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ものづくり補助金とは、中小企業などの革新的なサービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善などを支援する補助金です。従来から存在する補助金であり、大型の補助金の一つといえるでしょう。
今回は、2023年度におけるものづくり補助金の方針について、最新情報を解説します。
ものづくり補助金とは
ものづくり補助金は、中小企業等が取り組む革新的サービスや試作品の開発、生産プロセスの改善のために行う設備投資等に要する費用の一部を支援する補助金です。中小企業向けの補助金として大変人気があり、競争率も高い制度です。
この記事では、2023年に募集されるものづくり補助金の内容や採択を受けるためにライバルに差をつけるポイントについて解説します。
2023年のものづくり補助金の見直しと拡充点
2022年11月8日(火)に令和4年度第2次補正予算が閣議決定され、2023年に募集されるものづくり補助金の方針が公表されました。2022年も新型コロナや賃上げなどの影響を受け、制度が拡充されましたが、2023年でもさらなる見直しが行われています。
大幅な賃上げへの上乗せ支援
補助事業期間終了後3~5年で次の2点いずれも満たす賃上げを行った事業者に対して、従業員数に応じて補助上限が100万円、250万円、1,000万円引き上げられます。
- 給与支給総額年平均6%増加
- 事業場内最低賃金を年額45円以上引上げ
ただし、後ほど解説する「回復型賃上げ・雇用拡大枠」において活用はできません。なお、要件未達の場合には、上乗せ部分について全額返還が求められます。
グリーン枠の拡充
「グリーン枠」について、その取り組みの段階に応じ、3段階の補助上限額が設定され、より利用しやすくなりました。また、親取引企業から要請を受けて温室効果ガスの排出削減に取り組む事業者には、審査の際に加点されます。
海外展開支援の強化
「グローバル展開型」を「グローバル市場開拓枠」と改め、補助下限額が1,000万円から100万円に引き下げられました。これにより使い勝手が向上し、一部の類型ではブランディングやプロモーションのための「広告宣伝・販売促進費」が補助対象経費に追加されています。
認定機器・システム導入型の新設
業種・業態に共通する生産性向上の課題に対し、事務局に設置する委員会が認定した課題解決に資する機械装置・システムの導入を支援する仕組みの新設が次年度以降に予定されています。委員会の認定を受けた機械装置・システムの導入に際し、補助上限の引上げや優先採択などの特別型で重点的に支援される予定です。
その他の見直しと拡充点
その他次の変更が計画されています。
- 補助対象者として「社会福祉法人」を追加
- 「ビジネスモデル構築枠」の廃止
また、中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組みを切れ目なく支援するため、令和6年度(2024年度)までの長期的な事業実施が予定されています。
2023年のものづくり補助金の5つの申請類型
2023年のものづくり補助金では、5つの申請類型による公募が予定されています。それぞれ申請類型の目的や補助上限額、補助率を説明します。
通常枠
新製品や新サービスの開発、生産プロセスの改善に必要となる設備投資および試作品の開発の支援を目的としています。補助上限額は従業員数に応じて750〜1,250万円、補助率は1/2です。なお、小規模事業者や再生事業者の補助率は2/3に拡充されています。
回復賃上げ・雇用拡大枠
業況が厳しい事業者が賃上げ・雇用拡大に取り組むための革新的な製品・サービスの開発または生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資への支援を目的としています。補助上限額は従業員数に応じて750〜1,250万円、補助率は2/3です。
デジタル枠
DXに資する革新的な製品・サービスの開発または生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資への支援を目的としています。補助上限額は従業員数に応じて750〜1,250万円、補助率は2/3です。
グリーン枠
温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発または炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資への支援を目的としています。従業員数や取り組みの段階に応じ、次のとおり補助上限額が設定されています。
- エントリー:750〜1,250万円
- スタンダード:1,000〜2,000万円
- アドバンス:2,000〜4,000万円
なお、補助率は一律で2/3となっています。
グローバル市場開拓枠
海外事業の拡大を目的とした設備投資に対して支援されます。補助上限額は3,000万円で、従来1,000万円であった補助下限額が100万円に引き下げられています。補助率は1/2ですが、小規模事業者や再生事業者は2/3となります。
2023年のものづくり補助金に採択されるポイント
ものづくり補助金の採択率は、平均して30〜40%ほどと狭き門です。ここでは、採択率を少しでも高めるために、取り組むべきことについて解説します。ものづくり補助金の応募開始前に取り組んでおくことで、申請を有利に進めることができるでしょう。
自社の状況を分析する
補助金の採否を左右する最も大きな要因は、事業計画です。
ものづくり補助金を使って取り組む事業は、自社や自社を取り巻く経営環境、市場や競合の状況から論理的に導き出された内容である必要があります。そのため、それらの詳細な分析が必要になり、分析するためには日頃のデータの取得・整理が欠かせません。
加点項目を押さえる
補助金には多くの場合、一定の要件を満たすことで得られる加点項目があります。2023年のものづくり補助金についてはまだ公表されていませんので、2020年の公募で設定されていたものを参考としていくつか抜粋します。
- 有効な期間の「経営革新計画」の承認
- 「パートナーシップ構築宣言」の公表
- 有効な期間の「事業継続力強化計画」の認定
この他、さまざまな加点項目がありますので、貴社で満たせるものはないか検討してみてください。
信頼できるパートナーを見つける
ものづくり補助金は事業者からの注目度が高い制度で、毎回応募が殺到します。そんな中から選ばれて、採択を受けるためには自社以外の補助金に強い専門家に頼るということも重要な戦略です。
しかし、そうした事業者を狙った悪質な業者も少なくありませんので、パートナー探しは慎重に行う必要があります。
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まとめ
2023年に募集されるものづくり補助金の内容と採択を勝ち取るためのポイントについて解説しました。見直しや拡充がされたことで、より一層使いやすい制度になった反面、より厳しい競争になることが想定されます。信頼できる専門家を見つけ、早目に準備をしていきましょう。
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