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「先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金」とは?補助額とその他の省エネ補助金

省エネ補助金

エコに対する関心の高まりから、地球環境に配慮した事業活動や環境活動を行う企業が増えています。この情勢を受け、政府はこのような”エコ”な事業者に対する補助金として「先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金」を実施しています。今回は、この補助金について、その概要や対象事業をご紹介します。

先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金とは

令和3年度から、「先進的エネルギー投資促進支援事業費補助金」が実施されます。これは、令和3年度の概算要求額が300億円を超える補助金です。

まずは、先進的エネルギー投資促進支援事業費補助金がどのような補助金なのかについて解説していきます。

省エネ補助金の一種

先進的エネルギー投資促進事業費補助金は、いわゆる「省エネ補助金」の一種です。省エネ補助金の歴史は古く、その端緒は昭和54年にまで遡ります。

昭和54年6月22日に「エネルギーの使用の合理化に関する法律」が制定されました。エネルギーの使用の合理化を進めるための措置を講じることで、国民経済を発展させることを目的とされるこの法律は「省エネ法」と呼ばれ、法律として制定されたことで省エネは国家全体として取り組まねばならない課題と捉えられました。

これに伴い、政府から省エネを実現するための取り組みを支援するための政策が打ち出されます。この政策の中止を担うのが「省エネ補助金」です。省エネ補助金は、省エネのために必要な設備の導入や改修といった取り組みを講じる際に、それにかかる費用の一部または全額を支給する補助金です。

省エネ補助金には、今回紹介する「先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金」以外にも

  • 住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業費補助金
  • 地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金

などいくつか種類があります。

これら省エネ補助金の共通するメリットは、設備導入・改修コストの削減、最先端機器導入によるランニングコスト削減、初期投資コスト削減による投資回収年数の短期化にあります。省エネに対する取り組みは環境に優しいだけでなく、ランニングコストの削減など経営にとっても恩恵をもたらします。省エネの取り組みにかかる費用を援助してくれる省エネ補助金は、非常に有益な制度だと言えるでしょう。

そして、そんな省エネ補助金の中核を担うのが「先進的エネルギー投資促進支援事業費補助金」です。工場や事業場において、エネルギー消費効率の高い省エネ設備や省エネシステムを導入する、もしくは交換するといった際にかかる費用を援助してくれます。

令和2年度までは「エネルギー使用合理化等事業者支援事業」とう名称でしたが、令和3年度より名称が変更されました。多額の予算が毎年継続して計上される、省エネ補助金の定番とも言えるでしょう。

先進的エネルギー投資促進支援事業費補助金は、令和3年から令和12年までの10年間の事業であり、令和12年度までに、本事業含む省エネ設備投資の更なる促進により、原油換算で1,846万キロリットルの削減に寄与することを目的としています。

公募期間は2021年1月頃から

令和3年度の先進的省エネルギー投資促進支援事業補助金の公募期間は、2021年1月22日(金)〜2月22日(月)となっています。補助金の支給を検討している場合、早めに申請準備に取り掛かりましょう。

設備のエネルギー効率改善が補助対象

先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金は、次の4つの事業を対象にしています。

  • ①先進事業
  • ②オーダーメイド型事業
  • ③指定設備導入事業
  • ④エネマネ事業

①の先進事業とは、高い技術力や省エネ性能を有しており、今後、導入ポテンシャルの拡大等が見込める先進的な省エネ設備等の導入を行う省エネ投資を指します。先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金は、この先進事業を重点的に支援します。「先進的な省エネ技術等に係る技術評価委員会」にて検討・審査された先進的な省エネ設備等に係る評価基準に適合する設備等を事前登録し、当該設備等の導入が重点的に支援されることとなります。

②のオーダーメイド型事業とは、個別設計が必要な特注設備等の導入を含む設備更新やプロセス改修、複数事業者が連携した省エネに対する取り組みを指します。

③の指定設備導入事業とは、省エネ性能の高い特定のユーティリティ設備、生産設備等への更新を指します。従来設備と比較して優れた省エネ性能を有する設備への更新が支援されることとなります。

④のエネマネ事業とは、エネマネ事業者とエネルギー管理支援サービスを締結し、EMS制御や運用改善により効率的・効果的な省エネ取り組みを指します。エネマネ事業者の活用による効率的・効果的な省エネ取り組みが支援されることとなります。なお、エネマネ事業者とは、エネルギー管理支援サービスを通じて工場・事業場等への省エネを支援する者を言います。

対象になる設備

先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金は、設備単位でも支給対象を定めています。この場合、補助対象経費は設備費のみとなりますので、人件費などは支給対象に含まれません。支給対象となる設備は以下の9種類です。

  • 高効率空調
  • 産業ヒートポンプ
  • 業務用給湯器
  • 高性能ボイラ
  • 高効率コージェネレーション
  • 低炭素工業炉
  • 変圧器
  • 冷凍冷蔵庫
  • 産業用モータ

先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金の額

続いては、先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金を申請し採択された場合、どれくらいの補助金が支給されるのかについて紹介していきましょう。

補助率

一事業当たりの補助率は、それぞれ以下のようになります。

先進事業

  • 中小企業等2/3以内、大企業等1/2以内

オーダーメイド型事業

  • 中小企業等12/2以内、大企業等1/3以内

ただし、投資回収年数が5年以上7年未満の省エネ投資事業の場合、中小企業等1/3以内、大企業等1/4以内となります。

指定設備導入事業

指定設備の設備種・スペック等ごとに算出・設定する定額となります。この定額設定については、経済産業省が各業界団体へ行ったヒアリング・調査結果等を基に決定されることとなります。

エネマネ事業

  • 中小企業等1/2以内、大企業等1/3以内。

なお、「中小企業等」とは、次のものをを指します。

  • 中小企業者(中小企業基本法第2条に規定する中小企業者であって、みなし大企業を覗く)
  • 個人事業主
  • 中小企業団体等及び会社法(平成17年法律第86号)条の会社(株式会社・合同会社・合資会社・合名会社・有限会社)以外の従業員が300人以下の会社

また、「大企業等」とは、「中小企業等」以外の法人を指します。大企業等より中小企業等の方が補助率が高めに設定されています。

補助額

令和3年度の先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金の具体的な補助額は、経済産業省と資源エネルギー庁の協議により決定される見込みです。

以下、令和2年度(エネルギー使用合理化等事業者支援事業)の、年度あたりに支給される補助金の上限額と下限額を紹介します。令和3年度(先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金)との区分けが異なりますので、参考としてご覧ください。

省エネルギー設備導入事業のうち、一般事業

  • 上限額3億円、下限額100万円

 

省エネルギー設備導入事業のうち、大規模事業

  • 上限額15億円、下限額100万円

 

省エネルギー設備導入事業のうち、連携事業

  • 上限額15億円、下限額100万円

 

エネマネ事業

  • 上限額1億円、下限額100万円

省エネ補助金の種類はさまざま

省エネ補助金は、今回紹介した「先進的エネルギー投資促進支援事業費補助金」以外にも実施されています。ここでは、代表的な省エネ補助金を紹介していきます。

住宅・建築物受給一体型省エネルギー投資促進事業

住宅・建築物受給一体型省エネルギー投資促進事業は、省エネ実現と省エネの導入により、年間の一次エネルギー消費量の収支ゼロを目指した住宅、ビルのネット・ゼロ・エネルギー化を中心に、民生部門の省エネ投資の促進を目的とする補助金です。

本補助金の管轄は経済産業省であり、次の3つを補助対象としています。

  • ネット・ゼロ・エネルギーハウスの実証支援
  • ネット・ゼロ・エネルギー・ビル
  • 次世代省エネ建材の実証支援

令和3年度予算案額は83.9億円となっています。補助率は2/3以内で、上限額は5億円です。なお、上記3つの補助対象のうち、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)は環境省が管轄する「ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業」と連携しています。

中小企業等に対するエネルギー利用最適化推進事業

中小企業等に対するエネルギー利用最適化推進事業は、エネルギー利用最適化診断や地域プラットフォームの建築など、中小企業等のエネルギー利用最適化を推進するための支援を目的として補助金です。エネルギー利用最適化診断・情報適用事業、地域のエネルギー利用最適化取組支援事業の2つの事業を補助対象としています。令和3年から令和7年までの5年間の事業を対象に、令和12年の省エネ効果235.3万キロリットルを成果目標としています。

本補助金の管轄は経済産業省であり、令和3年度予算案額は8.2億円となっています。

工場・事業場のおける先導的な脱炭素化取組

工場・事業場のおける先導的な脱炭素化取組は、工場・事業場の設備更新、電化・燃料転換、運用改善による脱炭素化に向けた取り組みを支援することを目的として補助金です。事業部門・産業部門における2030年目標や2050年目標の達成に向けて、

  • 工場・事業場における先導的な脱炭素化に向けた取組の推進
  • 脱炭素化に向けてさらなる排出削減に取り組む事業者の視野を拡大

の2つが事業目的となっています。

管轄は環境省であり、令和3年度予算要求額は40億円となっています。補助対象となる事業内容は次の2つです。

  • 脱炭素化促進計画の策定支援
  • 設備更新に対する補助

前者は補助率1/2・補助上限額100万円で、後者は補助率1/3・補助上限額は最大5億円です。

令和3年度既存建築物省エネ化推進事業

令和3年度既存建築物省エネ化推進事業は、住宅・建築物における「新たな日常」への対応と省エネ化・長寿化の推進を目的とした補助金です。住宅団地等におけるコワーキングスペース等の整備によるテレワーク環境の整備に対する支援の強化や、市街地再開発事業等において防災性能、省エネルギー性能の向上や子育て世帯の配慮といった政策課題への対応・優良な性能を有する先導的な住宅・建築物の整備への支援の強化する補助金です。

管轄は国土交通省であり、令和3年度予算案額は約75億円となっています。公募期間は2021年4月〜5月頃の予定です。

地方公共団体実施の省エネ補助金

地方公共団体も省エネ補助金を実施する可能性があります。令和2年度は、東京都が「LED照明等節電促進補助金」を実施していました。この補助金は製造業限定で、関東及び山梨県に工場がある中小企業が対象となっています。公募期間は令和3年1月29日までです。埼玉県も、「埼玉県民間事業者CO2排出削減設備導入補助金」を実施していました。

このように、国だけでなく地方公共団体も省エネ補助金を実施しています。今後も令和3年度に新たな省エネ補助金が実施される可能性もあるため、定期的に情報をチェックすると良いでしょう。

まとめ

先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金を中心に、省エネ補助金についてご紹介しました。省エネ設備の投資は環境に優しいだけでなく、最新の設備導入による業務の効率化やランニングコスト削減といったメリットもあります。

省エネ補助金は、このよう設備導入などにかかる費用の一部または全部を支給してくれる非常に有益な補助金です。企業の生産性向上やコスト削減に役立つ省エネ補助金の活用を検討してみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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