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【2022】起業時に活用したい補助金・助成金は?おすすめ7選

起業に使える補助金・助成金

起業する際に大きなハードルとなるものの一つが資金調達です。先立つものがなければ、どんな素晴らしいアイディアも具現化することができません。何はさておき資金を確保することが最重要課題ですね。

代表的な資金調達の手段に、融資と並んで補助金や助成金があります。融資とは異なり、補助金・助成金は返済不要です。うまく活用すれば、起業の大きな原動力になります。

ただ、補助金・助成金は種類が非常に多いうえ、要件が細かいため自分に合ったものを探すのに一苦労です。そこで今回は、起業時におすすめの補助金・助成金を紹介します。

補助金・助成金とは

国や自治体には、さまざまな補助金や助成金があります。ものによって「補助金」となっていたり、「助成金」となっていたりすることにお気づきだったでしょうか?

両者の違いを意識している人は決して多くはありませんが、補助金と助成金は厳密にいえば異なります。まずは、補助金と助成金の違いについて解説します。

補助金とは

補助金とは、主に経済産業省が実施しており、新製品開発や販路開拓、生産性向上など企業の成長促進のために交付されます。代表的な補助金には

  • ものづくり補助金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • 事業再構築補助金
  • IT導入補助金

などがあります。

補助金の特徴は、採択審査があることです。しかも、採択率は3割~6割程度。場合によっては半数以上が不採択になってしまうのが現状で、申請しても必ずもらえるとは限りません。

また、補助金は原則後払いです。事業が完了してから支払われるため、申請から交付まで1年以上かかる場合もあります。補助金だけをあてにするのではなく、自己資金含め他の資金調達手段も確保することが必要になります。

助成金とは

助成金とは、主に厚生労働省が雇用や処遇改善、人材教育等のために実施しています。補助金が企業の成長促進のためのものとしたら、助成金は企業で働く人のための施策のために交付されるものです。

代表的なものには、

  • 雇用調整助成金
  • キャリアアップ助成金

などがあります。

助成金は、補助金と異なり要件を満たせばほぼもらえます。

要件とは、雇用調整助成金なら休業手当を社員に支払ったこと、キャリアアップ助成金なら社員の処遇改善をしたことなど、すでに雇用や人材教育等で何らかの施策を実施していることなどです。支払った費用に対する補填という意味合いが強く、単純にお金がもらえる「給付金」とは異なります。

また、助成金も補助金と同じく後払いです。なお、厚生労働省の助成金申請業務は社会保険労務士の独占業務です。自社で申請する場合は問題ありませんが、無資格のコンサルタント等に申請業務を依頼することは違法ですので注意してください。

活用したい経済産業省の補助金

まずは、起業の際に活用したい経済産業省の補助金を紹介します。補助金にはさまざまなものがありますが、ここでは起業家が比較的申請しやすい2つをピックアップしました。

  • 小規模事業者持続化補助金
  • ものづくり補助金

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、その名のとおり小規模事業者の販路開拓等を支援する補助金です。過去の採択率は3割~9割と幅が広く、そのときの応募状況等によって大きく変わります。

とはいえ、小規模事業者しか申請できないため、実績のない起業時でも比較的採択されやすい補助金です。

対象者

従業員数20名以下の小規模な事業者が対象です。個人事業主でも構いません。

実績を問われないため、起業時に申請することもできます。ただし、申請書類に開業届(個人事業主)が必要になるので、創業予定での申請はできません。

業種 常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 5名以下
宿泊業・娯楽業 20名以下
製造業その他 20名以下

補助金額

対象となる事業は、販路開拓等や業務効率化(生産性向上)の取り組みです。たとえば、ECサイトの構築や販促用チラシの作成などが対象になります。

補助金額は、上限50万円ですが、「特定創業者」であれば100万円にアップします。「特定創業者」とは、2020年1月1日以降に設立し、かつ過去3年以内に認定市区町村による特定創業支援等事業の支援を受けた事業者です。

特定創業支援等事業の支援とは、自治体の創業セミナーへの参加などが該当します。思い当たることがあれば、一度主催元に問い合わせてみてください。

通常 特定創業者
補助金額の上限 50万円 100万円
補助率 2/3 2/3

なお、2022年度からは上記通常枠に加えて、補助金上限を200万円にまで引き上げた「成長分配枠」や、「新陳代謝枠」が創設される予定です。

対象となる経費

対象となるのは以下の費目で、販路開拓等に必要な事業経費のみとなります。オフィス家具やパソコン、車など汎用的な使用ができるものは対象になりません。また、人件費や仕入れ費用なども対象外です。

  • ①機械装置等費
  • ②広報費
  • ③展示会等出展費
  • ④開発費
  • ⑤資料購入費
  • ⑥雑役務費
  • ⑦借料
  • ⑧専門家謝金
  • ⑨専門家旅費
  • ⑩設備処分費
  • ⑪委託費
  • ⑫外注費
  • ⑬旅費

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業の生産性向上や新製品開発のための設備投資を支援してくれる補助金です。

過去の実績や自社の強みを踏まえた実現可能性が問われるため、実績のある企業が採択されやすいです。ただ、前職などで十分な実績がある場合などは、スタートアップなど起業直後でも採択されています。

採択率は3割~5割程度と小規模事業者持続化補助金に比べてハードルは高いですが、補助金額が最高2,000万円と大きく、挑戦する価値は十分あるといえるでしょう。

対象者

日本国内で事業を実施する中小企業、個人事業主などです。

補助金額

2021年度までは一律1,000万円が補助金の上限額でしたが、2022年度から常勤従業員数によって上限額や補助率が異なるようになります。

また、新たにDX推進を進めるデジタル枠、温室効果ガスの排出削減を進めるグリーン枠が創設されます。脱炭素やDXをテーマに起業される場合は、こういった枠で応募しても良いでしょう。

応募枠 従業員人数 補助金上限額 補助率
通常枠

デジタル枠(新設)

5人以下 750万円 原則1/2

5名以下の小規模事業者およびデジタル枠は2/3

6人~20人 1,000万円
21人以上 1,250万円
グリーン枠(新設) 5人以下 1,000万円 2/3
6人~20人 1,500万円
211人以上 2,000万円

要件

ものづくり補助金は補助金をもらったら終わりではなく、給与総額の増加など要件があります。要件を満たせなければ、補助金の返還が求められる場合もあるため注意が必要です。

【ものづくり補助金の要件】

次の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定すること。

  • 事業者全体の付加価値額※を年率平均3%以上増加すること
  • 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加すること
  • 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること

※付加価値とは、営業利益と人件費、減価償却費の合計額です。

対象経費

革新的な製品やサービス開発等に必要な機械設備、システム構築費等が対象になります。

活用したい厚生労働省の助成金

続いて、起業の際に活用したい厚生労働省の助成金を3つ紹介していきます。

  • キャリアアップ助成金
  • 中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)
  • 人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)

助成金は、雇用環境の整備や人材教育など、人に関する施策に対して交付されます。起業段階で雇用環境の整備まで考える余裕はないかもしれませんが、優秀な人材を確保するためにも検討してみてください。起業時に比較的使いやすい助成金をピックアップして紹介していきます。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化などの取り組みを実施した事業主に対して助成金を支給する制度です。創業時は余裕がなくアルバイトで来てもらっていたスタッフを、事業が軌道に乗ってきたら正社員に転換する等の際に申請することができます。

 

要件 正規雇用等へ転換等した際、転換等前の6ヶ月と転換等後の6ヶ月の賃金を比較して3%以上増額していること
助成金額

(一人当たり)

有期雇用→正規雇用 57万円
有期雇用 → 無期雇用

または

無期雇用 → 正規雇用

28万5,000円

 

その他、キャリアアップ助成金の詳細については、厚生労働省ホームページをご参照ください。

中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)

中途採用等支援助成金は、その名のとおり中途採用の拡大を支援する助成金ですが、生涯現役起業支援コースでは中高年層の起業を支援してくれます。

具体的には、40歳以上の人が起業して従業員の募集や教育を実施する際にかかる費用を補填してくれます。年齢が高いほど助成金額・助成率とも高くなり、シニアの起業を応援してくれる助成金でもあります。

要件 起業日の年齢が40歳以上の方が、「雇用創出措置に係る計画書」を提出し、事業運営のために労働者を新たに雇い入れた場合、その募集・採用や教育訓練の実施に要した費用の一部を助成する。
助成金額 60歳以上の方が起業 上限額:200万円

助成率:かかった費用の2/3

40歳~59歳の方が起業 上限額:150万円

助成率:かかった費用の1/2

中途採用等支援助成金生涯現役起業支援コースの詳細については、厚生労働省ホームページを参照してください。

人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)

人材確保等支援助成金は、諸手当制度や人事評価制度の導入など職場環境の整備でもらえる助成金です。人事制度や諸手当制度等はいずれ整備しなければならないものですし、助成金を活用して実施するのも一つの手です。

人材確保等支援助成金の雇用管理制度助成コースでは、諸手当制度など制度導入と離職率の低下目標を達成した場合に助成金が交付されます。

雇用管理制度助成コース要件 雇用管理制度整備計画(諸手当等制度、研修制度、メンター制度の導入など)作成および目標となる離職率低下目標を設定する。離職率低下目標を達成できた場合に助成金が交付される。
助成金額 57万円

人材確保等支援助成金その他のコースや詳細については、厚生労働省ホームページを参照してください。

活用したい自治体の補助金・助成金

起業支援の補助金や助成金は、国だけでなく自治体も多数実施しています。起業支援に関しては、自治体の方がむしろ熱心かもしれません。

空き店舗活用や移住促進など地域ごとの課題とリンクした起業支援の補助金や助成金を用意しているケースも多数あります。ここでは、東京と大阪の補助金を紹介します。

創業助成金(東京)

東京都内で創業した事業者への助成金です。インキュベーション施設への入居など、申請に先立って東京都等の創業支援策を利用していることが条件になります。

項目 内容
助成対象者 都内での創業を具体的に計画している個人または創業後5年未満の中小企業者等のうち、下記のいずれかの要件を満たすこと

●       TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援の終了者

●       インキュベーション施設運営計画認定事業の認定施設の入居者

●       都内の公的創業支援施設入居者

●       東京都及び都内区市町村が行う創業を対象とする制度融資利用者

●       都内区市町村で認定特定創業支援等事業(産業競争力強化法)による支援を受けた方

助成対象経費 賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費
助成限度額 300万円(下限100万円)
助成率 2/3以内

2021年度は、4月と10月に公募がありました。2022年度以降については、公益財団法人東京都中小企業振興公社ホームページをご参照ください。

大阪起業家グローイングアップ補助金(大阪)

大阪起業家グローイングアップ補助金は、大阪での創業を対象としたビジネスプランコンテスト優秀賞受賞者への補助金です。したがって、補助金の申請というよりはビジネスプランコンテストへの応募が第一になります。

決してハードルは低くありませんが、優勝すれば補助金だけでなく専門家の伴走支援も得られます。

項目 内容
対象者 ●       ビジネスプランコンテストの優秀提案者

●       大阪府内の事業者又は大阪府内で起業しようとする者

対象経費 創業に関わる経費(登記費用、備品購入費、事務所賃借料、機械装置・工具備品調達費など)
限度額 100万円
補助率 1/2以内

大阪起業家グローイングアップ補助金の詳細については、大阪府ホームページの下記をご参照ください。

自治体の補助金・助成金の良いところは、なんといっても交付側との距離の近さです。特に、地域密着で起業する場合は地元のネットワークづくりのためにも、自治体の補助金・助成金にチャレンジすると良いでしょう。創業予定の自治体でどんな支援策があるのか、ぜひ調べてみてください。「J-Net21」(独立行政法人中小企業基盤整備機構)でも各地の補助金を検索することができます。

まとめ

起業時におすすめの補助金と助成金を紹介しました。

補助金や助成金は、返済不要の資金調達です。ぜひうまく活用して、ご自身のビジネスを軌道に乗せてください。

なお、当社「補助金バンク」には、補助金や助成金の申請支援と採択実績を多数持つ専門家が登録されています。申請書類を作成する時間がなかったり、自力で申請して採択される自信がなかったりする方は、積極的に専門家の力を利用してみてください。ご相談は無料ですので、ぜひお気軽にお問合せください。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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