1. トップページ
  2. コラム
  3. 事業再構築補助金の第1回公募の採択率は?採択結果の考察と第2回以降の申請ポイント

事業再構築補助金の第1回公募の採択率は?採択結果の考察と第2回以降の申請ポイント

事業再構築補助金の第1回公募の採択率

事業再構築補助金の第1回公募の結果が発表されました。大方の予想に反し、大変厳しい結果となりました。巷では「祭りは終わった」と落胆されている事業者さまの声をよく耳にします。

しかし、補助金申請はまだ始まったばかりです。1回申請したら次は申請できないという制限はありません。第2回以降の公募への申請に向け、次回からどこに気をつければ良いのか、第1回の採択結果(事業再構築補助金のページを参照)を振り返りながらポイントをまとめます。

第1回公募の採択結果まとめ

第1回公募の採択結果の概要は次のとおりです。

件数(単位:者数) 中小企業等 中堅企業等 合計
通常枠 特別枠 卒業枠 通常枠 特別枠 V字回復枠
①システムで受け付けた件数

(応募件数)

16,897 5,167 80 71 14 2 22,231
②うち、書類不備がなく、申請要件を満たした件数

(申請件数)

14,783 4,315 69 60 11 1 19,239
③採択件数 5,092 2,859 45 12 7 1 8,016
  • 第1回公募の応募件数は22,231件。このうち申請要件を満たしたものは19,239件。
  • 厳正に審査を行った結果、8,016件が採択された。

よく比較される「ものづくり補助金」と比べると非常に低く、全体で36.1%の採択率となりました。そのうち、書類に不備などがあり、そもそも読んですらもらえなかった計画書も3,000件近くあるようです。

1回目の公募ということでおそらく採択率が高いのだろうという憶測が先走り、「とりあえず出してしまえ!」ということで提出された事業者も多かったことが想像されます。

業種による採択率

第1回公募の業種別の採択率の概要は次のとおりです。

業種 応募件数(N=22,231) 採択件数(N=8,016)
D.建設業 8.6% 6.7%
E.製造業 23.2% 31.7%
G.情報通信業 4.7% 3.7%
H.運輸業、郵便業 1.4% 1.2%
I.卸売業、小売業 14.9% 12.4%
K.不動産業、物品賃貸業 3.9% 2.1%
L.学術研究、専門・技術サービス業 6.4% 4.5%
M.宿泊業、飲食サービス業 18.0% 21.8%
N.生活関連サービス業 6.7% 6.1%
教育、学習支援業 2.0% 2.0%
P.医療、福祉 2.8% 2.0%
R.サービス業(他に分類されないもの) 5.6% 4.4%
その他の分類 1.8% 1.5%
  • 日本標準産業分類で応募割合・採択割合を分析すると、特に製造業、宿泊業・飲食 サービス業、卸売・小売業が多く、この3業種で全体の約6割を占めている。
  • その他の業種についても幅広い業種で応募・採択されている

応募の段階では23.2%を占める製造業が、採択結果の割合で31.7%を占めており、一番割合が多い業種となっています。続いて宿泊業、飲食サービス業が21.8%と多くなっています。

補助金額による採択率と応募金額の分布

第1回公募の補助金額による採択率と応募金額の分布の概要は次のとおりです。

  • 応募金額及び採択金額の分布(全類型合計)を1,500万円単位で分析すると、100~1,500万円が最も多く、全体の4割以上を占めている。次いで4,500万円以上の案件が約3割程度となっている
  • 応募金額は、1,000万円以下と6,000万円に二極化。
  • 3,000万円を超えると金融機関の確認が必要となるため、3000万円をわずかに下回る申請も多い。

補助金額による採択率に関して、補助金額ごとの応募者・採択者の割合は次のとおりです。

補助金額 応募金額の分布 採択金額の分布
100~500万円 18% 19%
501~1,000万円 15% 15%
1,001~1,500万円 11% 12%
1,501~3,000万円 23% 17%
3,001~4,500万円 9% 9%
4,501~6,000万円 23% 27%
6,001~1億円 1% 1%

事業再構築補助金の採択率の分布

応募金額によって「通りやすい・通りにくい」といった傾向は見られません。

1,501万~3,000万円の応募率が23%であるのに、採択金額の分布では17%に低下しているのは、3,000万円を超えると金融機関の確認が必要となるため、3,000万円以下に補助金額を抑えた計画書が増えたためと推測されます。

一方で、応募金額ごとの件数が1,000万円以下と6,000万円に二極化しているのは、3,000万円以上であれば銀行が申請の確認をする必要があるため、おそらく資料を確認してもらっている銀行から事業を行う際の資金の借り入れの話も並行して行われている可能性があり、最大の6,000万円で申請する傾向が高くなったと考えられます。

推測ですが、申請額3,000万円以下の申請者は、おそらく事業者自身でコンサルタントなどに助言をもらいながら申請しているため、資金は自己資金か、銀行から借りなければならないという状況であり、今回第1回公募の申請に間に合わせるためには、金融機関と詳細な話を進める時間が不足し、自己資金でまかなえる1,000万円以下という申請が増えたと考えられます。

今後は準備期間が増えるため、金融機関などの専門家の支援も得て、もう少し申請額は増加するのではないかと予想されます。

採択された申請の特徴

今回採択された申請の概要は、すべてホームページに掲載されています。一概に言えるのは、企業の強みを活かしたユニークで実行性の高そうな計画書が通っているという印象です。

次回からどのような点に注意して申請すれば良いのか、ポイントを解説しましょう。

第2回公募の事業再構築補助金に備えて準備すること

第1回公募の採択の公開レビューにおいて、中小企業庁の職員の方が1回目の公募を振り返り、特にマーケティングの論拠の弱さを指摘していました。「厳しめにいうと8割が落第」というような発言もあり、今後の申請においても、マーケティングについてはしっかりと専門家の意見も聞きながら仕上げる必要があります。

以下では、事業再構築のマーケティングについて、書く際のポイントを3つお伝えします。

ポイント

  • 競合他社調査を行う
  • 顧客分析を行う
  • 論理性・根拠性・実現可能性を高める

競合他社調査を行う

『敵を知り、己を知れば百戦危うからず』ということばは有名な孫氏の兵法の中の引用ですが、ビジネスの世界でもしばしば使用されます。マーケティングとはまさに、この「敵を知る」ことに他なりません。敵というのは競合他社と顧客のこと、己は自社のことです。

今回、申請書の記載項目の1つ目にある「補助事業の具体的取り組み内容」は、簡単にいうと「己を知る」というプロセスです。SWOT分析から始まり、自社の課題、それを解決するための補助事業の詳細というストーリーを記載する必要があり、その中で自分自身の業界における立ち位置などがおのずと見えてきます。

2つ目の記載項目である「将来の展望」は戦略の方向性を立てたのち、「敵を知る」要するに競合他社分析と顧客分析を行うということです。

競合他社の分析は、極力会社名などを記載するなど具体的にしましょう。売上規模、ターゲットとしている顧客層、サービス・商品の価格帯、プロモーション戦略など細かく分析し、それらと自社の戦略がどのように異なるのか、2軸の図表などで表現するポートフォリオ分析にするとわかりやすくなります。

顧客分析を行う

競合分析が終わったら、次は顧客分析です。まずターゲットを決め、どのように自社のサービス・商品の価格を設定し、プロモーションしていくのかを決めます。それと併せて、対象顧客は一体どれくらいの規模があるのか根拠とともに説明します。

例えば、他社が「若者向け・低価格」という戦略である場合、自社は「高齢者向け・高価格戦略であるため、市場規模は〇〇となる」というようにロジックを組みます。この辺りのロジックは専門家の意見を取り入れながら、根拠性や論理性が充分か確認しましょう。

特に、市場規模については、単にエリア内の人口などを統計から引っ張ってくるよりも、自社で実施したアンケートをなどの一次データがあれば、それらを使用するとより具体的な資料となります。

論理性・根拠性・実現可能性を高める

申請書全体を通じで大切なことは、「論理性・根拠性・実現可能性を高めること」です。

「論理性」を高めるには、書くにあたって文章の全体構造を分解し、それぞれの章が申請書の中でどのような役割を果たしているのか図表化しても良いでしょう。不要な文章はできるだけ削除し、主張とそれを裏付ける論拠だけに絞りましょう。感情的な表現は不要です。淡々と事実だけを記載していきましょう。

「根拠性」を高めるには、主張がなぜそうなのかを「数字」で示すことです。例えば、A社はB社の製品より優れているという主張があったとします。その論拠として、「なぜなら価格が〇円高いが、〇〇という機能についてその効力を示す数値が〇〇%高い」というように可能な限り定量的に示すことです。

「実現可能性」を高めるには、「誰が、どこで、いつまでに、どのようにやるか」を具体的に書くことです。社名や人名は具体的に表示して構いません(申請書は外部に情報が漏れません)。例えば「県外顧客に対しプロモーションを実施する」という表現は「担当の営業部長〇〇氏に、近隣の道の駅(住所:〇〇県〇〇市……)において、〇年〇月までに、作成したチラシを配布することでおこなう」といった形です。

一人で書いているとどうしても視点が偏ってしまうため、可能であれば複数人で作成するとよりバランスの良い計画書になります。

採択されたければ優秀なパートナーを選ぶことが重要!

事業再構築補助金の申請は、申請書類を作成して終了というものではなく、その後も事業を実施したという証拠の提出や、5期にわたって売上等がどのように推移しており、計画通りにいっているか・いっていないか等のフォローアップも必要となります。

今回の第1回公募の採択結果では「特に中小企業診断士、民間コンサル、地銀などの金融機関の採択率が高い傾向にある。」という結果が発表されており、専門家にご依頼したほうが高い採択率であることがデータとしても出ています。

事業再構築補助金の申請サポートをご検討の方は、当社「補助金バンク」をご検討ください。無料相談や補助金の無料診断ができることはもちろん、在籍している多数の専門家とマッチングすることができます。事業再構築補助金の活用をご検討の方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

まとめ

持続再構築補助金の難易度は高いものの、中小企業が新たな挑戦する価値のある補助金制度です。なぜなら、この補助金を機会に、一度会社の在り方、方向性を社員と一緒に見直してみることは決して無駄なことではないからです。

あくまで補助金はきっかけにすぎず、企業のその先の成長こそが申請企業が目指すゴールであることを理解したうえで、ぜひ挑戦してみてください。

お問い合わせはこちらから
この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

関連記事

Contact