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【2022】事業再構築補助金の採択率はどれくらい?推移は?採択されるポイント

事業再構築補助金の第1回公募の採択率

事業再構築補助金の採択率は、どのくらいなのでしょうか?今回は、事業再構築補助金の第5回公募までの採択結果をまとめて紹介するとともに、事業再構築補助金の採択率を上げるためのポイントを解説します。

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、新型コロナ禍で売上の減った事業者が、事業の再構築を行うために必要な経費を補填してくれる補助金です。従業員数20人以下の企業であっても通常枠で最大2,000万円の補助金を受け取れる可能性があるため、ものづくり補助金などと並ぶ大型の補助金であるといえるでしょう。

事業再構築補助金を申請するためには、新型コロナ禍で収入が減ったことに加え、思い切った事業の再構築を行うことが必要です。

【最新】第5回公募における事業再構築補助金の採択率

2022年6月現在、事業再構築補助金の採択結果は第5回公募分までが公表されています。第5回公募における採択結果は次のとおりです(参照元:事業再構築補助金第5回公募の結果について(事業再構築補助金事務局))。

全体の採択結果

事業再構築補助金の第5回公募における応募総数は、21,035件でした。このうち、9,707件が採択されており、採択率は約46.1%となっています。

公募枠ごとの採択結果

事業再構築補助金第5回公募における、公募枠ごとの採択結果は次のとおりです。

通常枠 大規模賃金引上枠 卒業枠 緊急事態宣言特別枠 最低賃金枠 グローバルV字回復枠 合計
システムで受け付けた件数(応募件数) 16,185 13 21 4,509

 

306 1 21,035
採択件数 6,441 8 9 3,006 243 0 9,707
採択率(小数点2位以下四捨五入) 39.8% 61.5% 42.9% 66.7% 79.4% 0% 46.1%

通常枠では申請数が多い分、採択率がもっとも少なくなっています。一方、大規模賃金引上枠や卒業枠などは応募件数自体がかなり限られており、要件を満たすことの難しさがうかがえます。

第5回公募から登場したグローバルV字回復枠に至っては、申請自体が1件しかありません。

しかし、緊急事態宣言特別枠と最低賃金枠はそれなりに利用されているうえ、採択率も通常枠よりかなり高くなっています。

なお、それぞれの枠の概要は、次のとおりです。

通常枠

通常枠は、事業再構築補助金のもっとも基本となる枠です。2022年6月現在における通常枠の補助金額と補助率は、次のようになっています。

従業員規模 補助金額 補助率
20人以下 100~2,000万円

・中小企業 :2/3(6,000万円超は1/2)

・中堅企業: 1/2(4,000万円超は1/3)

21人~50人 100~4,000万円
51人~100人 100~6,000万円
101人以上 100~8,000万円

大規模賃金引上枠

大規模賃金引上枠とは、多くの従業員を雇用しながら継続的な賃金引上げに取り組むとともに、従業員を増やして生産性を向上させる中小企業等の事業再構築を支援する特別枠です。

2022年6月現在における大規模賃金引上枠の補助金額と補助率は、次のようになっています。

従業員規模 補助金額 補助率
101人以上 8,000万円超~1億円

・中小企業:2/3(6,000万円超は1/2)

・中堅企業:1/2(4,000万円超は1/3)

卒業枠

卒業枠とは、事業再構築を通じて中小企業者等から中堅企業等へ成長する企業が行う事業再構築を支援する特別枠でした。なお、この枠はすでに廃止されているため、新たに申請することはできません。

緊急事態宣言特別枠

緊急事態宣言特別枠とは、緊急事態宣言発令により深刻な影響を受けた中小企業等を支援する特別枠でした。なお、この枠はすでに廃止されているため、新たに申請することはできません。

最低賃金枠

最低賃金枠とは、最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中小企業等の事業再構築を支援する特別枠です。

2022年6月現在における最低賃金枠の補助金額と補助率は、次のようになっています。

従業員規模 補助金額 補助率
5人以下 100万円~500万円

・中小企業:3/4

・中堅企業:2/3

6人~20人 100万円~1,000万円
21人以上 100万円~1,500万円

グローバルV字回復枠

グローバルV字回復枠とは、グローバル展開により事業の大幅な回復を目指す中堅企業等を支援する特別枠でした。なお、この枠はすでに廃止されているため、新たに申請することはできません。

業種ごとの採択状況

事業再構築補助金の第5回公募では、公募総数のうち「E製造業」が17.0%を占めており、最多となっています。次いで、「I卸売業,小売業」が16.4%、「M宿泊業,飲食サービス業」が16.3%でした。

事業再構築補助金の初期では「M宿泊業,飲食サービス業」の応募が最多であったものの、徐々に製造業など他の業種での申請が増えてきた形です。

また、採択件数ベースでも、「E製造業」が22.3%であり、最多となっています。次いで、「M宿泊業,飲食サービス業」の18.4%、「I卸売業,小売業」の15.2%と続いています。

応募金額と採択金額の分布

事業再構築補助金の応募金額を1,500万円単位で分析すると、「100~1,500万円」が最も多く、全体の41%を占めています。次いで、「1,501~3,000万円」が全体の28%、「3,001~4,500万円」が21%です。

また、採択金額で見ても「100~1,500万円」が最も多く、全体の43%を占めています。次いで、「1,501~3,000万円」と「3,001~4,500万円」がそれぞれ22%でした。

比較的少額の申請が多い一方で、高額な申請も多く行われていることがわかります。

第4回公募以前の事業再構築補助金の採択率と推移

第4回公募以前の事業再構築補助金の採択率と推移

第4回公募以前の事業再構築補助金(通常枠)の採択率と推移

第4回公募以前における事業再構築補助金の採択率は、それぞれ次のとおりです。なお、ここからは全体の採択結果と通常枠の採択結果に的を絞って解説します。

第4回事業再構築補助金の採択率

第4回公募における事業再構築補助金全体の応募件数は、19,673件でした。このうち採択件数は8,810件であり、採択率は約44.8%です。

また、通常枠の応募件数は15,036件で、このうち5,700件が採択されています。通常枠の採択率は、約37.9%でした。

第3回事業再構築補助金の採択率

第3回公募における事業再構築補助金全体の応募件数は、20,307件でした。このうち採択件数は9,021件であり、採択率は約44.4%です。

また、通常枠の応募件数は15,423件で、このうち5,713件が採択されています。通常枠の採択率は、約37.0%でした

第2回事業再構築補助金の採択率

第2回公募における事業再構築補助金全体の応募件数は、20,800件でした。このうち採択件数は9,336件であり、採択率は約44.9%です。

また、通常枠の応募件数は14,859件で、このうち5,388件が採択されています。通常枠の採択率は、約36.3%でした

第1回事業再構築補助金の採択率

第4回公募における事業再構築補助金全体の応募件数は、22,231件でした。このうち採択件数は8,016件であり、採択率は約36.1%です。

また、通常枠の応募件数は16,968件で、このうち5,104件が採択されています。通常枠の採択率は、約30.1%でした

事業再構築補助金の採択率を上げるためのポイント

せっかく事業再構築補助金を申請するのであれば、やはりできるだけ採択の可能性を上げたいことでしょう。事業再構築補助金の採択確率を上げるための主なポイントは、次の4点です。

公募要件を満たす内容で申請する

事業再構築補助金には公募要件が定められています。せっかく申請をしても、この公募要件を満たしていなければ採択されることはありません。

そのため、公募要件を満たしているかどうか、あらかじめよく確認したうえで申請するようにしましょう。

事業再構築補助金における主な公募要件は、次の3点です。

新型コロナ禍で売上が減っていること

事業再構築補助金を申請するには、新型コロナ禍で売上が減少していなければなりません。具体的には、次のいずれかの要件を満たすことが求められます。

  1. 2020年4月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月間の合計売上高が、コロナ以前(2019年または、2020年1月から3月)の同3ヶ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
  2. 2020年4月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3ヶ月の合計付加価値額と比較して15%以上減少していること

事業再構築に取り組むこと

事業再構築補助金を申請するには、何らかの事業再構築に取り組む必要があります。

事業再構築補助金における事業再構築には、次のものが該当します。

  • 新分野展開:主たる業種も主たる事業も変更することなく、新たな製品を製造しまたは新たな商品若しくはサービスを提供することにより、新たな市場に進出すること。
  • 業態転換:製品又は商品若しくはサービスの製造方法または提供方法を相当程度変更すること。
  • 事業転換:新たな製品を製造しまたは新たな商品若しくはサービスを提供することにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更すること。
  • 業種転換:新たな製品を製造しまたは新たな商品若しくはサービスを提供することにより、主たる業種を変更すること。
  • 事業再編:補助事業開始後に会社法上の組織再編行為等を行い、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行うこと。

認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること

事業再構築補助金を申請するには、認定経営革新等支援機関とともに事業計画を策定することが必要です。

認定経営革新等支援機関とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関を指します。中小企業診断士や税理士、金融機関などが登録していることが多いでしょう。

また、この事業計画は、補助事業終了後3年から5年で次のいずれかの達成を見込むものでなければなりません。

  • 付加価値額の年率平均3.0%以上増加
  • 従業員1人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加

公募要領をよく読み込んで申請する

事業再構築補助金には、非常に細かな公募要領が存在します。事業再構築補助金を申請する際には、この公募要領をすみずみまで読み込むようにしましょう。なぜなら、申請が採択されるためには、事業再構築補助金の趣旨や審査項目、加点ポイントなどを踏まえて申請書類を作成すべきであるためです。

これらの事項はすべて公募要領の中で記載されていますので、よく読んで理解したうえで申請することで、採択の可能性を上げることへとつながります。

時間の余裕を持って申請する

事業再構築補助金には、公募期間が定められています。あらかじめ公募期間を確認したうえで、余裕をもって申請に取り組みましょう。

なぜなら、公募期間ギリギリで準備を始めてしまった場合、申請内容を練り込む時間が十分に取れない可能性があるためです。

時間の余裕をもって申請に取り組むことで、審査項目や加点項目を踏まえて専門家とともに申請内容を練り込んだり、専門家のアドバイスを受けて事業計画を見直したりすることが可能となります。

専門家へ申請サポートを依頼する

情報に余裕があるのであれば、事業再構築補助金の申請書類を自分で行うことも不可能ではありません。

しかし、事業再構築補助金が採択される可能性を上げるためには、専門家へ申請サポートを依頼した方が良いでしょう。なぜなら、専門家は、事業再構築補助金の趣旨や審査ポイントなどを熟知しているためです。

これらを踏まえて申請内容を検討したりアドバイスを受けて方向性の微修正をしたりしていくことで、より採択の可能性が高い申請をすることが可能となります。

まとめ

事業再構築補助金は、比較的大型であり、難易度の高い補助金の一つです。少しでも採択率を上げるためには、専門家の申請サポートを受けることをおすすめします。

しかし、事業再構築補助金の申請サポートを誰に依頼すればよいか、迷ってしまう場合も多いでしょう。その場合には、ぜひ当サイト「補助金バンク」のご利用をご検討ください。

「補助金バンク」には、事業再構築補助金に詳しい中小企業診断士や行政書士等の専門家が数多く登録しており、日々多くの補助金申請をサポートしております。事業再構築補助金の申請は補助金バンクの専門家へ依頼し、採択の可能性を高めましょう。

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この記事を書いた人
野竿 健悟
この記事を書いた人
野竿 健悟
株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士
補助金に精通しており、自ら申請をご支援し、高採択率の実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を活かしたシステム開発の補助金申請の支援実績多数。

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