59.68% |
10次 | 4,224 | 2,584 | 61.17% |
9次 | 3,552 | 2,223 | 62.58% |
8次 | 4,584 | 2,753 | 60.06% |
7次 | 5,414 | 2,729 | 50.41% |
6次 | 4,875 | 2,326 | 47.71% |
5次 | 5,139 | 2,291 | 44.58% |
4次 | 10,041 | 3,132 | 31.19% |
3次 | 6,923 | 2,637 | 38.09% |
2次 | 5,721 | 3,267 | 57.11% |
1次 | 2,287 | 1,429 | 62.48% |
比較的応募者数の多かった3次締切分から7次締切分の採択率は30%から50%となっていますが、最近では60%前後で推移しています。なお、第14回締切分より、「グローバル展開型」が「グローバル市場開拓枠」として「一般型」の1申請類型となっています。
事業再構築補助金の採択率
2023年9月現在公表されている事業再構築補助金の応募件数と採択件数、採択率の推移は次のとおりです。
公募回 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 |
---|---|---|---|
第10回 | 10,821 | 5,205 | 48.10% |
第9回 | 9,369 | 4,259 | 45.45% |
第8回 | 12,591 | 6,456 | 51.27% |
第7回 | 15,132 | 7,745 | 51.18% |
第6回 | 15,340 | 7,669 | 49.99% |
第5回 | 21,035 | 9,707 | 46.15% |
第4回 | 19,673 | 8,810 | 44.78% |
第3回 | 20,307 | 9,021 | 44.42% |
第2回 | 20,800 | 9,336 | 44.88% |
第1回 | 22,231 | 8,016 | 36.06% |
第1回公募から第3回公募までは採択結果と併せて、書類不備等のあった件数も公表されていました。事務局からのアナウンスの結果、書類不備等で不採択となる事業者は減ったことで採択率も上がり、最近では50%前後で推移しています。
補助金でできること
補助金ではどんなことに取り組むことができるでしょうか?ここでは、ものづくり補助金と事業再構築補助金を例に活用事例を紹介します。
ものづくり補助金の採択事例
輸入車の販売・整備に力を入れてきたE社は、近年の「ADAS(先進運転支援システム)」を搭載した車両の普及により、「特定整備制度」の対応に追われていました。併せて、コロナ禍や働き方改革に対応するため、非対面業務やテレワークなどの職場環境の整備も急務になっていました。
新たに最新のアライメント測定器やADASエーミング設備を導入し、整備を短時間で実施することが可能になり、事務作業のクラウド化とテレワークの体制も構築しました。これにより、地域において輸入車販売・整備のトップカンパニーとなり、従業員のモチベーションアップにもつながっています。
事業再構築補助金の採択事例
埼玉県内で8店舗のイタリアンレストランを経営しているN社は、地元産のヨーロッパ野菜にこだわった料理を提供し、順調に事業を拡大していました。しかし、コロナ禍の影響により、売上が7割減の店舗も現れるなど、厳しい状況に陥ってしまいました。
そこで、新たな収益源としてレストランのうちの1店舗を地産地消のセレクトショップに改装し、新たな需要創出に取り組みました。また、セントラルキッチンを整備し、小売業とレストランの仕込みを一緒に行うなど、生産性の向上にも挑戦しています。
補助金の申請サポートは誰に依頼するべき?
補助金の申請サポートは、さまざまな専門家やさまざまな機関が行っています。補助金の申請サポートを依頼する際には、それぞれの特徴を知ったうえで検討すると良いでしょう。
中小企業診断士
中小企業診断士は、経営コンサルタント唯一の国家資格です。
補助金の申請で必要となることの多い事業計画の立案を得意としている場合が多く、単に書類を作成するのみならず、事業内容に踏み込んだ経営全般へのアドバイスを受けやすいといえるでしょう。
行政書士
行政書士は、官公庁に提出をする書類作成を独占業務とする国家資格です。補助金の申請も官公庁に提出する書類の一つであると考えられ、補助金申請サポートは行政書士業務の一つとされています。
ただし、行政書士業務は非常に幅が広いため、補助金業務を一切行っていない行政書士も少なくありません。
顧問税理士
顧問税理士は、経営者にとってもっとも身近な専門家の一人でしょう。言わずと知れた、税務の専門家です。
ただし、税理士が専門とする税務の世界と、補助金申請に必要となる事業計画など財務の視点は、似て非なるものです。税理士の中には補助金の申請に詳しい人も存在する一方で、補助金は門外漢であるという場合も少なくありません。
そのため、依頼する際には、その税理士が補助金に詳しいかどうかを確認したうえで依頼すべきでしょう。
商工会や商工会議所
地域の商工会や商工会議所では、補助金についての相談に無料で乗っている場合が少なくありません。ただし、あくまでも相談窓口となっているのみであり、補助金の申請書類作成や申請代行までは行わないことが一般的です。
なお、これらを行ってくれる専門家の紹介を受けることはできるでしょう。
コンサルタント
補助金の申請サポートは、特に資格を持たないコンサルタントが行っている場合もあります。きちんと業務を行ってくれる信頼できるコンサルタントも数多く存在する一方で、悪質な業者が混じっている可能性もあるため注意してください。
補助金の申請サポートを依頼する主なメリット
補助金の申請サポートを専門家へ依頼することには、多くのメリットが存在します。主なメリットは次のとおりです。
- 手間や時間が削減できて本業に集中できる
- 補助金の最新情報を教えてもらえる
- 補助金が採択される可能性が高くなる
手間や時間が削減できて本業に集中できる
補助金を自社のみで申請しようとすれば、多くの手間や時間がかかってしまうことでしょう。特に、事業再構築補助金やものづくり補助金などといった比較的大型の補助金では、公募要領のボリュームも大きく、これを読み込んで内容を理解するだけでもひと苦労です。
また、補助金の申請には事業計画書など経営の根幹にかかわる資料の作成が必要となることが多いため、専門の部署があるなどよほど大きな企業でない限りは、経営者など多忙な立場にある人が直接申請書類を作成せざるを得ないケースが多いでしょう。
一方、専門家へ申請サポートを依頼した場合には、自社でかけるべき手間や時間を大きく削減することへつながります。その分、経営者は本業へ集中することが可能となります。
補助金の最新情報を教えてもらえる
補助金には非常に多くの種類があるほか、企業向けの補助金がテレビコマーシャルなどで大々的に告知されることはほとんどありません。そのため、自社で申請をする場合には、原則として自ら情報をチェックしにいく必要があります。
しかし、本業で忙しい企業が、補助金の情報にまで常に目を配ることは難しいでしょう。その結果、気づいたときには申請を検討していた補助金の公募期間がすでに過ぎてしまっているなどというケースも少なくありません。
一方、補助金の申請サポートを専門としている専門家は、補助金に関する最新情報を常にチェックしています。そのため、公募開始の情報や前回の公募から変更となった点、最新の採択結果など、最新情報を教えてもらいやすいでしょう。
補助金が採択される可能性が高くなる
専門家が申請に関わったからといって、そのことが直接補助金の加点対象となるわけではありません。しかし、専門家へ申請サポートを依頼した方が、補助金が採択される可能性が高くなるといえるでしょう。
なぜなら、専門家はその補助金の趣旨や目的、審査ポイント、加点項目などを熟知したうえで申請書類を作成するためです。審査員が知りたいポイントに的を絞ったり、審査でプラスとなるアピールポイントを漏れなく訴求する申請書類を作成したりすることで、結果的に採択へとつながりやすくなります。
補助金申請後の注意点を教えてもらえる
補助金は、採択されることがゴールではありません。
ほとんどの補助金において補助金は後払いであり、採択後に事業の実施報告などが必要となります。この実施報告に問題がないと判断されて、ようやく補助金が受け取れるわけです。
自社のみで補助金を申請した場合には、採択後のことまで目を配る余裕がないことも少なくないでしょう。結果的に実施報告に手間取ってしまったり、実施報告に必要な資料が集められずせっかく採択された補助金の受給ができなかったりするケースも存在します。
専門家へ補助金の申請サポートを依頼することで、実施報告など申請後の注意点についてのアドバイスを受けることが可能となります。
事業計画についてのアドバイスが受けられる
多くの補助金で、申請にあたって事業計画書の提出が求められます。この事業計画書をいかに収益性がありかつ説得力のある内容で作成できるのかが、補助採択への大きなポイントの一つであるといえるでしょう。
そのため、専門家へ補助金の申請サポートを依頼した場合には、専門家とともにこの事業計画書を多方面から検討し、練り込むこととなります。
この事業計画書は補助金の申請のためだけに作成をするものではなく、きちんと作り込めば後の経営の羅針盤となり得るものです。補助金申請にあたって事業計画書を練り込んでおくことで、後の事業成功へつながりやすくなるといえるでしょう。
つなぎ融資先の金融機関の紹介が受けられる場合がある
後ほど改めて解説しますが、補助金は原則として事業実施後の後払いです。つまり、申請をした事業を実施する段階では、まだ補助金は手元にありません。
そのため、事業を実施するために必要な資金は、一時的に金融機関からの借り入れや自己資金などでまかなう必要があります。このような際に、一時的に受ける融資のことを「つなぎ融資」といいます。
しかし、これまで金融機関との付き合いの浅かった企業にとっては、つなぎ融資といってもどこの金融機関へ申し込めば良いか悩んでしまうことでしょう。このような際、補助金のサポートを行った専門家からつなぎ融資先の金融機関を紹介してもらえる場合があります。
補助金の申請サポートを行っている専門家は資金調達全体に詳しいことも多く、金融機関とのつながりがある場合が少なくないためです。
特に専門家のサポートを受けるべき補助金
補助金の中には、比較的難易度の低いものと、難易度が高いとされるものが存在します。次の補助金は比較的難易度が高いうえ、採択された際の補助金額も大きなものですので、専門家のサポートを受けて申請をした方が良いでしょう。
- 事業再構築補助金
- ものづくり補助金
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、コロナ禍で誕生した比較的新しい補助金です。コロナ禍で売上が減少した中小企業者等が、思い切った事業の再構築をするにあたって必要となる経費の補助を受けることができます。
補助金額の上限額は従業員数によって異なりますが、従業員数20人以下であっても通常枠で最大2,000万円(従業員数101人以上なら最大8,000万円)とされており、非常に大型の補助金であるといえるでしょう。
ものづくり補助金
ものづくり補助金とは、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。「ものづくり補助金」との略称から製造業などのみが対象であると思われてしまいがちですが、サービス業なども広く対象とされています。
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。
補助金の上限額は補助金の上限額は従業員数によって異なりますが、従業員数5人以下であっても一般型(通常枠)で最大750万円(従業員数21人以上なら最大1,250万円)とされています。事業再構築補助金ほどではないものの、こちらも大型の補助金であるといえるでしょう。
補助金申請サポートを受けた場合の主な流れ
専門家へ補助金の申請サポートを受けた場合の主な流れは、次のとおりです。
- 補助金申請サポートを受ける専門家を選定する
- 申請内容について打ち合わせを行う
- 専門家にて申請書類を作成する
- 補助金を申請する
- 採択か不採択かが決定される
- 補助対象事業を実施する
- 完了報告を行う
- 補助金が交付される
補助金申請サポートを受ける専門家を選定する
はじめに、補助金の申請サポートを依頼する専門家を選定しましょう。専門家を選ぶ際には、過去の実績などを聞くなどして、補助金に詳しい専門家を見極めたうえで依頼することをおすすめします。
申請内容について打ち合わせを行う
専門家へ申請サポートを依頼したら、申請内容について専門家と打ち合わせを重ねます。
きちんとした専門家は、依頼者である事業者が行おうとしている事業の内容をしっかりとヒアリングしたうえで申請書類を作成します。そのため、複数回の打ち合わせを重ねながら、申請内容を練り込んでいくことが多いでしょう。
専門家にて申請書類を作成する
打ち合わせの内容を踏まえて、専門家側で申請書類を作成します。申請書類は、依頼者である事業者と何度か確認を重ねたうえでようやく完成となります。
補助金を申請する
申請書類が完成したら、補助金を申請しましょう。専門家側で申請まで行ってくれるケースと、申請自体は事業者自身で行うケースとがあります。
採択か不採択かが決定される
補助金の公募期間が満了したら、採択か不採択かが決定されます。補助金事務局から連絡が入ることが多いため、結果の連絡が入る方法を専門家へあらかじめ確認のうえ、通知を見落とさないよう注意しておきましょう。
補助対象事業を実施する
採択がされても、すぐに補助金が振り込まれるわけではありません。まずは、申請をした補助事業を実施する必要があります。資金が不足する場合には、あらかじめつなぎ融資を検討し、金融機関へ相談しておきましょう。
完了報告を行う
補助対象事業を実施したら、補助金事務局の指示に従って完了報告を行います。
専門家へ補助金の申請サポートを依頼した場合には、完了報告まで代行してもらえるのか、またその場合の報酬はどの程度かなどについて、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
補助金が交付される
完了報告に問題がないと判断されれば、その後補助金が交付されます。
トライズコンサルティングの補助金サポートの特長
当社トライズコンサルティングでは、補助金の申請サポートを行っています。トライズコンサルティングによる補助金サポートの主な特長は次のとおりです。
- トップコンサルタントから直接サポートを受けられる
- 高い採択率を保持している
- 採択後、補助金受給までトータルでサポートが受けられる
- Zoomを活用した全国対応が可能である
トップコンサルタントから直接サポートを受けられる
トライズコンサルティングに補助金申請サポートをご依頼いただいた場合には、トップコンサルタントから直接コンサルティングやサポートを受けることが可能です。コンサルティングを受けて事業計画を練り込むことで、補助金が採択される可能性が高くなります。
また、コンサルティングを受けて策定した事業計画は、今後の事業成功への道しるべともなるでしょう。
高い採択率を保持している
トライズコンサルティングでは、サポートをした補助金で高い採択率を誇っています。
たとえば、当社における2023年5月までのものづくり補助金の累計採択数は134件、採択率は93.0%です。また、さらに難易度が高いとされる事業再構築補助金の累計採択数は80件、採択率は86.9%でした。
これは、当社が補助金の申請サポートに力を入れており、最新の公募要領や採択傾向などを熟知してサポートを行っているためです。
採択後、補助金受給までトータルでサポートが受けられる
補助金は、採択されたからといってすぐに振り込まれるわけではありません。多くの補助金で、採択後にまず自社で補助対象事業の実施(補助対象とした経費の支出など)を行い、その結果を報告することが必要です。
その報告に問題がないと判断されて、ようやく補助金が交付されます。
しかし、ものづくり補助金や事業再構築補助金など大型の補助金ではこの実績報告にもそれなりの手間がかかり、自社で行えば大きな負担となる可能性が高いでしょう。中には、実績報告などの煩雑さから、せっかく採択された補助金の受給を諦めることさえあるようです。
そこで、当社トライズコンサルティングでは補助金の申請まではもちろんのこと、採択後の実勢報告などについてもサポートできる体制を整えています。そのため、事業者様が自社の本業に注力しやすくなるほか、実績報告がハードルとなって受給を諦める事態を避けることが可能となるでしょう。
Zoomを活用した全国対応が可能である
トライズコンサルティングでは、Zoomなどを活用して全国対応を可能としています。そのため、遠方の事業者様であっても当社にご依頼いただくことが可能であるほか、出張中などであっても場所を選ばず打ち合わせすることが可能です。
補助金の申請サポートを受ける場合の注意点
次に、専門家へ補助金の申請サポートを受ける場合に注意したいポイントを紹介します。
- 事業立案からすべて丸投げはできないことを知っておく
- 補助金サポートする専門家の専門性をよく確認する
- サポート内容をあらかじめよく確認する
- 補助金サポートをうたう悪質業者に注意する
事業立案からすべて丸投げはできないことを知っておく
専門家へ補助金の申請サポートを依頼しても、事業立案の段階からすべてを丸投げできるわけではありません。なぜなら、補助金の採択後にその事業を実際に行うのは専門家ではなく、事業者自身であるためです。
採択のみを目指して机上の空論のみで検討をした事業では熱が入らないばかりか、長期的な成長を見込むことも難しいでしょう。
補助金は本来、「補助金を受け取るために何をしようか」と考えるのではなく、何か行いたい事業があるものの資金が不足する場合や、行おうとする事業の成長速度を早めたい場合などに利用すべきものです。この本来の目的を誤ることのないよう注意しましょう。
補助金サポートする専門家の専門性をよく確認する
補助金の申請サポートを依頼する場合には、その専門家の専門性をよく確認しておきましょう。特定の資格を持っているからといって、すべての資格者が補助金に詳しいわけではありません。
できれば、過去にサポートした補助金の種類や依頼者の業種などを確認しておくことをおすすめします。
サポート内容をあらかじめよく確認する
サポートを依頼する前に、その専門家がどこまでの内容をサポートしてくれるのかをよく確認しておきましょう。特に、採択後の事業実施報告のサポートをしてくれるかどうかは、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
補助金サポートをうたう悪質業者に注意する
補助金のサポートをうたう業者の中には、悪質な業者が混じっている場合があります。
悪質な業者へ依頼してしまうと、はじめに口頭で聞いていた内容とは異なる法外な報酬を請求される可能性がある他、コピペなどの文章で申請書類を作成されてしまい採択が遠のくリスクなどがあるでしょう。
また、場合によっては虚偽申請を持ちかけられる可能性もあります。補助金の虚偽申請や虚偽報告は、重大な違法行為です。「みんなそのくらいやっているよ」などと適当なことをいう業者がいたとしても、絶対に口車に乗ることのないよう注意してください。万が一逮捕されたとしても、業者が守ってくれることはありません。
補助金の申請代行業者の選び方
補助金の申請サポートを行う業者の選び方には見るべきポイントがあります。ここでは一般的な5つの観点を紹介します。すべてのポイントを網羅的に見て、総合的に判断してください。
- 資格
- 専門性
- 実績
- 料金
- 利便性
資格
原則、補助金の申請サポートを行うことに資格は必要ありません。しかし、一定のスキルを持つ証明となるため、適当な資格を持つ専門家への相談が無難でしょう。
補助金の申請サポートに適した資格としては、中小企業診断士や税理士、行政書士などが挙げられます。こうした専門家に依頼することで、悪質な業者に当たる可能性をグッと減らすことができるでしょう。
もちろん、資格を持っているからといって、すべての業者が悪質ではないとは言い切れませんし、資格を持っていない民間のコンサルタント等が実力で劣っているということもありません。あくまでわかりやすい目安の一つとして参考にしてください。
なお、厚生労働省が募集する助成金の申請サポートについては、社会保険労務士の独占業務となっています。
専門性
財務や税務、金融、労務、IT、法律など経営に必要な分野は幅広く、専門家といえどもすべての業務に精通しているわけではありません。そのため、相談しようとしている業者が補助金の申請サポートに適していない可能性もあります。
たとえば、経営コンサルタントの資格である中小企業診断士でも、補助金の申請サポートを行っていない業者が存在します。補助金は申請手続きが特殊であり、慣れた業者でないと却って貴社の経営を混乱させかねません。
業者の行う事業の中で補助金の申請サポートがどの程度の割合を占めているのか、報酬を得たいがためにノウハウは無いが無理に受注してはいないかを見極める必要があります。
実績
事業者が補助金の申請サポートを依頼するのは、「採択を勝ち取りたい」という理由が最も大きいかと思います。ともすれば、申請サポートを依頼する業者の実績は最も気になるところでしょう。
補助金の申請サポートを行う業者の多くは自前のホームページを有しており、これまでの手掛けた件数や採択事例を公表しています。電話等でコンタクトをとる前に事前に実績を調べておきましょう。
また、「経営革新等認定支援機関」のサポートが申請要件となっている補助金では、採択結果に業者の名称が記載されています。余裕があれば公表された実績と照らし合わせてみても良いでしょう。
なお、補助金の事業計画や補助金額と異なり、補助金に採択されたという情報は基本的に公表されています。そのため、業者がどの事業者をサポートし、採択されたかを聞くことに問題はありません。
料金
補助金の申請サポートを依頼した場合、業者へ料金を支払わなければなりません。業者への料金は「着手金」と「成功報酬」で設定されている場合が多くなっています。「着手金」は補助金の採択・不採択に関わらず支払う料金で、「成功報酬」は採択を受けた場合に支払う必要があります。
料金はできるだけ低く抑えたいというのが心情ですが、安さだけで依頼すると失敗してしまいます。補助金申請の流れを把握し、自社に不足しているところを補ってくれる業者を探したうえで、提供されるサービスが料金と見合っているかをよく精査しましょう。
利便性
業者に相談しやすい環境にあるということもとても重要です。なぜなら補助金の申請は短くても数週間、大型なものになれば数ヶ月間をかけて書類の作成などの準備を行う必要があるためです。その際、業者に相談するコストが高ければ、なかなか話が進んでいかないでしょう。
業者と地理的に近いのであれば言うことなしです。特に、以前から付き合いのある顧問税理士や同じ地域で営業している行政書士など身近な専門家に依頼するのであれば問題ないでしょう。
問題は地理的に遠い場合ですが、昨今では「Zoom」やチャットなどのITツールが発達しており、遠隔地でも問題なくコミュニケーションを取ることが可能です。そのため、業者がどの程度ITリテラシーを有しているかも大切です。
2023年10月時点で申請できるおすすめの補助金
2023年10月現在で中小企業が申請することのできる補助金にはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは、特におすすめしたい4つの補助金を紹介します。
- 事業再構築補助金
- ものづくり補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- IT導入補助金
事業再構築補助金
事業再構築補助金はウィズコロナ・ポストコロナの時代の変化に対応するため、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金です。第10回公募から申請類型の創設や売上高減少要件等の撤廃など内容が大きく変更されています。
2023年9月現在募集されている5つの申請類型ごとの補助上限額と補助率は次表のとおりです。
申請類型 | 補助上限額 | 補助率 |
成長枠 | 2,000万円、4,000万円、
5,000万円、7,000万円 |
中小1/2
中堅1/3 |
グリーン成長枠 | <エントリー>
中小:4,000万円、6,000万円、8,000万円 中堅:1億円 |
中小1/2
中堅1/3 |
<スタンダード>
中小:1億円 中堅:1.5億円 |
||
産業構造転換枠 | 2,000万円、4,000万円、
5,000万円、7,000万円 廃業を伴う場合2,000万円上乗せ |
中小2/3
中堅1/2 |
サプライチェーン強靭化枠 | 最大5億円 | 中小1/2
中堅1/3 |
物価高騰対策・回復再生応援枠 | 1,000万円、1,500万円、2,000万円、3,000万円 | 中小2/3(一部3/4)
中堅1/2(一部2/3) |
最低賃金枠 | 500万円、1,000万円、
1,500万円 |
中小3/4
中堅2/3 |
補助上限額は従業員規模により異なります。さらに「成長枠」と「グリーン成長枠」に限り、中小・中堅企業等から中堅・大企業等への規模拡大や大胆な賃上げに取り組む事業者に対して、補助上限額の上乗せや補助率の引き上げなどのインセンティブ措置があります。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は事業者が今後複数年度にわたり相次いで直面する経営環境の変化に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発、生産性を向上させるための設備投資等を支援する補助金です。
2023年9月現在募集されている5つの申請枠ごとの補助上限額と補助率は次表のとおりです。
申請枠 | 補助上限額 | 補助率 | |
通常枠 | 750万円〜1,250万円 | 1/2、2/3(小規模・再生事業者) | |
回復型賃上げ・雇用拡大枠 | 750万円〜1,250万円 | 2/3 | |
デジタル枠 | 750万円〜1,250万円 | 2/3 | |
グリーン枠 | エントリー | 750万円〜1,250万円 | 2/3 |
スタンダード | 1,000万円〜2,000万円 | ||
アドバンス | 2,000万円〜4,000万円 | ||
グローバル市場開拓枠 | 3,000万円 | 1/2、2/3(小規模事業者) |
補助上限額は従業員数に応じて異なります。さらに「回復型賃上げ・雇用拡大枠」などを除き、大幅な賃上げに取り組む事業者は、補助上限額を引き上げて支援されます。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取り組みの経費の一部を支援する補助金です。また、販路開拓等の取り組みと併せて行われる業務効率化の取り組みも対象となります。
2023年9月現在募集されている5つの類型ごとの補助上限額と補助率は次表のとおりです。
類型 | 通常枠 | 賃金引上げ枠 | 卒業枠 | 後継者支援枠 | 創業枠 |
補助上限額 | 50万円 | 200万円 | |||
補助率 | 2/3 |
なお、「賃金引上げ枠」に申請する事業者のうち、赤字事業者の補助率は3/4となります。さらに免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する場合、補助上限額に一律50万円が上乗せされます。
IT導入補助金
IT導入補助金は労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けたITツールの導入を支援する補助金です。補助事業を共に実施するパートナーである「IT導入支援事業者」と連携し、サポートを受けることが申請要件となっています。
2023年9月現在募集されている3つの枠ごとの補助額と補助率は次表のとおりです。
枠/類型 | 通常枠 | デジタル化基盤導入枠 | セキュリティ対策推進枠 | ||||||
A類型 | B類型 | 商流一括インボイス対応類型 | デジタル化基盤導入類型 | 複数者連携IT導入類型 | |||||
補助額 | 5万円〜150万円未満 | 150万円〜450万円以下 | インボイス対応済みの受発注ソフト | 会計・受発注・決済・ECソフト | PC・タブレット等 | レジ・券売機等 | (1)デジタル化基盤導入類型の対象経費(左記同様)
(2)消費動向等分析経費(上記(1)以外の経費) 50万円×参画事業者数 補助上限:(1)+(2)で3,000万円
(3)事務費・専門家費 補助上限:200万円 |
5万円〜100万円 | |
〜350万円 | 50万円以下 | 50万円超〜350万円 | 〜10万円 | 〜20万円 | |||||
補助率 | 1/2以内 | 中小企業・小規模事業者等2/3以内
大企業等1/2以内 |
3/4以内 | 2/3以内 | 1/2以内 | (1)デジタル化基盤導入類型と同様
(2)・(3)2/3以内 |
1/2以内 |
ソフトウェア、システム以外の相談対応等のサポート費用やクラウドサービス利用料等も対象に含まれています。また、「デジタル化基盤導入類型」では、PCなどのハードウェアも対象です。
2023年(令和5年)10月時点での最新スケジュール
2023年(令和5年)10月現在、おすすめしたい補助金の最新スケジュールを紹介します。貴社の申請する補助金の締切を把握し、計画通り準備を進めていってください。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は第11回公募が次のスケジュールで募集されていました。
- 公募開始:2023年8月10日(木)
- 申請受付:2023年9月13日(水)18時
- 応募締切:2023年10月6日(金)18時
当記事執筆時点ではすでに応募は締め切られています。申請を検討されている事業者様は第12回公募に向けて準備を始めていきましょう。第12回公募のスケジュールは公表されていませんが、これまでの傾向から2024年(令和6年)1月ごろに公募開始されると予想されています。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は16次締切分が次のスケジュールで募集されています。
- 公募開始:2023年7月28日(金)17時
- 申請受付:2023年8月18日(金)17時
- 応募締切:2023年11月7日(火)17時
応募締切が11月上旬とかなりタイトなスケジュールとなっています。これから申請準備に取り掛かろうとしている事業者様は次回以降での申請が無難でしょう。
16次締切分の公募要領に記載があるため、少なくとも17次締切分と18次締切分は実施することが見込まれます。なお、補助事業実施の期限は16次締切分同様、2024年(令和6年)12月10日(日)となっていることには注意してください。
IT導入補助金
IT導入補助金は「通常枠(A類型・B類型)」と「セキュリティ対策推進枠」の7次締切分、「デジタル化基盤導入類枠(デジタル化基盤導入類型)」の11次締切分、「デジタル化基盤導入類枠(商流一括インボイス対応類型)」の4次締切分が次のスケジュールで募集されています。
- 締切日:2023年10月30日(月)17時
以降、「デジタル化基盤導入類枠(デジタル化基盤導入類型)」の12次締切分が2023年11月13日(月)締切、「通常枠(A類型・B類型)」と「セキュリティ対策推進枠」の8次締切分、「デジタル化基盤導入類枠(商流一括インボイス対応類型)」の5次締切分、「デジタル化基盤導入類枠(複数社連携IT導入類型)」の4次締切分が2023年11月27日(月)締切で募集される予定です。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は第14回公募が次のスケジュールで募集されています。
- 公募要領公開:2023年(令和5年)9月12日(火)
- 申請受付開始:2023年(令和5年)9月12日(火)
- 申請受付締切:2023年(令和5年)12月12日(火)
申請期限まで1月以上猶予があるため、今からでも十分な準備ができるでしょう。なお、申請に必須の「事業支援計画書(様式4)」は、商工会や商工会議所が発行する書類で、受付締切は2023年12月5日(火)となっています。
まとめ
補助金申請のサポートについて相談すべき相手やメリット、注意点について解説しました。
申請サポートを依頼したからと言って必ず採択されるというわけではありません。しかし、詳しい専門家に相談することで自社単独で申請するよりも有利に手続きを進めることができるでしょう。
特に、難易度の高いものづくり補助金や事業再構築補助金の場合、申請サポートを依頼している申請者も多く、頼れる相談相手を見つけることも補助金申請の重要な作業の一つと言えるでしょう。
補助金申請のサポートのご相談は当社トライズコンサルティングまでご連絡ください。貴社の事業発展に向けて、満足度の高いサービスの提供をお約束いたします。