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【専門家対談】中小企業が補助金を活用してDXを推進するには?ポイントと注意点

補助金とDX

近年、補助金の中で「デジタル枠」が設けられるようになっています。2022年3月、当社補助金バンク代表取締役の野竿が、補助金バンクにDXの専門家として参画している大芝義信氏とデジタル枠での補助金をどのように申請・活用していけば良いのかについて対談を行いました。

大芝氏は、2021年には山梨県大月市のDX戦略アドバイザーとして参画した経歴を持つDXの専門家です。これから補助金の申請をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

対談の概要と2名のプロフィール

野竿:2022年5月11日(水)が応募締切の「第10次ものづくり補助金」の公募が開示されました。事業再構築補助金やものづくり補助金には、「デジタル枠」というものが設けられています。

今回の対談では、この「デジタル枠」で補助金を申請するためにはどうすれば良いのかということを中心に、DXについて大芝さんとお話させていただき、理解を深めていきたいと思っています。まずは大芝さんの自己紹介をお願いします。

 

大芝:大芝義信と申します。株式会社グロースウェルを6年前に設立して、2022年7月から7期目に入ります。

大芝義信

DXやITのコンサルタントとして、企業様のITに関連する問題解決を図ることを主な事業としています。

 

野竿:私も自己紹介させていただきます。株式会社補助金バンクの代表をしている野竿健悟と申します。補助金バンクでは、当Webメディア「補助金バンク」の運営を行っており、中小企業を経営される皆様に役立つ補助金の情報や制度をご案内しています。

野竿健悟

もう1社、コンサルティング会社の株式会社トライズコンサルティングを経営しています。トライズコンサルティングでは、中小企業向けの経営コンサルティングやITの導入支援など、主に中小企業診断士としての役割を担うサービスを提供しています。

第10次ものづくり補助金とDXの関係

野竿:直近では、「ものづくり補助金」を申請することができます。「ものづくり」ということばが補助金の名前に入っていますが、ものづくりのほか、商業やサービスなど、さまざまな業種で使うことのできる補助金です。

第10次ものづくり補助金のデジタル枠

野竿:簡単にいえば、革新的なサービスや商品を提供するにはお金がかかるため、その投資に対して補助をするという制度です。元々はシステム開発や機械の導入をメインとした制度でしたが、今回の第10次締切分から「デジタル枠」が創設されました。

第10次ものづくり補助金のデジタル枠は、「DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービスの開発やデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善等を行う事業者を対象に、補助率を3分の2に引き上げた」ものです。去年2021年に「デジタル庁」が設立されたこともあり、国としてデジタル化をどんどん推進していきたいということがこの制度に現れていると思います。

第10次ものづくり補助金のデジタル枠には、2つ要件があります。

一つは、先ほど読み上げた「DXに資する革新的な製品・サービスの開発やデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善等を行う」ことです。

もう一つは、「経済産業省が公開している『DX推進指標』を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出する」ことです。

ものづくり補助金のデジタル枠は基本的にDXを進めるためのものなので、システムを開発したり、ITツールを導入したり、デジタル自体がサービスになるもの、もしくはサービスを提供するためにDXを活用したりするものが対象となるといえるでしょう。

2つ目の要件にある「DX推進指標」をもう一度確認しておきましょう。IPAが公開しているExcelに「自己診断フォーマットver2.2」があります。こちらをダウンロードしていただくと、自己診断のエクセルが表示されます。

DX推進指標自己診断フォーマットver2.2

DXの推進指標には、たとえば、「データとデジタルビジョンを使って、変化に迅速に対応しつつ、顧客視点でどういった課題を創出するのか、社内外でビジョンを共有できているか」など、主に経営トップのところから確認していきます。

また、現在の状況が「レベル0」から「レベル5」まであります。現在はこういった状況であり、3年後の目標としてどこを目指していくのかをご自身で診断していく形です。補助金の申請に際して必須であり、提出しなければならないものです。

DX推進のための経営のあり方、仕組み

ここで、現状と目標のギャップが「課題」です。その課題を明らかにした上で、補助金を使って目標を達成するというストーリーが必要になるでしょう。

そもそも「DX」とは

野竿:ものづくり補助金の制度に関しては、補助金の専門家(中小企業診断士)である私が説明しました。では、DXの専門家である大芝さんに、まずは「そもそもDXとは何か?」ということについて詳しく教えて頂きたいと思います。

 

大芝:DXとは、「デジタルトランスフォーメーション」の略称です。大きく2つに分けることができます。

一つは、紙や本などアナログのものをデジタルにしていく、いわゆる「デジタイゼーション(Digitization)」です。アナログからデジタル変換することで、業務効率やコスト削減を目指すものです。身近な例としては、電車の切符がSuicaになったり、ノートがPDFになったりといったことが挙げられます。

もう一つが、デジタイゼーションをした後に、それをデジタル化することにより新しい利益や価値を創出する「デジタライゼーション(Digitalization)」です。

これらの2つを組み合わせて一言で表現すると、DXとは「ビジネスモデル自体の変革や新しい価値を生み出し提供すること」とご理解いただければと思います。

 

野竿:なるほど、DXはビジネスモデル自体を変えていくことや、変革のことですね。先ほどお見せした「DX推進指標自己診断フォーマット」にもありましたが、経営トップやビジョンなどから整理していくことが重要なのでしょうか?

 

大芝:そうですね。実行については現場メンバーとなるのでビジョン(景色)は重要になります。DXしていく上での順序については、後でまた詳しく解説します。

DXの事例

野竿:では、DXの事例を紹介していただけますか?

 

大芝:分かりやすい事例を2つ紹介しましょう。

一つ目はUberです。

今までは、タクシーを拾う際には、路上に出て手を挙げることが一般的でした。しかし、Uberが登場したことにより、現在自分がいる場所でタクシーを呼べば、近くのタクシーとマッチングし、その場所までタクシーが来てくれるようになりました。これは新しい価値の一つだといえるでしょう。

二つ目が、NetflixやHuluです。

今までは、映画などを見たいときにはTSUTAYAなどに足を運びDVDを借り、映画を見た後はDVDを返却しに行くというのが一般的でした。しかし、TSUTAYAに行ったとしても、入荷したばかりの新作が貸し出し中ということもあり、なかなか借りることができず、何度も何度も足を運んでようやく借りることができたという経験をしたことがある方も少なくないのではないでしょうか。

そういったことも一つの楽しみだったかもしれませんが、NetflixやHuluなどが登場したことにより、サブスク(サブスクリプション)で毎月定額を支払うことで、映画を見たいときに、誰もがいつでもどこでも端末を選ばずに見ることができるようになりました。こちらも分かりやすく新しい価値を生み出した事例だといえるでしょう。

 

野竿:しかも、コストが非常に安くなりましたよね。とても安いコストで実現できているということも、デジタル化のメリットかもしれませんね。日本ではUberよりも「Uber Eats」の方が大きく広がっており、利用されている方もとても多いですよね。

中小企業を支援させていただいている私の視点では、中小企業でも導入しやすいものの一つに、「リアルで販売していたものを、インターネットを通じて販売する」ということが挙げられます。今までリアルでしか販売できないと思っていたものをECサイト(ネットショップ)上で販売するなど、インターネットを通じて販売することが例として挙げられます。これもDXの一つだといえるでしょう。

あとは、DXがよく導入されるケースとして多い業界に、製造業があります。たとえば、IoTやAIなどを活用して、生産現場で工程を管理していくことが挙げられます。各作業員が持っているタブレットに情報を入力し、リアルタイムで情報を共有していく――こういったことが可能です。

また、IoTを活用し、センサーを付けて機械の稼働状況を確認し、どれぐらいの稼働率なのか、どれくらいの遊びがあるのか確認することで、無駄を削減したり業務を改善したりすることができる時代がくるかもしれません。

あとは、まだ紙で処理をしているところに単純にパソコンを導入し、Excelを使って管理するということだけでも、一種のDXと呼ぶことができるでしょう。

DXはどのような課題を抱えている事業者が推進していけるもの?

野竿:DXは、どのような課題を抱えている事業者が推進していくことができるものなのでしょうか?

 

大芝:事業を行っていく上では、重要な観点が3つあると考えています。一つ目は、売り上げを伸ばすこと。二つ目は、コストを減らすこと。三つ目は、サービスやプロダクトのQCD(Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期))、つまり品質面やコストデリバリーをより良くする、つまり最適化することです。

 

野竿:なるほど。売り上げを伸ばすこと、コストを減らすこと、QCDをより良くすること。これに当てはまらない事業者さんはいないと思っても大丈夫ですよね?何かしら課題を抱えていたり、売り上げをもっと伸ばしたかったりということは、ほとんどの事業者さんに当てはまることだと思います。

 

大芝:はい、そうですね。かつてはコストを減らし、その減らしたコストの中からITのシステム費用を捻出するというパターンが多く見受けられました。

しかし、補助金は申請したものが採択されれば国から資金を援助してもらうことができるため、コストを削減しなくても売り上げを伸ばすことができるようになります。これは非常に有益だと感じています。

 

野竿:よりリスクを抑えながら、IT化、DXを推進していける状態を整えられるということですね。

DXを推進する上での注意点とは?

野竿:DXを進めるにあたって、さまざまな注意点があるかと思います。特に大事なものにはどういったものがあるでしょうか?

 

大芝:全部で3つあります。

一つ目は、推進するための専任者を配置していくことです。DXの推進自体は片手間にできることではないからです。また、配置した後の計画が大事です。ぼんやりとした短期計画ではなく、3箇年、5箇年といった中長期に渡ってどのように推進していこうか計画を立てることが重要なポイントだといえます。

二つ目は、トップがDX化に積極的に関わることです。DXを進めるにあたって、トップの人が「何かをやっているよね」といったように丸投げしてしまうと、組織全体が動かなくなってしまいます。経営者や事業部長、責任者の方などが、DXを進めていくことを戦略の重要項目に位置付け、全体を巻き込み、組織全体が推進していくという姿勢を示すことが大事なポイントです。

三つ目が、全員の協力体制を作ることです。実際、現場が動かないとDXが進捗しないことも少なくありません。たとえば、現場のプロセスを改善していこうという場合、プロセスに関するヒアリングや、作業をしている方からの課題の発見や提示がないと、そのプロセスの「1、2、3」という順番を、「2、3、1」の順番の方が良いのではないか、といったように根本的に誤ってしまい、抜本的な改革の答えを取り出せなくなってしまうことがあります。そのため、全員がDXに向かっていくような体制づくりが大事だと考えています。

 

野竿:なるほど、一つの課題だけにとらわれずに全体を俯瞰し、全社的に計画を立てて進めていくということが必要になるということですね。

DXは何から始めれば良いのか?

野竿:DXを始めるにはすべきことがたくさんあるかと思います。まずは何から始めれば良いのでしょうか?

 

大芝:経済産業省がDXガイドラインの構成としても示しているように、一番に何をしなければならないかというと、経営の戦略とビジョンの提示をすることです。

なぜそれが一番に来ているのかというと、DXをすることで「組織全体に何か大変なことをされてしまうのではなないか」「いま行っている自分の仕事がなくなってしまうのではないか」というようなネガティブな意識が蔓延してしまうと、現状維持に固執してしまい、新しいことに対しての協力体制が得られなくなってしまうからです。

そうなると、いくら経営トップが積極的に関わったり専任者が推進したりしても、「いまは忙しいから、打ち合わせは来週、来月……」といったように先延ばしされてしまい、どんどん推進が遅れてしまいます。

DXを進めることにより、全員が作業ではなく知的労働や何か物事を考えるところに時間を使って欲しいと考えているわけです。そのため、たとえばハンコを押す仕事などは機械やシステムにやってもらった方が良いのです。このように、ビジョンやどのような世界になるのかということを組織全体に想像してもらい、「そういった世界も良い」と思ってもらえないと先に進めることができません。

そのため、ビジュアル的にその世界が誰の目から見ても明らかに、かつみんなの期待と希望に則した形に見せてあげるということが非常に大切なのです。

 

野竿:なるほど。これを行わないないと、先ほど挙げて頂いたDXを推進する上での注意点の三つ目「全員が協力体制であること」を実現しづらくなってしまうため、まずはそれに向かってやるための下準備が必要になるということですね。

DXで良くある失敗パターンとは?

野竿:では、ある程度ビジョンが出来上がっており、必要なツールやアプリ、システム開発もある程度決まってきたという段階において、アプリの選定やシステム開発を発注する際、失敗してしまうパターンはありますか?

 

大芝:はい、あります。たとえば、いま世の中にあるシステムに代替えすれば良いパターンと、システムを新しく作らなければならないパターンがあります。

代替えするパターンでの失敗の原因

代替えするパターンの場合、たとえばメールをチャットアプリに代えたいケースを考えてみましょう。

ITリテラシーが低い

システムをあえて「ゼロイチ」で作らなくても、既存のものを使えば良いことも少なくありません。しかし、そういった知識を持ち合わせておらず、新しいシステムを作ってしまい、「既存のサービスを使えば良かった……」ということになるケースがあります。

 

つまり、システムやITツールなどに関するリテラシーが低い状態でDXを進めてしまうことが失敗パターンの一つだといえます。「まずは作る」という方向に意識が向いてしまったり、既存のツールに代替えする場合でも、「こういった問題が発生する」ということがわからない状態で進めてしまい、「このツールでは実現が難しい……」ということになり、再度作り直しになってしまったりすることがあります。

システムを新しく作るパターンでの失敗の原因

次に、システムを新しく作るパターンの場合についてです。

要件定義ができていない

システムを発注する際に一番大事なことは、要件定義です。「要件定義」ということばは聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれないので、簡単な例を出しておきましょう。

たとえば、ECサイトを制作する際に、日本だけで販売するのか、日本だけでなく海外でも販売するのかで、いわゆる「ローカライゼーション」の要否が異なります。つまり、英語や中国語などに翻訳するものが必要なのか必要でないのかがぼんやりした状態で進めてしまうと、後で「やっぱり英語版も制作したい」となることがあり得ます。英語に対応したプラグインなどを導入して対応できればまだ良いですが、対応していなかった場合、大きな改修が入ってしまうことになりかねません。

あるいは、リアル店舗でもECサイトでも商品を販売する場合、在庫状況をリアルの店舗とECサイトの2つで管理する必要があります。リアル店舗で売り切れになってしまっているものがECサイトで注文されてしまった場合、注文してもらったにも関わらず「在庫がありません」ということになり、顧客の期待を裏切ってしまうことになります。

そういったものも含め、何をどのようにするのか、一つひとつ決めていかなければなりません。

そのため、ある程度リテラシーの高い人が関わっていかなければなりません。ディスカッションを通して要件を決めていきますが、対峙するプロジェクトマネージャー(PM)のスキルセットが大きく影響します。そのため、ITリテラシーがあまり高くない、経験がないような2、3年目の新米のPMがフロントに立った場合、そういった経験が浅く、あとで「先に言ってよ」といったような話が出てきてしまうことがあります。

ですから、ベテランの熟練したPMにフロントに立ってもらい、要件を絞っていかないと大きな失敗につながってしまう可能性が高いため、非常に重要な部分だといえます。

現場のヒアリングができていない

最後に、現場のヒアリングはとても大事です。社長と事業部長、システム会社の3者で話し合って業務フローのシステムを作るケースがありますが、現場のヒアリングをおろそかにしがちです。

実際に毎日システムを使うのが現場のAさんである場合、現システムを新システムに置き換える際は、その人が現状抱えている課題や、現システムの使いにくい点をヒアリングして洗い出しておかないと、新しいシステムを作ったとしても、使いにくいからといって旧システムを使い続けるというようなことになりかねません。

数千万円もかけて新しいシステムを作ったとしても、使いにくいからという理由でなかなか入れ替えられていないという事例は意外と少なくありません。ですので、その業務フローに関わるステークホルダー全員に対してヒアリングを実施することが非常に大事です。

開発会社選びに失敗しないために

野竿:ツールを導入する場合、開発会社に話を聞くことになると思います。ある程度カスタマイズしたり、スクラッチで一から開発したりする場合は、開発会社と一緒にプロジェクトを進めていく必要がありますよね。しかし、開発会社と連携がうまくいかないといった話をしばしば耳にすることがありますが、「良い開発会社」というのはどういった会社なのでしょうか?

 

大芝:ちなみに2021年5月に、私がコンサルティングやアドバイスしている内容をすべてまとめた書籍『DX時代のIT導入マニュアル』を出版しました。その書籍にも良い開発会社はどうやって見つければ良いのか記載しています。

DX時代のIT導入マニュアル

一番重要なことは、意外だと思われるかもしれませんが、開発会社のスタンス(思想)です。言われたものをただ作るだけではなく、「同じ会社に所属したパートナー」というスタンスで取り組んでくれることが非常に重要です。

実際に、私は今までに当社グロースウェルで100社以上の開発プロジェクトとして関わったことがあるため、開発会社の実態は概ね把握することができています。開発会社は、たとえば「作る意味がない」と感じた機能だとしても、クライアントがその機能を要求している場合、断ることが難しい状況にあります。

経営者の方だとおわかりかもしれませんが、PL上、開発会社は先に人件費を支払うことになります。エンジニアやデザイナーなどの人件費を先に支払い、納品されてから入金されるサイクルになっているため、先にキャッシュをある程度借り入れておかなければなりません。

また、エンジニアやデザイナーの空き時間ができてしまったり、そういった状況が長く続いてしまったりすると会社が倒産してしまうため、クライアントが作って欲しいというものを作っていかないと会社の経営が厳しくなってしまうのです。

そのため、たとえば「この機能であれば、Googleのスプレッドシートで代替えできてしまう」とわかっていたとしても、「Googleのスプレッドシートみたいなものを作る」という方向へ向かってしまうのです。これが多くの開発会社の実態です。

逆に、「この機能は実装しなくても、Googleのスプレッドシートを活用すれば済みませんか?」と突き返すことができる開発会社は、大きく3つの要素を持っている会社かと思います。

一つ目は、経営者の方がお金儲けよりも良いものを生み出したいという理念やポリシーを持っていること。二つ目は、ある程度の会社の規模と信用があり、資金的に体力があること。三つ目は、既存顧客から開発の依頼をリピートされており、運用・保守費用を継続的にもらっていることです。この3つのうちいずれかの要素を持っていないと、「これは作る意味がなくありませんか?」ということをクライアントに対して言えなくなると思います。

私の感覚だと、企業カルチャーやスタンスは、末端のエンジニアのメンバーにまで浸透してしまいます。「この機能を作る意味はないのではないか」と思いつつもプログラミングコードを書いたりデザインしたりすると、アウトプットにそういった影響が現れてしまいます。そのため、企業の理念やものの考え方がどういったものなのかは非常に重要なのです。

これは、会社のコーポレートサイトの理念や、社長のSNSなどでの発言を見れば、ある程度読み取ることができます。私がさまざまな開発会社と対峙した肌感覚では、しっかりと「これを作る意味はないと思います」と言える会社は、極わずか全体の1割くらいしかないのではないかと思います。

補助金バンク公式として認定されている開発会社に関しては、野竿さんからご依頼頂き、私が厳しい監査を実施しました。この監査を通過した開発会社は数社しかありませんが、そういった会社に関しても、悪評が立っていないかなどの評判を毎年チェックし、補助金バンク公式としてクライアント様に紹介できるステージにある開発会社かどうかを判断しています。

 

野竿:そうですね、補助金バンクは公認の開発会社をクライアント様へ紹介させていただいていますが、大芝さんにしっかりと監査して頂いて、良い会社さんと提携できていると感じています。

DXの専門家に依頼できることとは?

野竿:今まで開発を経験したことのない会社がDXを進めるにあたって、開発会社とうまくやり取りを進めなければならなかったり、良い会社を見つけないといけなかったり、それ以外にももっと細かい注意点があるかと思います。

そういったところを大芝さんにお力添え頂けることに、私は非常にメリットを感じています。大芝さんにご依頼させていただくメリットはどういった点でしょうか?

成功事例・失敗事例に基づく判断

大芝:私はプログラマー出身なのですが、経営者として技術顧問やアドバイザーを務めてきたため、「技術」と「経営」の両面から事業を見渡せていると評価して頂くことが多いです。また、CTO(最高技術責任者)として東証マザーズへの上場経験もあるため、組織形態やシステムがどうあるべきかといったご支援もさせて頂くことができます。

グロースウェルを起業してから約6年が経ちましたが、これまで100社以上のクライアント様を担当してきました。つまり、これだけ多くの良い事例、悪い事例を知ってるということです。ですから、「こうすればうまくいくのではないか」という知恵が働くことも強みです。

IT・DX分野における幅広いサポート

この100社の中には、社内にエンジニアが1人もいないスタートアップ企業から、何百人もエンジニアがいるような誰もが知っている一部上場企業で、技術戦略を支援してきました。

エンジニアがまったくいない会社の場合、上流の要件の部分において「こういったものを作った方が良い」といったアドバイスをさせていただいております。そのため、特定の分野に強いというわけではなく、「IT」や「DX」というフィールドにおいて幅広くご支援させて頂くことができます。

たとえば、発注会社と開発会社との間に入り、発注者の参謀という立場から開発会社とさまざまなコミュニケーションを取っています。開発会社からは嫌われるかもしれませんが、「500万円」という見積もりが来た場合、「本当に500万円なのですか?」「何人稼働するのですか?」「関わるエンジニアのスキルセットや経験は?」といったことをズバズバとヒアリングします。

開発会社にとっては「痛いところを突いてくるな……」と感じるでしょうが、そうすることで双方を良い状態に持って行くことができると考えています。このように、リテラシーの高い人が間に入っていっていくことで、短期的だけではなく長期的にお互い満足のいく関係性を作ることができます。

エンジニアの組織設計

また、内製化のエンジニアチームを作るといった点においても、まず一人目としてどういったエンジニアを採用していけば良いのかという組織設計も行うことができます。

あとは、「DX推進指標自己診断フォーマット」が補助金の申請において必須であるため、そのフォーマットをどう書いたら良いかわからないと悩まれるポイントをわかっていたり、課題に対するソリューションを提供することができたりするため、ご支援させていただく場合はメリットに感じていただけると思います。

補助金バンクとしての強み

野竿:大芝さんには補助金バンクの「DXの専門家」として登録して頂いていており、専門家一覧に掲載させて頂いています。補助金バンクから直接大芝さんに問い合わせ・ご依頼して頂くことも可能ですし、補助金を活用する前提でお問合せ頂き、大芝さんに入って頂いた方が良いケースは、当社補助金バンクからご提案させて頂くこともあります。

当社補助金バンクとしては、間に入って頂くDXのコンサルタントと開発会社をご紹介させて頂き、補助金も合わせてワンストップでご支援させて頂くことができます。

 

大芝:DXに関連する部分では、2021年、山梨県大月市のDX戦略アドバイザーを務めました。市の職員さんたちが、自らの力でどのようにDXを推進していけば良いのかについてコンサルティングさせて頂きました。

私にとってDXのロードマップ(開発計画)の作成は容易ですが、そうではなく職員の方たちが自分たちでDXの計画を立てるに当たり、ロードマップはどう組み立てていけば良いのか、具体的なサンプルや事例を提示させて頂きました。また、ロードマップの解像度が粗かった場合は、「こういった点をもう少し掘り下げて計画した方が良いのではないか」といったアドバイスを実施させて頂きました。

会社名の「グロースウェル」という「成長」というところに自分のコンパスの足を置きながら事業を展開しているため、自社も当然成長していきますが、支援させて頂く会社や行政機関も成長して頂きたいと思っています。

支援させて頂いた行政機関のDXは推進が本当に大変でしたが、自分たちでDXを進めていけるような自立している組織形態にご興味ある方は、そういった経験を活かすことができますので、ぜひお問い合わせいただければと思います。

 

野竿:本当に心強いですね。後々、自社だけでDXをうまく推進していきたいといった方のスタートダッシュのサポートとして大芝さんに参画してもらえそうですね。

専門家の紹介・補助金申請は補助金バンクにお任せください!

野竿:当社補助金バンクでは、専門家の紹介や補助金申請の支援をさせて頂いています。補助金の申請は、制度的に多くの手間がかかるものになっています。自社ですべて行おうとすると、非常に手間がかかります。

また、多くの経営者の方が慣れていないであろう「事業計画書」を作らなければなりません。事業計画書は、自社で作成したものだとなかなか補助金の採択のレベルに達しなかったり、時間をかけたわりには採択されなかったりということが起こり得ます。

そして、多くの社長さんはお忙しいため、本業に集中するためにも補助金の申請は専門家に依頼することが一つの選択肢です。

補助金を申請するのであれば、確実に補助金を受けたいとお考えでしょう。100%採択されるということはお約束できませんが、補助金バンクには採択率が非常に高い専門家がたくさん登録されていますので、補助金が採択される可能性が高く、事業を推進しやすくなるというメリットをご提供できます。

私自身も元々システムエンジニア出身であり、IT業界での経験があるためITに対する知見を持ち合わせています。また、トライズコンサルティングでは、システム開発の案件において、補助金の申請を多数出してきています。大芝さんや認定の開発会社さんとの連携によって、補助金バンクとしてワンストップでご支援できるところが非常に大きなメリットだと思っています。

なお、補助金バンクには、簡単に実施することのできる「補助金の無料診断ツール」があります。そちらで活用できる補助金にはどういったものがあるか確認できますし、専門家への相談も無料で行うことができます。まずはお気軽にお問合せ頂けましたら、ご相談に乗れると考えています。

補助金バンクではたくさんの補助金の情報、中小企業の経営者の皆様に役に立つ情報を発信していきたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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