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【2022】中小企業におすすめの補助金は?補助金別の特徴と活用するメリット

中小企業の補助金

新たな事業の展開や、業務プロセスの改善に取り組みたいと考えている中小企業は多くあります。特に2020年度以降、新型コロナウイルスの影響で商品・サービスの提供方法の転換やリモートワーク等社内の働き方や生産工程の転換を求められています。

新たなチャレンジを行う際に、中小企業として課題となるのがやはり資金面ですが、補助金を活用することによって負担の軽減を図ることが可能となります。当記事では、中小企業が補助金を活用するメリットから2021年度おすすめの補助金、申請する際の注意点を解説します。

中小企業が補助金を活用するメリット

申請した補助金

補助金は、主に経済産業省や地方自治体等が掲げている政策を達成するための制度です。企業などが政策目標に沿った事業を展開していく際に、その実施のサポートとしてお金を受け取ることができます。

具体的には、事業を進めていく上で必要な、設備投資、IT投資、商品・サービス開発、販路開拓、海外進出等にかかる費用に対して一部補助を受けることが可能です。大企業と比較し資金力の乏しい中小企業にとって、補助金を活用することのメリットは多いため、検討してみる価値があります。主なメリットを3つ紹介しましょう。

  • 返済不要である
  • 会社の信用力が上がる
  • 事業の成長につながる

返済不要である

補助金は、基本的には返済義務がありません。

事業を進めていく上で必要な投資を行う際、中小企業の主な資金調達方法は金融機関からの借り入れです。借入金は当然、返済が必要であり、また利子も支払う必要があります。

しかし、補助金は返済義務がないため、中小企業にとって負担の少ない資金調達手段と言えます。

会社の信用力が上がる

補助金の受給に際しては、審査があります。補助金を交付する側も、国の政策目標を達成するという目的のために、有望で価値のある事業を選定し支援しようとします。

審査については、事業計画そのものはもちろん、「本当に計画の実行が可能か」という視点で、経営基盤や財務基盤の安定性や組織体制も評価されます。補助金の審査に通ったということは事業、ひいては会社に価値があると判断されたとも言え、お金だけでなく金融機関や取引先や従業員からの信用も得ることができます。

事業の成長につながる

補助金にはさまざまな種類があり、創業当初に利用できるものや新たな事業を行う際に利用できるものなど、会社の事業の段階に合わせて活用することが可能です。事業への投資はリスクを伴い、実行しても100%成功するとは限らないため、資金的に余裕のある企業でも躊躇します。

しかし、補助金を活用し投資のリスク低減を行うことで、思い切った事業展開が行え、事業の成長につながる可能性があります。

中小企業におすすめの補助金

では、中小企業におすすめの補助金を5つ紹介していきましょう。2020年度は新型コロナウイルスの影響で多くの企業が打撃を受けたこともあり、これまでの業態や働き方、生産プロセスの転換に係る補助金が充実しています。

  • 事業再構築補助金(中小企業等事業再構築促進事業)
  • ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業)
  • 持続化補助金(小規模事業者自足的発展支援事業)
  • IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)
  • 事業承継・引継ぎ補助金(事業承継・事業引継ぎ推進事業)

事業再構築補助金(中小企業等事業再構築促進事業)

事業再構築補助金は、2021年度の目玉となる補助金として注目されています。中小企業向けとしてはかなり大型の補助金となっており、1兆円を超える予算がついています。

新型コロナウイルスの影響で売上が減少している中小企業が、新規事業分野への進出等、思い切った事業の再構築を行う際に支援を受けられる補助金です。「事業再構築」の具体的なイメージとしては、例えば小売店舗による衣服販売業を営んでいる事業者が、新型コロナウイルスの影響で売上が減少したため、店舗を縮小し、ネットショップでの販売に業態を転換する等が挙げられます。

特徴①:申請には売上減少の要件がある

新型コロナウイルスの影響で売上が落ち、事業の転換が求められている企業が対象であるため、売上減少要件があります。具体的には、申請前の直近6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月間の合計売上高が、新型コロナウイルス以前の同3ヶ月の合計売上高と比較して、10%以上減少している必要があります。

特徴②:補助金額が大きい

中小企業(卒業枠)では補助額6,000万円超~1億円以下、そして補助率は2/3となっています。卒業枠は400社までとなっていますが、かなり規模の大きな補助金となっています。

特徴③:建物費や広告宣伝費も補助対象

これまでの補助金には珍しく、建物費や広告宣伝費も補助対象となっています。ただし、建物費は建物の建築や改修に要する経費となっており、不動産の購入費は対象外となっているため注意が必要です。

また、株式の購入も補助対象外となっているため、M&A等で事業再構築補助金は使えません。

概要

項目 内容
主要申請要件
  • 売上が減っていること
  • 事業再構築に取り組むこと
  • 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること
補助額・補助率 【中小企業】

  • 通常枠:補助額100万円~6,000万円 補助率2/3
  • 卒業枠:補助額6,000万円超~1億円 補助率2/3

【中堅企業】

  • 通常枠:補助額100万円~8,000万円 補助率1/2(4,000万円超は1/3)
  • グローバルV字回復枠:補助額8,000万円超~1億円 補助率1/2
補助対象経費
  • 基本的に設備投資を支援するもので、設備費のほか、建物の建設費、建物改修費、撤去費、システム購入費も補助対象
  • 新事業開始に必要な、研修費、広告宣伝費、販売促進費も補助対象
スケジュール 2021年3月公募開始予定
公式ホームページ https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/index.html

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業)

ものづくり補助金は、製品開発・サービス開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資、システム構築等に対して支援を受けられる補助事業です。「ものづくり補助金」という名称ですが、ものづくりをしている製造業だけでなく小売業やサービス業等も対象となります。

新型コロナウイルスを機に対面接触の減少につながるような設備投資等に対しての枠も設けられています。補助額は100万円~1,000万円、補助率は3/4です(低感染リスク型ビジネス枠の場合)。

特徴①:設備投資やシステム構築に対して補助を受けられる

中小企業が製品開発・サービス開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資や、システム構築等に対して補助を受けることができます。事業再構築補助金は売上減少要件がありましたが、ものづくり補助金では新型コロナウイルスの影響で売上が減っていなくても申請可能です。

特徴②:低感染リスク型ビジネス枠における補助内容の拡充

低感染リスク型ビジネス枠とは、新型コロナウイルスの影響を受け、社会経済の変化に対応したビジネスモデルへの転換に向けた投資のことで、具体的には以下の3つです。

  • 物理的な対人接触を減じることに資する革新的な製品・サービスの開発
  • 物理的な対人接触を減じる製品・システムを導入した生産プロセス・サービス提供方法の改善
  • ポストコロナに対応するビジネスモデルの抜本的な転換に係る設備・システム投資

低感染リスク型ビジネス枠では、補助率が1/2から2/3へ拡充され、また従来のものづくり補助金では対象外だった広告宣伝・販売促進費も補助対象となります。

概要

項目 内容
主要申請要件 以下を満たす3~5年の事業計画の策定及び実行

  • 付加価値額 +3%以上/年
  • 給与支給総額 +1.5%以上/年
  • 事業場内最低賃金≧地域別最低賃金+30円
補助額・補助率 補助上限 :

  • [一般型] 1,000万円
  • [グローバル展開型] 3,000万円

補 助 率 :

  • [通常枠] 中小企業 1/2、 小規模企業者・小規模事業者 2/3
  • [低感染リスク型ビジネス枠] 2/3
補助対象経費
  • 通常枠:機械装置、システム構築費他
  • 低感染リスク型ビジネス枠:通常枠の経費に加え、広告宣伝費・販売促進費も対象
スケジュール 6次締切

  • 公募開始:2021年2月22日
  • 申請期間:2021年4月15日~5月13日
公式ホームページ https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.html

持続化補助金(小規模事業者自足的発展支援事業)

持続化補助金は、小規模事業者等が地域の商工会議所または商工会の助言等を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って販路開拓に取り組む場合に費用の補助を受けられる補助金です。ホームページの作成や改良、ウェブサイトでの広告等が補助の対象となります。

公募の開始後、通年で受付が行われており、約4ヶ月ごとに受付を締め切って、受付回ごとに審査が行われます。費用は事業再構築補助金やものづくり補助金と比較すると少額ですが、小規模事業者が比較的利用しやすい補助金です。補助上限額は100万円、補助率は2/3です(低感染リスク型ビジネス枠の場合)。

特徴①:小規模事業者が対象

持続化補助金は、小規模事業者が対象となるため注意が必要です。小規模事業者とは業種と人数で定義されています。

業種 人数
商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他 常時使用する従業員の数 20人以下
低感染リスク型ビジネス枠において補助上限・補助率が拡充されている

持続化補助金もものづくり補助金と同様に低感染リスク型ビジネス枠が設けられています。通常枠の補助上限は50万円、補助率は2/3ですが、低感染リスク型ビジネス枠では補助上限100万円、補助率3/4に拡充されています。

低感染リスク型ビジネス枠の事例としては、飲食店が大部屋を個室にするための間仕切り設置を行い、予約制とするためのシステムを導入する等、ポストコロナ社会を見据えた対人接触機会の減少に貢献するようなビジネスモデルへの転換があげられています。

【内容】

項目 内容
主要申請要件 ・小規模事業者であること

・経営計画を策定していること 他

補助額・補助率 【通常枠】

補助上限額:50万円 補助率:2/3

【低感染リスク型ビジネス枠】

補助上限額:100万円 補助率:3/4

 補助対象経費 機械装置、広報費、展示会等出展費他
スケジュール 公募開始:2020年3月10日

申請受付開始:2020年3月13日

第5回受付締切:2021年6月4日

第6回受付締切:2021年10月1日

第7回受付締切:2022年2月4日

公式ホームページ https://r1.jizokukahojokin.info/

 

IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)

ITツールの導入を検討している中小企業・小規模事業者等を対象としている補助金です。複数の業務工程を広範囲に非対面化する業務形態の転換が可能なITツールの導入に対して支援を受けることができます。

また、テレワーク対応の枠も設けられており、テレワーク用のクラウド対応したITツールの導入も補助を受けることができます。補助額は30万円~450万円、補助率は2/3です。(低感染リスク型ビジネス枠の場合)

特徴①:ITツールの導入に対して支援を受けることができる

IT導入補助金は、ITツールを使って課題を解決しようとする企業を支援する補助金です。例えば、「社内の情報共有がうまくいかない」といった課題に対し、スケジュール共有機能や文書管理機能の付いたグループウェアを導入するケースや手作業で行っている経理業務をRPA等の自動化ツールを導入するといったケースです。

特徴②:PC・タブレット等ハードウェアのレンタル費用も補助対象

新型コロナウイルス感染症への対策でテレワークへ移行する中小企業の増加を踏まえ、テレワーク用のソフトウェア購入費用だけでなく、ソフトウェアの利用に必要不可欠なPC・タブレット等のハードウェアのレンタル費用も補助対象となります。

概要

項目 内容
主要申請要件 中小企業及び小規模事業者
補助額・補助率 【通常枠】

  • 補助額:30万円~450万円 補助率:1/2

【低感染リスクビジネス枠】

  • C類型(低感染リスク型ビジネス類型)
  • 補助額:30万円~450万円 補助率:2/3
  • D類型(テレワーク対応類型)
  • 補助額:30万円~150万円 補助率:2/3
補助対象経費 【通常枠】

  • ソフトウェア費及び導入関連費

【低感染リスクビジネス枠】

  • PC・タブレット等のレンタル費用も対象
スケジュール
  • 公募開始:2021年2月26日
  • 申請受付開始: 2021年4月上旬頃
公式ホームページ https://www.it-hojo.jp/

事業承継・引継ぎ補助金(事業承継・事業引継ぎ推進事業)

事業承継・引継ぎ補助金は、新型コロナウイルスの影響で休廃業を行う企業が増えている中で、中小企業の雇用や技術等の貴重な経営資源を次世代へ引継ぎ、地域のサプライチェーンを維持するため、事業の引継ぎを後押しするための補助金です。

創業支援型、経営者交代型、M&A型、専門家活用型の類型があり、M&A型では補助上限額800万円、補助率2/3です。

特徴①:事業承継や引継ぎに係る費用が補助対象

事業承継・引継ぎを契機とする新たな取組(設備投資、販路開拓等)や廃業を実行する際に係る費用、事業引継ぎ時の士業専門家の活用費用(仲介手数料、デューデリジェンス費用、企業概要書作成費用等)の一部補助を受けることができます。

特徴②:4つの類型がある

事業承継・引継ぎ補助金では以下の4つの類型があります。

支援類型 対象
創業支援型 他の事業者が保有している経営資源を引き継いで創業した事業者
経営者交代型 親族内承継等により経営資源を引き継いだ事業者
M&A型 M&A(株式譲渡、事業譲渡等)により経営資源を引き継いだ事業者
専門家活用型 事業引継ぎ時の士業専門家の活用費用の補助

創業支援型、経営者交代型、専門家活用型の類型では補助上限400万円、補助率2/3となっており、M&A型の類型では補助上限が800万円、補助率2/3となります。

概要

2021年3月現在では「事業承継・引継ぎ補助事業」を実施する事務局の公募段階となっています。公募要領が公表された段階で詳細な申請要件やスケジュールが開示されます。

中小企業が補助金を申請する際の注意点

中小企業にとってメリットが多い補助金ですが、申請にあたっては注意しなければならない点があります。ここでは、主な注意点を3つ紹介します。

  • 必ずもらえるとは限らない
  • 原則後払いとなる
  • 公募期間が短い

必ずもらえるとは限らない

補助金は、申請すればかならずもらえるわけではありません。まず、補助金には企業の規模や事業に関して申請する際の要件があり、それを満たす必要があります。

次に、要件を満たし申請を行っても、事業計画の内容や実現可能性についての審査があります。審査で落ちてしまうと補助金をもらうことができません。補助金ありきの事業計画は注意が必要です。

原則後払いとなる

経費や設備投資の補助については後払いとなるため、まず自社の資金で支払いをしなければなりません。財務基盤が良好な会社は問題ないことが多いですが、資金繰りに注意しておく必要があります。

公募期間が短い

補助金は、公募が始まってからの申請期間が1ヶ月程度と短期間のものも多いです。その間に申請要件の確認や資格を証明する書類を揃えたり、さらに申請書の作成や事業計画の作成も必要となったり、大変な作業となります。

補助金の申請についてはある一定のパターンがあるため、補助金申請に慣れていない中小企業については、補助金の概要が発表された段階で専門家に相談し、事前準備しておくことも有効です。

まとめ

活用したい補助金

今回は、2021年度に中小企業が使えそうなおすすめの補助金を紹介しました。

  • 大注目の「事業再構築補助金」
  • 設備投資に使える「ものづくり補助金」
  • 販路開拓に使える「持続化補助金」
  • ITツールの導入に使える「IT導入補助金」
  • 事業承継に使える「事業承継・引継ぎ補助金」

公募がこれからの補助金もあるため、当サイト「補助金バンク」含め、随時アップされる情報をチェックしてみてください。

また、補助金にはメリットもありますが、注意点もあります。かけた労力が無駄に終わらないように、専門家への相談もぜひ視野に入れてみてください。

当社補助金バンクには、補助金申請の専門家が数多く所属しています。補助金の活用をご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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